表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

642/1474

ハズレアイテムだと見捨てられていたアレ、見直される!

 俺たちは鹿を狩るために草原ダンジョンの森林側へやってきた。

 自律分身は時間切れで消えたので、今は三人である。


 キノコを採集して、頭上のスライムを避けて進む。


「キノコゲットっス! うぇーい! リン姉も!」

「……うぇ、うぇーい」


 トウコとリンがじゃれている。

 というか、付き合わされている。


「あんまりはしゃぐなよー。枝の上にスライムがいるぞ」


 樹上の葉がわずかに揺れている。

 ほら、落ちてきた――


「あぶっ!」


 トウコが【緊急回避】でローリング(ドッヂ)回避する。


 くるりと回転して膝立ちになって銃を構える。

 片手でハットを押さえる姿は西部劇じみている。


 だが、銃を撃つ必要はなかった。

 リンがトウコが飛びのいてすぐ魔法を放ったからだ。


「ファイアボール!」


 地面に落ちたスライムが燃やし尽くされる。



 俺は周囲と頭上を確認して言う。


「よし! 周囲に敵はいないぞ。進むときは上も注意な!」

「はーい」



 トウコが俺の(そで)を引く。


「店長大変っス! 衝撃の事実が……!」

「なんだよ?」


 どうせくだらないことだろうけど!

 トウコは愕然とした顔で言う。


「なんと! 帽子してると上が見にくいんスよ!」

「そりゃ……しょうがないだろ?」


 麦わら帽子でも同じ条件だ。

 あ、森の中は日がささないから、前回はかぶってなかったのかな。


 新しく作った装備だからって、すぐ役に立つわけじゃない。

 サバンナ方面なら帽子も活躍しただろうけど。



「リン姉は大丈夫なんスか?」


 リンは珍しく得意げに胸をはって答えた。


「私は魔力を見ているから大丈夫なのー!」


 目で見ているわけじゃなく魔力を知覚している。

 帽子ごしでも見えているわけだ。


「うへー! 魔法すげーっス!」

「うん。便利だな!」


 ダンジョンには見通しの悪い地形が多い。

 【魔力知覚】は強スキルだ!



 リンが少し先を指さす。


「あそこから第五エリアですねー」


 先行させたシステムさんのナビで、エリアの境界がわかったようだ。


「よし、ボスがいるはずだから気を引き締めていくぞ!」

「りょー」


 トウコは気の抜けた返事を返す。


「一度倒したからって油断するなよ、トウコ!」

「りょ!」


 トウコはしゅばっと手をあげる。



 今日は大角鹿(おおつのしか)のボス素材をゲットしようという計画だ。

 狙いはボスである。


 これはリンが言い出したことだ。

 角や皮の素材が気に入ったらしい。


 これまで素材はハズレ扱いにされていた感があった。

 リンもトウコも肉目当てだったからな。


 素材の価値が認められてよかったぜ!



 エリアの境界を超える。

 俺のダンジョンと違って、モンスターは境界線を越えて移動してくる。


 それでも住んでいる場所は決まっているようだ。

 おそらくナワバリのようなものだろう。



 第五エリアにはボスの大角鹿がいるはずだ。


「あ、なにか来ますよ!」

「ボスか!? 戦闘準備!」


 俺は刀を握りなおす。


 構えるわけではなく、自然体。

 体はリラックスさせておくが、気持ちは戦いに備える。


 お、なにか見えたな。

 森の奥から近づいてくる鹿の姿がちらりと見える。

 木々にさえぎられて視界は悪い。


「んー? ボスほど大きくないっスね? 大きいザコ鹿っスかね?」

「きたよー!」



 茂みを抜けて姿を現したのは、大柄な角鹿だ。

 これまで見たザコ鹿より大きく、角も立派だ。


 しかし、前回のボス個体より小柄。


 ボスを倒してからさほど時間は経っていない……。

 だが、もう復活している頃合いだ。


 つまりコイツは――


「たぶん復活(リポップ)したボスだ! おそらく、まだ()()()の個体だろう! 油断するな!」


「はい!」

「角と皮はいただきっス!」


 俺たちは戦闘に突入した!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 帽子を被ると上は見えない… しかし頭にスライム被って窒息死は免れるw そして何より…カッコいいだろう!?(ギャキィ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ