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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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攻略再開! クローゼットダンジョン・第九階層!

 八階層からの階段で、リンの用意した弁当を食い終える。

 休息は充分。ケガはなく、魔力はある。


 俺は腰を上げる。


「んじゃ、行くぞ。ここからは新しい敵が出る。対策アイテムも用意してあるが、慎重にな!」

「はーい!」

「やってやるっスよー!」


 俺を先頭に、九階層へ踏み出す。

 ここは一度偵察して、新しい敵が出るとわかっている。


 おなじみのコウモリだ。だが、動きが違う。



 この階も、六階層からづづく石造りの迷宮だ。

 だが壁や床は古びて、ところどころ痛んでいる。


「ちょっと暗いっスねー」


 石壁が崩れて、壁かけ松明も少ない。

 壁からこぼれた砂で足元は(ほこり)っぽくなっている。


「炎で照らしましょうか?」

「いや、松明(たいまつ)で充分だ。もうちょい分身を増やそう」


 俺は分身に六階層で集めておいた松明を持たせる。


 リンの魔力は戦闘用に温存。

 俺の魔力は【瞑想】で回復できるし【分身の術】は調整がきく。


 ダンジョンはいい!

 本来の実力が発揮できるぜ!


「あざっス! これで見えるっ! 暗闇に浮かび上がるリン姉のボディラインが!」

「集中しろや!」


 けしからんこと言うな!


 ちろちろと揺れる炎に照らされて、リンの体はいつも以上に立体感をもって目に飛び込んでくる。

 実にけしからん!


 って、変な目で見るな!

 集中しろ、俺!



 リンは話の後半をスルーして、前方を指さす。


「あっ! 来ましたよ!」



 コウモリの群れだ!

 暗がりから、松明が照らす光の中に姿を現す。


「キィィ!」


 頭上でコウモリが飛び回る。

 だが、飛びかかっては来ない。


「分身! 盾を構えろ!」


 俺の操作で、三体の分身が盾をかかげる。

 俺たち三人を守るように、長方形の大きな盾を頭上に構えて、()()()をつくる。



「キキッ!」


 コウモリがやや高度を下げて、俺たちの頭上をかすめていく。


 盾の上にコウモリが放った攻撃が着弾する。

 連続して小さな爆発音がはじける。壁に光が明滅する。



 攻撃の切れ間に、トウコが顔を出してショットガンを放つ。


「うらっ!」


 コウモリが悲鳴を上げて撃ち落とされる。


「ファイアボール!」


 火球が闇を切り裂き、コウモリを燃え上がらせる。


「ていっ」


 俺も釘の束をまとめて投擲する。コウモリにクナイは惜しい。

 当たれば落とせるから、小粒でいい!



 俺たちは次々とコウモリを撃ち落としていく。

 飛んでいるのは厄介だが、俺たちはみんな飛び道具を持っている。


「キィィ……」


 最後の一匹を倒して、周囲を確認。

 通路の奥、高い天井まで松明の光は届かない。


 だが、暗闇を見通せる俺の目なら、少しの明かりがあれば充分だ。

 敵の姿はない。


 増援なし!



「――よし、戦闘終了! 余裕だったな!」


「ゼンジさんの盾のおかげですー!」


 俺は分身に構えさせていた盾をおろす。

 木製の盾の表面は荒れてささくれだっているが、まだ使える。


「ははっ! うんこ爆撃、やぶれたりっス!」


 コウモリの新しい攻撃手段――フンによる攻撃だ。

 爆発するフンを投下してくるのだが、これが地味にヤバい!


 初回の攻略は対策なしで挑んだから、ちょっとした被害があった。

 初見では、さすがに気づけない。


 あのとき、俺はコウモリを待ち構えて刀を構えていた。

 だが、近寄ってこない。


 そして、なにかが降ってきた。

 俺は【危険察知】のおかげで、からくも逃れた。


 だが、リンが被弾。

 耐久力のおかげでケガはしないですんだ。


 それはよかったんだが――

 食らったのがフンだとわかると、泣きそうな顔になってしまったのだ。


 威力はそれほどではない。

 だが、こちらの手の届かない空中からの遠距離攻撃は厄介だ。


 俺やトウコが食らったら、即死はないにしてもケガをする。

 群れの集中爆撃を食らえば、無事では済まない。


 というわけで用意した対策が、盾なのだ!

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― 新着の感想 ―
[一言] そういやトウコダンジョン以外は踏破ずっと止まってましたね… 何階層(エリア)あるのかクリア報酬は何なのか色々気になる所です
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