おや!? 五階層の様子が……? 【スキル検証】【片手剣】
祝! PV数100万突破! ユニークアクセス15万人突破!
ありがとうございます!
「これは……?」
目の前の様子に、俺は戸惑う。
ある意味、ありそうだと思っていた光景ではあるんだが……。
取得したスキルを試したいが……ここには敵が居ないみたいだ。
五階層は他とは決定的に違っている。
階段を降りきってすぐ、広い部屋に出る。
ドーム状の洞窟であることはこれまでと変わりない。
四階層と同じように輝く水晶が壁や床、天井から生えているため充分に明るい。
しかし、フロア自体は狭い。
なぜなら、壁がフロアを区切っているからだ。
その壁に、天井まで届く大きな扉がついている。
「でかいな!? ……しかし、突然の人工物か。これはやっぱり、ただの扉じゃないよな」
材質は黒っぽい金属だ。ぴかぴか輝くというより、鈍く光っている。
装飾はされていない、シンプルで重厚な両開きの扉だ。
高さは10メートルはあるだろうか。
「いかにも、何かありますと言った雰囲気をかもしているな。普通に考えたらボス部屋だよなあ。ひねくれて考えたら、異世界に通じる扉だったりして……」
開けるのが怖すぎる。
開けてはいけない禁断の扉だったりしないよね。
この扉を開けたら、向こう側にモンスターの大軍勢が控えていたりしてね。
悪そうなやつが「よくぞ、そちら側から開けてくれたなフハハ!」とか言いそう……。
いや、考えすぎだろうけど。
それくらい、このドアは異質だ。
このダンジョンは洞窟風で、ほとんど人工物は見られなかった。
例外はモノリスと宝箱くらい。
モノリスだって、もしかしたら世界滅ぼすようなSF要素だもんな。
まあ、ダンジョン自体がファンタジーなのかSFなのかという不思議な存在だ。
このドアが意味のないものだとは考えにくい。
「この扉、どうやって開けるんだ? ……開けられるのか?」
取っ手はついているが、人間サイズではない。
扉の中央付近に輪っかのようなノブがついている。
巨人なら開けられるかもしれないが。
そんな高さなので人間には届くはずもない。
届いたとして、引っ張ることができない。
俺の場合は【壁走りの術】でそこまで行くことはできる。
しかし、ドアにはりついた状態で手前に引くことができるか?
そもそもがサイズを考えると重さとか抵抗とか、物理的に無理だろう。
「うーん。自動ドアかな?」
実はノブは見せかけで、どこかにスイッチがあるとか。
ドアに触れるだけで開くとか。
とりあえず触るのはやめておこう。
ドアに触れたとたん、自動でドアが開いて強制ボス戦闘になりかねない。
ちょっと、心の準備ができていない。
なにかありはしないかと、ドア前の空間を調べた。
だが、何も見つからなかった。
モンスターはいない。
宝箱もない。モノリスやスイッチの類もない。
いける範囲の壁にも上ってみたが、なにもなかった。
「これがボス部屋と仮定して……行けるか?」
今の俺で勝てるか?
体力や魔力は充分。気力も充実。
時間もある。
戦闘的なスキルも身についた。自信もついてきた。
しかし、まだ足りない気がしている。
先ほどスキルを振ってから検証していない。
それに装備も追加したい。
ボス部屋だとするなら、強力なモンスターが出るのだろう。
なにが出るのかはわからない。
こればっかりは、開けてみてのお楽しみというわけだ。
リアル・ダンジョン攻略記には、俺のダンジョンの情報はない。
これは俺が誰に頼ることなく倒さなければならない。
孤高の忍者として、越えなければならない試練だ。
ボスとしてありそうなのはミノタウロスだろうか。
オークやオーガかもしれない。
大型の人型モンスターがボスになることは多い。
ダンジョンにいるモンスターの強化型かもしれない。
それならゴブリンかコウモリしか居ない。
序盤のボスの定番の、ホブゴブリンだろうか。
あるいは大量のコウモリか、大きいコウモリか……。
物理無効みたいなファンタジーなやつは……無いと信じたい。
死霊系のレイスとか、軟体系のスライムとか。
そんなの、魔法忍者じゃないと勝ち目がなくなってしまう。
「まあ、考えてもわからないな。何が出ても勝てるつもりで挑むしかない。今は、そのときじゃない」
せめて、今あるスキルの検証をしてからでないと無謀だろう。
装備も充実させる。回復アイテムも潤沢に用意する!
「ここはいったん退いて、スキル検証を兼ねたレベリングを行うとしよう!」
四階層へ戻った俺はレベリングをかねて、四階層の逆ルートの開拓を狙う。
三階層からの階段を背に、左側のルートを来た。帰りは、通ってこなかった壁沿いを行く。
五階層からの階段を背にするので、左手が壁になるわけだな。
ちなみに四階層の中央部分は地底湖になっているので通れない。
泳ぐ勇気はない。
水面を歩くことはできない……はずだ。
右足が沈む前に左足を踏み出す理論で走り抜けるとか……敏捷が高いとはいえ無謀だろう。
頑張れば三歩くらいは歩けるんだろうか。
【水蜘蛛の術】は俺が選べるスキルの中にない。
【壁走りの術】があるんだから【水走りの術】もありそうだが。
【忍具作成】のレベルを上げれば忍具の「水蜘蛛」が作れるだろうか。
足にはいて水の上に浮かぶ道具だ。
雪の上を歩くための「かんじき」に近い。
しかし、これは漫画的なアイテムで実際にはできないらしい。
実際の水蜘蛛は地味だ。
上に乗るというよりは座る感じ。あるいは履く感じ。
浮き輪をイメージするのが近い。
足にひれをつけて、水面を移動するわけだ。
両手は空くので弓や鉄砲も使えるし、武器も振るえるというわけ。
あるいは節を抜いた竹筒で水面下を進むこともできそうだ。
竹筒くらいは【忍具作成】ですぐに作れる。
竹筒を作るくらいなら、シュノーケルのほうがいいだろう。
現代の竹筒として忍具と言えるはずだ。
時代に沿って、道具も変化していいはずだ。
「とはいえ、冷たい水に入りたくはないよな……。避けて通れるルートがあるんだから、普通に壁沿いを行こう」
逆ルートも、ほとんど地形的には変わらない。
こちらのほうが少し道が広いというくらいだ。
逆ルートは足場が高くなっていて、地底湖側は崖のようになっていた。
水面より少し上に足場がある。
対して、こちらは地底湖と高さがほとんど同じになっている。
浜のようになっている。砂浜ではなく岩浜だ。
地底湖の水深は浅い。浅瀬の部分なら、歩くこともできる。
水はきれいで、底の岩がよく見える。
あいかわらず、水中に生き物の影はない。
足を取られるし滑りやすくなるので、浅いとはいえ近づかないでおくのが賢明だろう。
しばらく進むと、コウモリが飛んでいるのが見えた。
「試し切りにはゴブリンのほうがいいんだけど。ま、コウモリでもいいか!」
コウモリを相手にしたときの【片手剣】での動きも確認しておきたい。
といっても、やる事は変わりない。
回避して斬る。基本はこれだ。
武器はナタを使う。
これを使っていて【片手剣】が取得できるようになったんだ。当然スキルも乗るだろう!
同時に多数を相手にすると危険なので、分身をデコイにして的を散らす。
こちらに気づいたコウモリが飛来してくる。
「さて、どうかな……っと!」
【回避】スキルが示してくれた安全な位置へ体をずらす。
それと同時、ナタをコウモリの飛行コースへと振り抜く。
「キィィィ……ッギっ!」
「よし、撃墜! 手ごたえは少し、軽くなったな!」
ナタの攻撃を当てれば、たいていコウモリは一撃で倒すことができていた。
耐久力はゴブリン以下だからな。
【片手剣・威力強化】のおかげで威力は上がったように思う。
軽い手ごたえで倒せた、というくらいだ。
いきなり劇的に強くなるわけではない。
このあたりは【打撃武器・威力強化】と同程度だ。
ゲームじゃないから数字でわからないのがもどかしいな。
「キィッ!」
一匹を撃墜した直後、新たなコウモリが襲ってくる。
回避しながらナタを振るったせいで、俺は少し体勢が悪い。
これまでなら、大きく跳んで仕切りなおすところだ。だが――
「――ファストスラッシュ!」
俺はそのままナタを切り返して、下から上へと振り上げる。
【ファストスラッシュ】が発動する。
その効果は、斬撃の速度を上げるというもの。
素早い斬撃が、本来なら迎撃の間に合わないコウモリへと直撃する。
「っしゃあ!」
腹を切り裂かれたコウモリが声を上げる間もなく塵へと還る。
斬撃の速度を上げる効果であって、威力を上げる効果ではない。
しかし、速度は威力に直結する。
これが、ゲームとは違うところだ。
速さは強さ。速いからと言って攻撃が軽くなるわけではない。
「よし、思った通りだった。速くて強い攻撃が出せる!」
【片手剣】はなかなか使い勝手がいいようだ!
ブクマ、評価、感想をいただけると励みになります!




