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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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巨大ワニの後始末。【解体】の謎に迫る!?

 リンがワニの尻尾を解体した時のことを思い返す。

 尻尾を切断するのは重労働だった。


 硬いカボチャを切るのに似ている。

 何度も包丁を入れてはギコギコと力を込めていたのだ。


 マグロの解体ショーみたいとも言える。



 【解体】は戦闘用ではなく、食材用のスキルだ。

 攻撃力や切断力を強化しない。

 バラバラに分解するような便利スキルでもない。


 俺とトウコはそっちを期待していたんだけど、実際はもっと地味である。


 効果は――モンスターの一部を食材に変えること。


 たぶんモンスターを倒すことで発動する。

 最後の一撃を入れることが発動条件じゃないかな?



 効果はさまざまだ。

 これまで見た中でも数パターンあった。


 スライムを解体したときは、核をえぐるようにしていた。

 核が残って、粘液の体は消えた。


 鹿を解体したときは、何度も包丁を突き入れた。

 倒すと肉が残り、体は塵になって消えた。


 今回は尻尾を切断した。

 切断した尻尾が残って、体は塵になった。



 核や尻尾のように、体から切り離すとその部位が残る。

 ただ敵を倒した場合は、肉がドロップするってことだな。



「しかし【解体】するとおトクだよな」

「そうですねー。お肉がたくさん取れましたー!」


 トウコがかじった尻尾は、まだほとんど残っている。

 数十キロはある。子豚くらいのサイズ感だ。


 食べきれる気がしないぞ、こりゃ。


 これでも尻尾全体ではなく、一部。

 根元は太すぎたから先端を切り落としたのだ。



「皮もついてるし、素材として使えるといいんだけどな」

「消えないといいっスね!」


 ワニの皮は頑丈だし、防具にできそうだ。


「料理するとき、気を付けますね!」

「ああ。必要な素材だと意識しておいてくれ」


 トウコはしたり顔でうなずく。


「認識しとけば消えない説っスね!」

「うまくいくといいですねー」



「さて、そろそろ拠点に引き上げようか」

「そっスね!」


 ワニが大暴れしたため、周囲のモンスターは逃げている。

 戦いの場を準備する段階で間引きもしてある。


 モンスターに襲われる心配はない。

 とはいえ、ここにいてもしょうがない。


「はい! 帰ってごはんにしましょう!」

「ワニ料理が楽しみだな!」

「あたしもー! リン姉の料理は別腹っス!」



 リンは尻尾肉を前に困り顔だ。


「うーん。大きすぎて私の【食品収納】には入りませんねー。どうしましょうかー」


 トウコがにやにや笑いを浮かべる。


「大きすぎて、リン姉には入らないっスか! へへ」

「入るわけないだろ! 二メートルはあるわ!」


 リンはまじめに悩んでいるらしく、俺たちの会話をスルーした。


「シカさんの上質肉もまだ残ってますし……ふつうのお肉も……」

「捨てるのはもったいないよな。どうしたもんか」


 食材を捨てるのは気が引ける。

 と言って食べきれる量じゃないし。


「あ、思いついたっス! いらない分は畑にまけばどうっスか?」

「あ、いいんじゃないか? 魔石みたいに肥料になるかもしれないぞ!」


 有機物として肥料にするのではない。

 魔石と同じように扱うのだ。


 捨てる認識があれば、塵になって消える。

 肥料にするつもりで畑にまけば、魔石のように栄養になるかもしれない。



「そうですねー! あとで試してみましょう!」


 肉で野菜を育てるわけだ。

 エコと言うか、不思議な感じ!



 俺は柵の残骸(ざんがい)からソリを作って尻尾肉を積む。

 前に作った木材運搬用の木馬(きうま)と同じようなものだ。


 疲れはあるが、心地よく思えてくる。

 戦利品を持って帰る俺たちの足取りは軽い。


 おいしいご飯が待ってるからね!

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― 新着の感想 ―
[一言] もし眉間あたりに包丁入って切れたら全身バラバラな? それともスーパー大切断みたいにワニ真っ二つ?
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