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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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四大元素の忍法! 俺にぴったりなのは……?

 火術。

 忍者は火の扱いを得意とする。

 敵の拠点や住居を焼くもよし。逃げるとき注意を引くもよし。


 【火忍法】はフィクション忍者が使う火遁(かとん)の術に近い。


 リンが俺の顔色をうかがっている。


「それで……ゼンジさん……【火忍術】を取るんですか?」

「いや、取らないよ。火はリンが使えるしな」


 リンは安心したように、ほっと息を吐く。


「よかったー。私、それしかできないから……」


 やっぱり、気にしていたんだな。


「リン姉は戦わなくても最強だから大丈夫っス!」


 リンは多彩な職業を持つが、攻撃に使えるのは魔法使いだけ。


「モデルも料理人も便利だし、戦うだけがスキルじゃないぞ」

「でも、一緒に戦えるスキルは【火魔法】しかないんです!」


 ついこの間、相談された件だ。

 リンは戦闘面で置いていかれることを心配している。

 レベルも今は俺のほうが上だ。


 火による攻撃という役割を奪うのは酷である。


「火はリンに任せる。それに俺が【火忍法】を取ったって追いつける気がしない!」

「リン姉の魔法は強すぎっスよね! チートっス!」


 スキルレベル以上に強い。

 これは【火魔法】が強いというよりはリンの資質である。


「そ、そうですか? じゃあもっと、がんばりますね!」

「うん。まあ、無理せずいこう」


 真面目な顔でこぶしを握りこむリンであった。



 リンが収納から取り出した茶を飲みつつ、スキルを吟味(ぎんみ)する。


「【火忍法】のほかに地、風、水の忍法もあるな。あと【影忍法】【幻術】もある」

「基本はそろってるんスね! 影が楽しいっスよ!」


「シャドウさんとかぶるだろ! 幻術もハルコさんとかぶるわ!」

「おもしろ術は何人いたっていいっス!」


「誰が面白さで選ぶか!」

「じゃあ、店長っぽいのは土属性っス!」


 どっしりと頼りがいがある感じか?

 俺はどっしり構えるタイプじゃないが。


 土属性なら大河さんだろ。


「どこらへんが土っぽいんだよ?」


 トウコが笑いながら言う。


(どろ)くさいトコっス!」

「うれしくねえよ! 地味ってことか!?」


「しっかりしてて、地に足がついていて……素敵です!」

「さすがリン! こういうホメ言葉がうれしいわ!」


「あたしもほめてるっス!」

「どこが!?」


 ホメてるつもりだったのかよ!?


「勝てなくても相手が強くてもあきらめない感じっス!」

「あー。まあ、ホメてるのか……」


 トウコが言っているのは冷蔵庫の件だろう。

 ヒーローなら、ピンチに颯爽と駆けつけ、敵をなぎ倒す。


 俺はそうじゃない。確かに泥臭い。

 それを認めてくれるなら、ちょっとは頑張りがいもあるってもんだ!



 俺は照れ隠しに話題を変える。


「どっちかと言えば俺って風属性じゃないか?」

「え? サワヤカイケメン枠に立候補っスか?」


 言われてみれば水と風はイケメンか美女枠かもしれん。

 そういう意味で言ったんじゃない。


「いや。身軽で自由な感じが……」

「そうですね! ゼンジさんに合います! かっこいいです!」


 さすがリン! やたらほめてくれる!

 でも持ち上げすぎだ!


「お、おう」

「店長のどのへんが風なんスか?」


 じろじろ見るな。失礼だぞ!


「毒を使うのに風を操れたら便利だろ? 風下に立ったうぬの不覚よ! ってやりたいんだ」

「ぜんぜんサワヤカじゃないっスね!」


「風属性の毒使いは風上から無双する。解毒剤をくれと言ってももう遅い! って感じだ」

「毒使いが主人公とか、売れないっス!」


 リンは首をかしげている。


「えっと……ゲームの話でしょうか?」

「あ、別にそういうゲームや漫画があるわけじゃないぞ」


 言ってみただけである。


「でも風と毒は相性よさそうっス! あ、毒属性ってないんスかね?」

「毒忍法はないな」


 スキルは個人の適正によるから、なんでも選べるわけじゃない。


「影忍法があるなら、光忍法もありそうですよねー?」

「光忍法もない。まあ、適正の問題かな? 光は俺にはまぶしすぎるぜ!」


「そうでしょうか? 私から見ればゼンジさんは明るくて、素敵で……」


 リンは過大評価がすぎる!


「店長は陽キャには見えないっスねー!」


 トウコは過小評価しすぎだろ!

 いや、間違っちゃいないか。


「たしかに俺は影属性よりだよな……って、言わすな!」



 基本的な属性――地・火・風・水の四大元素は選べる。

 どれも魅力的だ。


 リンと(かぶ)るから火は外す。

 となると残るのは――地、風、水。


 地、あるいは土。

 これは地味に思われがちだが、かなり強い。

 なにしろ土は足元にある。

 金属も土だし、毒も土に含まれることがある。


 風、あるいは空気。

 これもいい。空気は自分の周囲にあるからな。

 カマイタチのような攻撃だけでなく、空気そのものを操作して窒息させたりと応用が利く。

 (あなど)られがちだが、実は強いやつ。


 水は難しい。

 周囲に水があるとは限らないから、使える状況が限られる。

 水場から離れると使えなくなってしまう。

 でも雨の日は無双できそうだ。

 それに、水そのものを生み出せるならアリかな?



 【影忍法】はロマン枠。忍者っぽくていい。

 【隠密】との組み合わせでいろいろできそうだ。

 でもシャドウさんとかぶるのでパス!


 【幻術】はテクニカル。使い手次第では強い。

 だがパスだ。

 ハルコさんの異能と被るし、俺には分身があるからな。



「うーむ。どれも魅力的なんだが、しっくりこないな」


 どれもよさそうなのに、決めかねる。

 なにか引っかかるんだよな。


 リンが言う。


「それって、いつもゼンジさんが使ってる術と違うからですか?」

「ああ、そうそう! 違和感の正体はこれか!」


 言われてみればそうだ。


「どういうことっスか?」

「俺の術って、こういう属性系じゃないだろ? 分身とか入れ替えとかさ」


 しいて言うなら忍者属性である!

 魔法や忍法は似合わない。


「あー。そうっスね。店長は大技でどーんって感じしないっス!」

「今までの戦い方と違いすぎるから、ぶれる気がするんだ!」


 となると俺が目指す方向性……理想のビルドは――

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― 新着の感想 ―
[一言] 敵の突撃を受け止めるような手段に欠けてるから土かな・・・?
[一言] やはり主人公といえば風属性じゃないですかねー ちなみに毒ではないけど横山光輝先生の伊賀の影丸で主人公影丸の使う木の葉隠れの術が 風上から木の葉についた眠り薬や痺れ薬で敵を一網打尽にする術だっ…
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