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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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忍術と忍法。火忍法と火遁の術の違い……気にならない?

 リンとトウコと合流して草原ダンジョンで食事を終えた。


「ごちそうさま。さて、スキルを考えるぞ!」


 せっかくだから二人と話しながら決める算段である!


 トウコが口をとがらせる。


「店長だけレベル上げててズルいっス!」

「ズルいもなにもあるか!」


 今週は表の仕事(飲食業)は最小限にできたのだ。

 本職はダンジョンと公儀隠密である!



「ゼンジさん。スキルは上級忍術から選ぶんですかー?」


 俺は腕を組んでうなる。


「まずは上級から選びたいんだけど、目移りしてなあ」

「自律分身をあげたらいいんじゃないっスか?」


「スキルポイントが足りない。次は八ポイントも必要なんだ」

「じゃあ、セットのやつっス!」


「【意識共有】のことか? 上げなくていい気がするなぁ」


 【意識共有】はまだレベル一だ。

 あと一ポイントでスキルレベル二にできる。


 リンが首をかしげる。


「あれ? 【自律分身の術】と一緒じゃなくていいんですか?」

「セットで使う術だけど、別のスキルだし、同時に上げなくてもいいんだ」


「そうなんですねー」

「デメリットもあるしな。フィードバックが強くなる」


「記憶を受け取るのがたいへんになっちゃうんですね?」


 俺はうなずく。


「そうそう。今でも()()()()を受け取ると動けなくなるからな」


 痛みの記憶。驚きや恐怖の感情までフィードバックされてしまう。

 伝える情報は選べるが、印象が強いと伝わってしまう。


 戦闘中に自律分身がやられると、俺が動けなくなってしまうリスクがある。

 この効果まで強化されたら危ないのだ。


「便利だけど、むずかしいですねー」

「経験値も多く受け取れるんだけど……パスだな!」


 自律分身の経験は俺に書き戻される。

 取得経験値が還元されるのだ。


 次のレベルまでの必要ポイントは一だ。

 急がなくても熟練度で上がるから、このままでいい。



「他にどんなスキルが選べるんですかー?」


 リンの問いに俺は指を折りながらこたえる。


「ええとな……【生気(せいき)吸収】【魔力吸収】【爆発の術】【火忍法(ひにんぽう)】――」


 リンが驚いた様子で言う。


「えっ? 火忍法、ですか!?」


 妙に食いつきがいいね?


「ん? 火のほかにも水忍法とかもあるぞ?」


 トウコも身を乗り出して手をぐっと握っている。


「ついに忍法(ニンポー)来たっス!」

「派手な術が使えるかもしれん!」


 ついに派手そうなスキルが現れたのだ!

 上級まで使えないとは、もったいぶりよる!



 トウコが首をかしげる。


「なんで忍術(にんじゅつ)じゃなくて忍法(にんぽー)なんスかね?」

「ああ。呼び方が変わったな。より強力だからか?」


「でもあたしは忍術のほうがいいと思うっス!」

「なんでだよ?」


 どうせくだらない理由だろうけど、一応聞いてみる。


火忍術(ひにんじゅつ)のほうがいい感じっス。リン姉もそう思わないっスか?」


 急に振られたリンは首をかしげる。


「ひにんじゅつ……?」


 トウコはにやにや笑いを浮かべる。


「ほら、響きがいい感じっス!」


 響き……?

 ああ、やっぱりくだらないことだったな!


避妊(ひにん)する術じゃないわ!」


 スケベでもないわ!



「ん? それでさっき、リンは火忍法に驚いてたのか?」


 リンがあわてて手を振る。顔が赤い。


「あっ!? そうじゃなくて……火魔法みたいだなーって! ち、ちがうんですよ!?」

「わかってるって。リンが下ネタ言うとは思ってないよ」


 トウコじゃあるまいし!

 そのトウコがしたり顔で言う。


「火忍法と言えば火遁(かとん)っスね!」

遁術(とんじゅつ)は隠れる術だから漫画みたいに火を()くのは違うぞ」


 トウコは頬をふくらませる。


「でもそういうもんっス!」

「まあ、言葉として正しいかなんて、どうでもいいけどな」


 多く使われるようになった言葉は定着する。

 別に火遁の術で攻撃したっていい。文句をつける気はないのだ。



 そういえば俺のスキルに遁術(とんじゅつ)は見当たらないな。

 似たスキルに【隠密】があるが、これは忍術じゃない。別系統だ。


 ま、遁術がなくても困っていない。

 欲しいと思えば出てくるのかもしれないが……今はいいか。



 リンが言う。


「あの……忍法と忍術って、なにが違うんでしょうか?」

「現実の忍者が使いそうなのが忍術で、漫画っぽいのが忍法じゃないか?」


 実際にあるとされる忍術は地味である。


 火をつけたり煙玉を使うのが火術。あるいは火遁。

 水に潜ったり、池に石を投げ込んで潜って逃げたと思わせるのが水遁。

 地味である。


 手や口から火を噴いたり、水を自在に操ったりするのが忍法。

 派手で漫画的である。



 トウコが緩んだ顔で言う。


「忍法はなんでもありっス! エロい術はだいたい忍法っス!」

「そ、そうなんですねー?」


 リンがちらっとこちらを見る。


「風評被害はよせ! 忍法はまっとうな術だぞ!」


 取得可能なスキルを探してみたがエロい術などなかった!

 いや、使わないけど!

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[一言] 生気吸収と魔力吸収にエロスを感じたのは俺だけではないはずだ!
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