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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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地図情報! 交通標識クイズ!?

 俺たちは管理コンソールのダンジョン情報閲覧画面の確認を続ける。


「さて、階層情報は飛ばして地図を見てみようか!」

「安全地帯がわかるかもしれないっス!」


 --------------------

 ダンジョン情報閲覧


 ・ダンジョン情報


 ・階層情報


 ・地図情報

 --------------------



 俺は地図情報をタップする。

 画面が切り替わる。


 階層を選ぶ表示だな。



 --------------------

 ・第一階層

 ・第二階層

 ・第三階層

  ……

 --------------------



 リンが首をかしげる。


「分身さんが調べてるのに、第十一階層が表示されないんですねー」

「あれ? 二号は店長みたいなもんっスよね?」


 自律には管理者権限がないからか?

 あるいは俺がダンジョンの持ち主だからか?


「わからん。とりあえず第一階層を選ぶぞ」


 画面が切り替わる。

 かなり精細な地図が表示される。


 線と記号で表現されているが、輪郭はかなり精細だ。

 定規でひいたような図面じゃなくて、でこぼこも表現されている。


 文字はなく、さっぱりした最小限の地図である。



 リンが感心したように言う。


「ゼンジさんのダンジョンって広いんですねー」

「ああ。いつもは最短ルートで進んでるからな」


 一階層は分岐が少ない。

 とはいえ、外れルートを含めればそれなりに広い。


「この地図、立体じゃないんスねー」

「ん? たしかに平面だな」


 高低差は表現されてない。


「触ったら変わんないっスか?」


 俺は画面を両手でずらすように触れてみる。

 地図の向きは回転するが、立体映像のようにグリグリ動かせるわけじゃないようだ。


「んー。できないな。でも縮尺(しゅくしゃく)は変えられるぞ」


 操作はスマホと同じ感じ。

 つまんだり広げたりして地図を拡大縮小できる。


「スマホみたいっスねー」

「そうだな、地図アプリみたいだ」



 リンが不思議そうに言う。


「管理コンソールって、もっとファンタジーなのかと思ってました」


 管理コンソールと呼んでいるこれは、不思議な一枚板――モノリスである。

 ファンタジーかエスエフな代物。謎の物体である。


 パソコンやディスプレイとは違う。

 でも表示は現代的で、現代人の俺には親しみやすい。



 ファンタジー的な地図だとすれば、ぼろぼろの羊皮紙(ようひし)ににじんだインクで書いた地図みたいになるだろう。

 忍者っぽくするなら墨で描いた白黒の巻物になるだろう。


 そのほうが雰囲気はあるよな。



「これは俺の認識をくみ取ってるんじゃないか?」

「スキルもそうっスよね!」


 操作がスマホっぽくなる。

 スキルがゲームっぽくなる。


 ダンジョンのルールやスキルの効果には幅がある。


 管理コンソールの操作方法(UI)が現代的なのも同じだろう。

 持ち主の意識を反映している。



 てことは――書き換えることもできるんじゃないか?


「この階段の表示、わかりにくいよな?」

「そうっスね」


 俺は地図の階段部分を指さす。

 階段の表示は記号で表現されている。


 この表示を変えようと意識してみる。

 ――できた!


 表示が変わって、記号の横にくだり階段と表記されている。


「……あれ? さっきはサンカクみたいな記号だけだったっス!」

「表示を変えれるんですねー!?」


 ――俺の認識で地図も書き変わる。


「安全地帯らしきマークはないな」

「あ、それを調べるんでしたねー」


 今表示している第一階層にはそれらしき記号はない。

 階段は階段マークだけだ。


「安全地帯っぽいマークはないっスね!」

「第十階層を見てみるか。ボス部屋があるし」


 俺が画面を切り替える。


 十階層の地図は一部が欠けた状態だ。

 部屋全体を歩き回ったわけじゃあないからな。



 真ん中はボス部屋だ。

 剣が二本、バッテン印に重なっている。


 これはボス部屋を示す記号だろう。

 その両側の部屋には別の記号がある!


「あっ! ここ! 下矢印みたいなやつがあるっス!」

「これ、安全地帯のマークか? どっかで見たことあるような……」


 ひらがなの「く」を左に回転したような図である。


「そうですねー。どこでしたっけ? ……あ、横断歩道のところで見た気がします!」

「てことは道路標識か……? 言われてみればそうかも」


 よく覚えてるな、そんなの。

 いや、俺も見たことはある。


 そんな、うろ覚えの知識でも地図に反映されるのか?

 すげーな、ダンジョンシステム!?


「でも階段は道路標識じゃないですよね?」

「階段の標識がどんなか、ちょっとわからん」


「階段の絵みたいな感じなんですよ! 段差みたいなカクカクした図です!」

「へえ。しかし、よく覚えてるなリン」


「私、見たものを覚えるのは得意なんです!」


 リンが近寄ってくる。

 なにかを期待する目。


 リンがやや頭を傾けて、目をつぶる。

 ……?


 あ、撫でるのか!?


「では……」


 俺はやや躊躇しながらもリンの頭を撫でる。


 むむっ!?

 なんだこの手触り!


 髪の毛さらさらだぞ!

 それでいてしっとりしている!?


 指の間を流れる髪はなめらかで、癖になりそうだ。


 リンは満足げに目を細めている。


「えへへ……」

「……ううむ」


 ずっと撫でていたい……。


「あー! 店長、あたしのときと違くないっスか!? 鼻の下のびてるっス!」

「そりゃお前、違うだろ! ちょっとやってみろ!」


 トウコがリンの頭に手を伸ばす。


「おおー!? なんスかコレ! キューティクル!」

「なんかずっと撫でてたいよな! どうなってんだこの手触りは!?」


「あっ! く、くすぐったいですー」

「あ、すまん。調子に乗ったわ!」


 俺が手を離すとリンは名残惜しそうな顔をしている。


「キューティクルーっ!」


 トウコはまだやめていない。

 くせになっちゃうね!

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― 新着の感想 ―
[一言] カスタマイズも可能とは随分便利な地図ですな… クリア済み階層の上だから価値は薄いかもだけどやはり便利
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