表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

641/1472

特別をめぐる攻防!?

 ややあって、トウコ達が帰って来た。


「ただいまーっス!」

「魔石集めて来たぞ」と自律分身。


「おつかれ。早かったな」と俺。

「おかえりなさーい」


 とリンが緩んだ顔で手をあげた。

 指には指輪が光っている。


 もちろん、角素材なので実際に光を放っているわけではない。

 比喩的な意味である。


 それを見て自律分身は俺にだけわかる程度に小さく頷く。



 トウコが言う。


「あれ? リン姉の顔が赤いっス!」

「え? うん……えへへ」


 リンは緩みっぱなしだ。


「あ! 店長とやらしいことしてたんスか? それなら気を利かせてもうちょい魔石集めてくるっス!」


 トウコはくるりと向きを変える。


「やらしいことはしてねえ!」と俺。

「気をつかえてねーし!」と自律分身。


 邪推するな!

 普通の対応を頼む!


「あ、あれ? 違うんスか」

「違うかなー? ほら、前にお願いしていたアクセサリーを作ってもらったのー」


 リンは普通に手をかかげて見せる。

 さりげないアピール作戦は失敗。普通に見せびらかした!


 トウコはぐっと親指を立てる。


「おおーっ! 例の普通(ふつー)の特別なやつっスね! よかったっスね、リン姉!」

「えへへ……ありがと」


 自律分身が机の上に魔石を並べる。


「これでもう一品作れるな」

「じゃあ、あたしは――」


 同じ指輪が欲しい、とかはナシで頼むぞ!

 二個目を作ると特別が普通になるからな!


 今度こそ空気を読んでくれ!

 ……それをトウコに期待するのは無理か!?


 リンはさっきの表情のまま笑っているが――耳をそばだてている!



 トウコが口を開く!


「――スケスケうすうす装備がいいっス! リン姉の!」

「作らねーわ!」


 空気を読めな過ぎてよかった!

 大きく外れて安全圏へ!


「トウコちゃん。そういうのは……ちょっとダメかな? ほら、防御力がね?」

「ちぇーっ!」


 リンも平常モードへ!

 ふう……。



 すかさず自律分身が言う。


「トウコには新しいホルスターでも作るか? 鹿の皮があったろ?」と自律分身。

「そうだな。革製品はいいかもしれん! 実に妥当だ!」と俺。


 ナイスフォローだぜ、自律!

 トウコが片眉を上げる。


妥当(だとー)ってなんスか?」

「ちょうどいいんじゃないかってことだよ! いらないか?」


「いるっス! でもホルスターより帽子がいいっス! ちょっとボロくなってきたんでー」


 トウコはかぶっていた麦わら帽子を見せてくる。

 少しほつれているな。


 トウコは戦闘中に地面に転がったりするから装備が痛みやすい。


「あ、私の帽子も少し……大切に使っているつもりなんですけど……」


 リンも申し訳なさそうに帽子を見せてくる。

 ほとんど問題ないけど……。


「んじゃ、あとで直そう。魔石が集まったら耐久強化を付与しておくよ」


「ありがとうございますー!」

「あざっース!」


「んで、トウコの装備だけど、カウボーイハットはどうだ? 革で作れるぞ」

「おー! いいっスね! じゃ、それで!」


 すでに机の上には自律分身によって鹿の皮が用意されている。

 話が早い!


 んじゃさっそく――【中級忍具作成】!


 それって忍具ではなくカウボーイ具なのでは……?

 ――とでも言いたげな気配を(かも)し出す忍具作成君。


 いやいや忍具です! 

 欧米ではカウボーイ忍者がかぶってる……かもしれない!


 帽子は前にも作ったよね!

 麦わら帽子は忍具! 帽子は忍具!

 ハットも忍具である!


 ――発動成功!


 空気を読んで発動してくれたぜ!



 作ったのは西部劇に出てくるようなハットだ。

 両端が少し上がったタイプ。


 カウボーイハットはフェルトや麦わらでつくることもあるようだ。

 防水や通気性を考慮しているらしい。


 今回は革で作った。

 『角鹿の皮』を使いたいからである。


 一度作れば草素材で作るのはたやすい。

 草はいくらでもあるしな!



「ほれ、できたぞ」


 完成した品物を見せる。

 トウコは明るく笑う。


「おー! かっこいいっス!」

「曲線がいい感じにできているな」と自律分身。


 近寄ってきたトウコの頭にかぶせる。

 サイズもいい感じ。


 トウコはリンに聞く。


「どうスか? 似合うっスか?」

「わあ、似合うよトウコちゃん!」


「夏休みの中学生から牧場の娘にクラスチェンジしたな!」

「なんスかそれー!?」


「ホメ言葉だよ!」


 テキトウ言いました。



 トウコは銃をホルスターから抜いてくるくると回す。

 ぴたりと止めると、ゆっくりした動作で帽子をくいっと持ち上げる。


 おお、なかなか(さま)になっている!


「これであたしも草原一のガンマンっス!」

「トウコしかガンマンはいないし、間違っちゃいないな」


 実際に草原一のガンマン(ガンガール)である。


「へへー。気に入ったっス!」

「おう。よかったぜ!」



 ミニスカ着物でカウボーイハット。

 和洋折衷コーディネート!


 似合っているし問題なかろう!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] リアル忍者は火薬の使い手だったらしい。そもそも、火遁とは火や火薬を使う術を指すらしい。そして、ガンマンは銃で火薬を扱うので火遁使いと言える。 つまり、忍者=ガンマンという図式がなりたつ Q.…
[一言] そういや昔ガンマンが日本に渡って武者修行 その結果侍ガンマンという謎の存在になったゲームが… 西部のガンマンそのままのスタイルに銃と刀で戦いますw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ