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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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幼女ダンジョンはレアケースで!

 シズカちゃんが身じろぎする。

 目が覚めたみたいだ。


「おはよう、シズカちゃん。大丈夫?」

「……」


 シズカちゃんは眠そうに目をこすっている。



 スナバさんが言う。


「さて、暗い話はこれまでにしよう。情報をつかんだら協力を頼みたいが、かまわないか?」


 さっきの話は今すぐにどうこうって話じゃないらしい。

 俺は快諾する。


「いいですよ。なにかわかったら連絡してください」

「助かる」


 俺たちは連絡先を交換する。



 俺はスナバさんにたずねる。


「それはそうと、一つ聞いていいですか?」

「なんだ?」


 シズカちゃんを刺激したくはない。

 だけど聞いておくべきだ。


 シズカちゃんはダンジョンを欲する連中のもとにいた。

 とすれば、ダンジョンはどうなったんだ?

 施設とやらに残されているのか?



 俺はスナバさんだけに聞こえるように小声でたずねる。


「……シズカちゃんのダンジョンはどうなったんですか?」



 リンが気を利かせてシズカちゃんを呼ぶ。


「シズカちゃん。こっちでお話ししようねー」

「……」


 シズカちゃんはこくりとうなずくとリンのそばへ席を変えた。



 スナバさんが言う。


「わからない。持ち去られていたからな」


 俺は眉を上げてスナバさんを見る。


「持ち去られた?」


 ふつう、ダンジョンは動かせない。

 だが管理者権限があれば別だ。


 暴食はダンジョンの入口を移動させた。

 ダンジョンは動かせる。

 今は俺も管理者権限があるからできるはずだ。


 まあ、これは例外だ。

 いったん除外して考える。



 ダンジョンの位置は固定されている。

 正確には転送門の位置が、だ。


 持ち去れるものだろうか?


 俺のダンジョンならクローゼットに固定されている。

 草原ならトイレに。

 冷蔵庫なら……動かせる。


「ああ、移動できる場所()にダンジョンができてたのか……」

「そうだ。クロウさん。あの施設にはいくつも入れ物が用意されていた。タンスや棚のようなものだ。大きなものから小さなものまで色々とな。どれも動かせるものだった」


 ダンジョンは密閉された場所に発生する。

 箱のようなもので、扉のように開け閉めできなければならない。


「つまり、その施設ではダンジョンを持ち出す準備をしていたってことか……」

「売るためには動かせなければ困るだろう」


「シズカちゃんのダンジョンは持ち去られたんですよね? 持ち主はいらないんですか?」

「本来はセットで売り買いされるらしい。連中が慌てていたのと、シズカが隠れたから無事でいられたんだ」


 ダンジョンの持ち主が死ねばダンジョンが悪性化するか、消える。

 持ち主もセットじゃなきゃ売り物にならないかもしれないな。


 シズカちゃんは能力を使って隠れたんだろう。


「慌てていたというのは?」

「俺が向かっていたからだ。俺たちはいくつか敵の拠点を割り出して襲撃した。他の場所はダミーだった。もっと早くついていれば……」


 スナバさんの顔に後悔が浮かぶ。


 あのとき、ああしていれば。

 誰だって後悔する。


 なにも知らない俺が言うのは差し出がましいかもしれない。

 だが言う。


「スナバさんは間に合ったんですよ。だからシズカちゃんはこうして笑っている」

「……ああ」


 シズカちゃんはリンと会話しながら、小さく笑っている。


 リンが話しかけて、シズカちゃんはうなずいたり首を横に振ったりする。

 それでも、コミュニケーションは成立しているようだ。


 スナバさんは目を細めてその様子を見ていた。

没タイトルシリーズ

■持っていかれたのは……アレ?

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― 新着の感想 ―
[一言] 幼女ダンジョンサブタイ化しててふいたw 確かにインパクト抜群!でもどこかにいって行方不明!
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