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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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アップグレードしたスキルを確認しよう!

 【中級忍具作成】で軽量化クナイを作成したところだ。


 軽量化は素晴らしいと理解を得た。

 満場一致である!


「よし! 続いて他の効果を試そう!」

「はーい!」

「次はリン(ねえ)の服を軽量化(布減少)で!」


 布を減らしたら防御力が減るだろ!

 そして攻撃力が上がって俺に効く!?



「……次は他の効果を試す! ――威力! ――強度! ――耐久! ――重量化!」


 連続で様々なクナイを作っていく。

 【中級忍具作成】君は文句なく働いてくれる。


 作成にかかる時間は前と変わらない。

 使用感も同じだ。

 消費する魔石量は増えている。



 机に並べたクナイを、トウコはうずうずと眺めている。


「で、どうやって試すんスか?」

「威力は板でも突いて試すか? 強度や耐久力は難しいな」


 リンが重量化したクナイをはかりで軽量する。


「重くなってますねー。やっぱり五パーセントくらいです」

「重量化、オーケーと。やはり五パーセントか」


 鈍器や投擲用なら重さが有利なこともある。


 俺はノートに結果を記す。

 最初に軽量化を試したのは、数字で結果がわかるからだ。

 重量化も同じ率だと確認できた!


 重さは計れる。


 強度や耐久力は数字で示すのは難しい。

 専用の器具がないと測れないし。



 トウコは一本のクナイを手に取ってくるくる回している。

 暇を持て余しているようだな。


「じゃあトウコ。それを耐久テストしてくれ」

「うぇ? あたしっスか?」


 トウコが手にしているのは強度強化したクナイだ。


「クナイが壊れるまで板を突くんだ」

「うぇー!? なんスかそれ。何回やればいいんスか!?」


 トウコが不満げにのけぞる。


「数千回じゃ足りないだろうな」

「ムリっス!」


「いや、冗談だぞ。判断分身にやらせるつもりだ」

「そういう地味な作業はイヤっス!」


「判断分身なら繰り返しは得意分野だからな」

「にしても地味すぎるっスよ!」


 一応やってみる。

 判断分身の両手にクナイを持たせて、同じ強さで打ち合わせ続ける。


 片方は強度強化クナイ。もう一方は無強化のクナイだ。


 キンキンキンキン――


 なんて地味な絵面!

 うるさいので遠くでやらせよう!


「うーむ。やっておいてなんだが、強度や耐久力は必要ないよな」

「そうですねー。ゼンジさんはその場で修理できますからー」


「その通り! すぐに壊れなけりゃ問題ないんだ」

「じゃあ、分身さんを止めてあげてください。なんか、かわいそうで……」


「ん? ああ、そうするか」


 別に判断分身に意思はない。

 与えられた条件を繰り返しているだけだ。


 でもリンは気になるようだ。

 優しい! 天使か!?



 判断分身に作業をやめさせる。

 クナイは刃こぼれしているが、壊れてはいない。


 壊れたら【忍具作成】で作り直せばいい。

 これはこの後の実験で使おう!



 さらに検証を続けた。


 【忍具作成】で作ったクナイにあとから【中級忍具作成】で特殊効果だけ付与できるか?

 刃こぼれした無強化クナイを材料にして、修理しながら付け足すイメージ。


 ――できた。特殊効果だけ後付けすることもできる!


 逆はどうだ?

 【中級忍具作成】で特殊効果を付与した後で【忍具作成】で作り直す。

 刃こぼれした強度強化クナイを使う。


 ――これもできる。特殊効果は失われない!


 では二つの効果をつけられるか?

 すでに特殊効果を付与したクナイに、さらにもう一つ付け足す。


 ――できない?



 【中級忍具作成】君は弱々しい反応を返してくる。


 いや、できるはずだ! やればできる!

 中級に昇格したお前にならできる!


「いけるはずだ! 一つできたなら二つ目もできる!」

「店長、なにぶつぶつ言ってんスか?」


 おっと口に出してたか!


「忍具作成さん、がんばってください!」


 ほら、応援されてるぞ!

 あきらめるな!


 ……ダメか?

 うーむ。無理な手ごたえ!


 スキルレベルが足りない?

 うむ……。


 そうか。スキルレベルか。

 それはしょうがない。


 それさえあれば軽くて鋭いクナイが作れるってことだ!

 そうだよな?


 よし!

 スキルポイントの余裕ができたら上げてやるぜ!


 ポイントの余裕?

 そんなものはない。だが作るのだ!



 トウコが半眼で言う。


「……店長、なに一人でうなずいてるんスか?」

「ん? スキルレベル上げようかなって考えてたんだよ」


 リンは静かに笑っている。


「ゼンジさん、そういうときありますよねー」

「……そんなに顔に出てるか?」


 声は出さないように気をつけていたんだけどな。

 顔に出ちゃってたか。


「はい。少し」

「モロ出しっス!」


 せっかくリンがオブラートに包んでくれたのに、それをぶちまけるトウコ。

 言い方よ!



 軽量化したクナイをダンジョンの外で収納から取り出しても問題は起きなかった。


 ポーションのように禁止されている品物ではないようだ。

 外でも使える!



 これで、検証は充分だろう。

 次は既存の装備をアップグレードするぞ!

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― 新着の感想 ―
[一言] 延々とクナイを打ち合わせる耐久実験とかまるで穴ほって埋戻し繰り返す無意味奴隷みたいに見えますわな… 彼氏の姿した分身がそれやってたらそりゃ可哀想と思うリンちゃんさんは正常です トウコは…まぁ…
[良い点] やっぱり忍具作成さんは可愛い((o(。・ω・。)o))
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