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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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ダンジョン保持者と異能者の違い……?

 ポーションは隠蔽が強く働く。

 強力なアイテムゆえに、外では危険物なんだ。


 外で使うべきでないというのが結論になる。



 じゃあ、使い方を工夫したらどうだ?


「なあ御庭。異能者にポーションを使う場合はどうなる?」


 トウコが不思議そうに言う。


「え? なにが違うんスか?」


「一般人と違って、異能者には隠蔽の力が効きにくいだろ。もともとスキルやポーションを知ってる相手に使えば大丈夫なんじゃないか?」

「そうですね! このお寺みたいに、霊場だったら違うかもしれません!」



 御庭が言う。


「つまり、相手と場所を選んで使えば許されるかを聞きたいんだね?」

「そうだ」


「ある意味ではその通りだね。だけど、ポーションが危険なのは、すぐに傷を治せるからだ。気をつけないといけないよ」

「うぇっ!? ヒーラーはアブないんスか!?」


「うん。治癒能力者(ヒーラー)は珍しいんだよ。その理由はポーションと同じだね。これはスキルでも異能でも一緒だ」

「パージされるからか……」


 いろんな異能、超能力がある。


 サイコキネシスやテレパシーは目に見えない。

 体が頑丈だとか匂いに敏感だとか、そういう能力は人に気付かれにくい。


 治癒能力は目で見て効果がわかりやすい。バレやすい。

 バレるとパージされる。


 治癒能力を持った異能者が最初から少ないんじゃない。

 数が減ってしまうから、珍しいんだ。


「そうだよクロウ君。一般人を相手に治癒能力を使ったら、パージされるってことだ。だから数が少ない」

「つまりバレなきゃ大丈夫なんだよな?」


「バレないように使うのが難しい。ケガ人が急に元気になったらどう思う? 重病人が起き上がったら?」

「そりゃ、不自然だよな……。じゃあ自分を癒すとか、目立たないケガならどうだ?」


「うん。工夫すれば使える。そこが難しいんだけどね!」

「包帯を巻くくらいなら大丈夫だよな? 傷口も隠れるし!」


 御庭はうなずく。


「うん。それならバレにくいだろうね」


 リンがトウコを見る。


「気を付けてね、トウコちゃん?」

「うぇ? なんでっスかリン姉?」


「ほら、犬塚さんに包帯を巻いてあげたとき、ダンジョンの外だったから……」

「あ、そういえば【応急処置】したっスね!」


 暴食が逃げたあと、消火器ボックス前でのことだ。


「あのときは誰も見てなかったし、大丈夫だと思うぞ」

「回復効果もなくて、ただ包帯巻いただけっス!」


 リンは安心したように言う。


「あ、そうなんだー。スキルが弱くなってたんですね!」



 御庭がトウコに言う。


「トウコ君は治癒能力があるんだね? なら気を付けて使うんだよ!」

「ちょっと血が止まるくらいっスけどねー。でも気を付けるっス!」


 スキルレベルが低いから、効果もそれなりでしかない。

 おかげで外で使っても効果がなかった。

 回復系のスキルを育てるなら気をつけなきゃな。



「なあ御庭。さっき治癒能力の場合、スキルでも異能でも同じだって言ってたけどさ。前、異能者には隠蔽が効きにくいって言ってたよな?」

「えー! ズルいっス!」


 御庭が眉を上げる。

 イケメンがやると様になるね。


「よく覚えてたねクロウ君。たしかに異能は隠蔽がゆるくかかる。だけど基本は同じだ。目立てばパージされるよ」

「ああ、治癒は目立つし、隠蔽が強くかかる。だから異能者でもパージされるのか……」



 トウコが御庭に言う。


「じゃあじゃあ! 異能とスキルってなにが違うんスか!?」


「似た力だけど、少し違う。異能は超能力や霊能力みたいなもの……普通とは異なる力ではあるけど、この世界の力と言えるんだ。それに対してスキルはダンジョンの力だよね?」


「つまりファンタジーな力か……」


 異能はこの世界の力。

 スキルはダンジョンの――ファンタジーの力。



 リンが小さく手を上げる。


「あの……。()()()()って、どういう意味なんでしょうかー?」


 ()()()()を守ろうとする隠蔽(いんぺい)の力。

 切り離し(パージ)認識阻害(ブロック)


 前に御庭はそう説明した。


 なんとなく納得してたけど、たしかによくわからんね。

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― 新着の感想 ―
[一言] ダンジョンとか黒幕っぽいヴラドとか… この世界のものとは思えませんよねぇ
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