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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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ワニワニ・バーニング!

 小山の上からリンが炎の槍を放つ。


「ファイアァーランスーっ!」


 ワニの顔面に炸裂し、燃え上がらせる。


 しかし、すぐに炎は消えてしまった。

 防御膜が魔法を撃ち消しているのだ。


 だが、これはヒットポイントを減らしているとも言える。

 少しずつだが着実に削っている!



「フゴォォッ!」


 ワニが一段目の馬防柵(ばぼうさく)を破壊する。

 木の破片が宙を舞う。



 リンが居る小山の手前には(ほり)がある。

 分身でせっせと掘った穴である。


 小山はこの土を積み上げたものだ。

 もともとの地形を利用しているが高低差が足りなかったので積み増している。


「小山まで撤退するぞ! 早く渡れ、トウコ!」


 俺は穴の上に渡した板を小走りに渡っていく。

 一歩ごとに板が頼りなく揺れる。



 トウコは自分の(もも)に手を当てて、荒い息を整えている。

 情けない顔で小山へ上った俺を見上げながら言う。


「早くって……はぁはぁ……店長、鬼っスね!」


 トウコには疲れが見える。


 無理もない。

 俺と違って体力にステータス補正がないのだ。


 俺は敏捷力と体力がB+。

 ゆえに、俺はまだまだ余力がある。


 だが、トウコのステータスは敏捷力がB。生命力がB。

 体力はCだ。つまり生身と変わらない。



「頑張るんだトウコ! 追いつかれるぞ!」


 ワニが二段目の柵を破壊してトウコに迫る。

 トウコとワニを隔てるものはなくなった。


「やばっ!」

「トウコちゃんに近寄らないでー! ファイアボール!」


 ワニの顔面に炎の花が咲く。

 そのスキにトウコが走り出す。


「つかまれ!」


 トウコに手を貸して、堀を超えさせる。

 なんとか渡り切った!



 怒り狂ったワニが俺たちに向かって突進してくる。


「フゴォォ!」

「よし、いいぞ!」


 これまで俺たちを追ってきたワニは警戒が薄い。

 言うなれば、調子に乗っている。


「落ちろっス!」


 狙い通り、板はワニの重さに耐えかねてへし折れる。

 板と一緒にワニも堀の底に落ちる。


 わずか数メートルの落下。

 ダメージはほとんどないだろう。


 堀は浅く、登れないほどではない――ように見える。

 だがその下にはカルトロップが()き詰められている。


 悪い足場に、ワニの動きが鈍る。



「投げるぞ!」

「あいあいっ!」


 俺は用意しておいた瓶を投げる。

 中に入っているのは可燃物。液体燃料である。


 瓶が弧を描いて飛ぶ。

 空中にあるそれを、トウコが拳銃で撃ち抜いていく。


 液体がばらまかれ、ワニに降りかかる。


 この液体は化石燃料だ。

 揮発(きはつ)した燃料は簡単に引火する。


 火をつけるのは当然――


「リン! 燃やせ!」

「いきますよー! ファイアボール!」


 火球がワニへと向かう。

 引火した燃料はすぐさま燃え上がり、ワニを包み込む。


「やったっス! 燃えろー!」

「次々行くぞ!」


 どんどん追加の燃料を投下していく。


「やりました! こんどは消えませんねー」


 そう。さっきのように炎は消えない。

 ワニそのものを燃やしているのではないからだ。


 燃えているのは油。

 だから防御膜によって消火されない。


 炎がワニを(あぶ)る。


「フゴアァーッ!」


 たまらず穴から抜け出そうと動くところへ、銃弾が浴びせられる。


「うらうらっ!」

「槍隊! 叩きつけろ!」


 俺は判断分身に指示を出す。

 四体の判断分身が上から槍を叩きつける。


 槍は突くものと思われがちだが、叩いて使うこともある。


 天に向かって立てた槍を一気に振り下ろす。

 しなりと加速が爆発的な威力を生み出す!



 ワニの防御を突き抜け、表皮へと攻撃が届く。

 硬いウロコに阻まれるが、傷をつけている。

 効果はある!



 槍が、銃弾が、火球が、ワニを押し戻す。

 ワニは穴から這い出そうとするが叶わない。


 その間にも炎がじりじりとワニを(あぶ)っていく。



「いい調子だ! 続けるぞ!」


 ワニは穴の底から這いあがれずに暴れている。

 もろい土壁がくずれて登れないのだ。



 振り回した手足や尻尾に巻き込まれて分身が倒される。

 問題ない!

 分身は補充すればいい!


「ばっちりハメたっスね!」

「勝てそうですねー!」


 話しながらも容赦ない攻撃を続ける。


「気を抜くなよ。このままいけばいいが……」



 ワニがひときわ大きく暴れだす。


「フゴォォー!」


 尻尾を大きく振りかぶる。

 狙いは落とし穴の側面だ。


「ヤバいっス!」


 ずどん、と地が揺れ激しく土煙が上がる。

 落とし穴の一角が崩れた。


 ワニは穴を抜け出して身を震わせる。


「ああー! あ、穴が壊れちゃいましたー!」

「やっぱり、そううまくはいかないな!」

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[一言] ペロッ…これは、第2形態!!
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