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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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【勤勉】に【検証者】を検証する!?

 トウコが首をひねる。


「うぇ? どういうことっスか?」


 自律分身と俺はすぐに分かり合える。

 なんせ自分自身。考えることは同じだ。


 でも他人にはちゃんと説明しないと伝わらない。

 俺は少し整理してみる。


「スキルを使えば熟練度(じゅくれんど)がたまる。熟練度がたまればスキルレベルが上がる。その後【検証者】から【勤勉】を外すと――」


 俺の言葉を引き継いで自律分身が言う。


「――【勤勉】が手に入るってわけだ!」


 リンがぽんっと手を打つ。

 理解が顔に広がる。


「あ! それなら両方使えますねー!」

「えー!? わかんないっスよー!」


「ええとだな……ちょっと複雑になるし、仕様次第なところもあるが――」


 俺は説明を試みる。

 伝わるかな?



 取得可能なスキルとはなにか、って考えてみるんだ。

 スキルリストに載っていて、ポイントを使えば取得できる状態のことだ。


 表示されているだけで、取得していないスキル。

 これはスキルレベルが()()だと考える。



 そして【検証者】の効果はどういうものか。

 取得可能なスキルを選んで、スキルポイントを使わずに取得する。


 一時的にスキルレベルをプラス(いち)する効果――と言える。



 つまり、ゼロを一にする。

 スキルレベルが一以上あれば、使用可能になるってわけ。



 スキルレベルが上下するなんておかしい?

 いや、スキルレベルはよく変動する。


 ダンジョンの外やダンジョン領域――場所によってマイナス補正を受けている。

 スキル調整によっても増減する。

 スキルレベルは変動してもおかしくないのだ。



 ――と、まずはここまで説明した。


 俺はトウコに向けて言う。


「――という感じだ」

「むずっ! で、今はどうなってんスか?」


「いま【勤勉】は【検証者】のおかげでスキルレベル一になっているってことだ」

「でも【検証者】から取っちゃっ(解除し)たら、ゼロになって消えるんスよね? 結局意味ないっス!」



「まあ、そうだ。ゼロに戻るなら意味はない。そこで熟練度補正の話だ――」



 俺は説明を続ける。


 条件というか、仕様による部分が大きい。

 これも一種の賭けになる。



 まず、検証中のスキルに熟練度が()まること。

 これは、お試し状態では貯まらない仕様なら、アウトだ。


 次に、検証中にスキルレベルが上がったあとに解除してもスキルが消えないこと。

 こっちは、解除と同時にリストから消されたらアウトだ。



 解除するときスキルレベルを()()()()()仕様があったらアウトなのだ。



 【勤勉】に熟練度が貯まるのか……という問題もある。

 能動(意図)的に使えないスキルは熟練度がたまりにくい。


 これまでにも、全く熟練度が貯まらなかったスキルがある。


 たとえば【身体強化・体力】や【打撃武器・威力強化】だ。

 ステータスや威力は、俺自身が能動的に変動させているわけじゃない。


 熟練するには、使う必要があるってこと。

 【勤勉】は経験値や熟練度への補正だ。


 だから、俺自身が能動的に使っているとは言えない。

 熟練度が貯まらない可能性はある……。


「――というわけで【検証者】の仕様が問題なくても、【勤勉】の熟練度が貯まらなかったらダメってことだ……わかったか?」


「こむずかしいっス!」

「あきらめんな!」と自律分身。



「逆に言えば、熟練度さえたまればポイントを支払わずにスキルをゲットできるってことだ。おトクだろ?」


 トウコは首を(たて)に振る。


「なんとなくわかったっス!」

「まあ、現時点では机上の空論だ。なんとなくわかってくれりゃいいよ」と俺。



 リンが少し考えてから言う。


「【検証者】は検証しがいがありますねー!」

「だよな! いろいろ試してみようぜ!」と俺。


「ヘンなバグが起きそうっスね!」

「天の声に怒られそうだよな」と自律分身。


「ま、平気だろ? 天の声が怒ったら、いよいよ驚くわ」と俺。


 しばらく待ってみたが天の声はそれ以上なにも言わなかった。


 お(とが)めなし……ということにしよう!

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