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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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家に帰ってダンジョン攻略!

 御庭が話をまとめる。


「さて、事件のまとめは以上だよ。他に何かあるかな?」


 御庭は笑顔で話しているが、疲れが見えるな。


 細かい話はいくらでもあるんだけど、そろそろきりあげるか。

 でも最後に――


 俺は懐から包み紙を取り出した。

 それをナギさんが受け取る。


「これが報告しておいたカプセルだ」

「吸血鬼とみられる男が持っていたものだね?」


 ここに来る前にダンジョンで調べておいた。

 だが、【物品鑑定】でも【薬術】と【毒術】でも、詳しいことはわからなかった。


「そうだ。一応スキルで調べてみたが、はっきりとはわからなかった。興奮剤、らしいんだけど使った男の反応からするとただの薬じゃない。なにか魔法的な効果がありそうだ」



 リンが心配そうに言う。


「これって、調べたりして大丈夫なんでしょうかー?」

「見た目には普通の品物だから、調べるだけなら問題ないだろう。クロウ君が報告してくれたように、体に変化が起きるのなら、危険かもしれないね」


 トウコが顔をしかめる。


「パージされなくても、へんな体になるのが嫌っス!」

「誰かに飲ませて試したりしないから安心してほしい。成分を分析するだけだよ」


「ファンタジーな品物を科学的に調べるのか?」

「うん。ファンタジーな効果はわからないけどね。それに、未知の物質が検出されたりもしない。原料がわかる程度だと思ってほしい」


 ファンタジーな品物を科学的に分析する……。

 面白そうだな。


「へえ? たとえば俺の刀を調べたらどうなるんだ?」


 宝箱から出た鉄鉱石と魔石、それにバットなどの現実の素材を混ぜた品だ。

 これって謎の物質やエネルギーが含まれてたりしないのか?


「普通の刀と判定されるだろうね。仮に特殊な効果があるとしても、持つべき人が持たない場合は普通の品物になる」


 俺の刀に特殊効果はない。

 頑丈にしたり切れ味を鋭くしたりしたい。


 【忍具作成】君にはまだ先があるはずだ!

 中級や上級のスキルを取れば、できるはずだ。


 やれるよな? 期待しているぜ心の友よ!


「興味のある話だけど……今度聞かせてもらうわ」

「ああ、気を使わせてしまったかな。そろそろ仕事に戻らないといけないね」


 ナギさんが言う。


「……その前に少し休んでください」

「そうだね」


「んじゃ、俺たちは帰る。またな、御庭。ナギさん」

「ごちそうさまっス!」


 トウコは打ち合わせ中ずっと食べていた菓子の礼を言う。


「失礼しまーす」


 リンはトウコがそのままにしたイスをもとの位置に戻して、部屋から退出する。



 帰り電車、流れていく街を眺める。

 誰かの家、誰かの生活がそこにある。


 みんなダンジョンのことなど知らずに暮らしているのだ。

 電車に揺られている人々は、これから家に帰るんだろうか。


 願わくば、彼らが何も知らずに普通に暮らせますように。

 そのために俺たちはダンジョンを攻略しよう。

 事件が起きたとき、対応できる力を養うんだ!


「ゼンジさん。どうしたんですかー?」

「たそがれてるっス!」


 俺は気分を切り替えて笑顔を浮かべる。


「いや、なんでもない。帰りに駅前でケーキ買ってこうぜ!」


「いいですねー!」

「やたーっ! なににしよっかなー!」



 食事を終えた俺たちはクローゼット・ダンジョンに入った。

 装備を整えて、洞窟を進んでいる。


 俺はいつもの忍者装束。

 今日は深く潜るつもりなので装備は多めに持っていく。


「さあ、今日は俺のダンジョンを攻略するぞ!」


 食事や風呂などの生活は、どうしたって草原になる。

 でも俺のダンジョンだって攻略の楽しみは負けてないぜ!


「はいっ! 準備はばっちりです!」


 リンは体の線の出るタイツ風のくノ一装束に身を包んでいる。

 草原と違って食物は落ちないのでクーラーボックスはなし。

 食べ物は【食品収納】に入れて持ち込んでいるらしい。

 弁当が楽しみだな!


「店長のダンジョンは久しぶりっスねー」


 トウコは丈の短い着物風だ。

 帯のようにタクティカルベルトを巻いている。

 弾薬は充分。前に攻略したものが残っている。



 俺たちはゴブリンを蹴散(けち)らし、コウモリを撃ち落として一気に五階層に到着。

 危なげなくボスコウモリを倒して魔石をゲット。


 六階層からの迷宮ゾーンも難なく突破。

 七階層からの罠ゾーンは、気を付けて進む。

 もうマーキングしてあるから、ずいぶん楽に進めるぜ!


 こうして八階層を抜けて、九階層へ!

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