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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
四章 副業は公儀隠密で!

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脱出と事後処理!? 偽名のヒットポイントはもうゼロよ!

 俺は転送門へ飛び込み、三階の洋服店へ。

 さらに走って二階へ降りるエスカレーターへ向かう。


 飛ぶように駆けおりて、一気に一階へ。



「む、一階も領域になってるのか!」


 たどり着いた一階にもモンスターが湧いている。

 モンスターはダンジョン内や三階に比べると小型の群れた獣だ。


「でも、こいつらは相手にしない!」


 分身と隠密で獣たちを置き去りにして走り抜ける。

 戦う意味はない。


 そろそろウラドたちがボスを倒すだろう。

 ボスも強そうだったが、彼らが負けるとは思えない。


 そうなればダンジョンは消えて、領域もなくなる。

 モンスターも勝手に消えるはずだ。



 道中、人がいないかを確認していく。


「やっぱり誰もいないな……」


 これは、もう避難がすんだのだと思いたい!


 出口が見えてきた。

 正面玄関のガラスの自動ドアは、開きっぱなしになっている。


 外は明るいが、様子は見えない。

 おそらく領域はこの建物内までだ。外は普通の空間のはず。


 ならば、このままの格好で出ていくのはマズいな。

 ちょっと身支度だ。


 収納に忍者刀。腰に手斧と手銛(ペグ)

 上着を脱いで腰に巻く。


 これで一応、凶器は隠せたはず。

 返り血などの汚れは塵になって消えている。

 人目はひきたくないからな。


 俺は(はや)る気持ちを抑えて、ゆっくりと歩く。


 ドアを通り抜けると――

 空気が変わった!

 やはり、ここが世界とダンジョンの境界線だ。



 耳に車の騒音や人々のざわめきが飛び込んでくる。

 ごく普通の街の光景に、俺は安堵(あんど)を覚える。


 無事に生きて出られた。

 そして、外に問題はなさそうだ!


「……よし、外の人たちは異常に気付いてないぞ!」


 認識阻害の力はすごい。強すぎる。

 今は、騒ぎになっていないことが頼もしいのだが。



 ケガ人がいたのか、救急車が止まっている。

 おそらくは体調不良とか、転んだとか、そういうことになってるんだろうな。


 でも……ダンジョン領域内で亡くなった人は行方不明か、そもそも存在しなかったことになってしまう。

 ……ひどい話だ。



 イヤホンから御庭の声が聞こえる。

 腕を見れば、スマートウォッチも電源が入っている。。


「――クロウ君! 無事だったね!」

「ああ。もう中に一般人はいない。それから、吸血鬼のような奴らがいて――」


 簡単に報告をすませる。

 細かい話はあとで、直接会って話すことになった。


 リンたちは無事で、車にいるらしい。

 よかった。

 さて、合流しよう。


「あともう一件、連絡しておこう」


 俺は電話をかけながら、車へ移動する。



 リンが俺を見つけて手を振っている。

 ほっとした表情だ。


「あっ! ゼンジさん! よかったー! 無事ですね!」

「おう! そっちも無事か!」


 リンのすぐそばに車が止まっている。

 中からトウコが顔を出す。


「こっちも無事っスよー。サタケさんは倒れそうっスけど!」


 車の中にはサタケさんとエドガワ君、ハルコさんがいる。

 サタケさんは顔色が悪いな。シートに背を預けて休んでいる。


「げほっ……ちょっと無理をしすぎたようだ」

「はやく病院に行きましょう! ボクも家に帰りたいです……」



 俺は車に乗り込んだ。


「ふう。ただいま。三階に生存者はいなかったよ」

「そうですかー。なかなかゼンジさんが戻ってこなくて……その、心配で……」


 リンは心配そうに眉をひそめている。


 あ、偽名が……!

 まあ、もういいか。


「うん。待たせてすまん。ちょっといろいろあってな」

「いろいろ? ……なにかあったんですか?」


 リンの表情が曇る。


「今回の事件の首謀者(しゅぼうしゃ)らしきやつを見かけて、ちょっと情報収集してきた」

「えっ!?」


 おっと! さらに心配させている!

 安全アピールしておこう!


「――あ、バレてないから大丈夫! 危険はなかった! ぜんぜん!」

「そ、そうですか……?」


 実際は危険だったけど!

 バレなければ危険じゃないってことで!


「おー、さすが忍者っス! で、なにかわかったんスか?」

「それはあとでゆっくり話すが……」


 ハルコさんもいるし、今は話せない。

 危険な情報は知らせないほうがいいだろう。


 ハルコさんは気まずそうに言う。


「あ、私がいると話せませんよね? なんだか、流れでついてきちゃいましたけど……」

「いや、いてくれてよかった。ハルコさんと話したいと思っていたんだ。異能やダンジョンについてとかね。ハルコさんは詳しくないみたいだし。それに、これからのことも」


「これから、ですかぁ?」


 せっかく出会えた貴重な異能者である。

 ハルコさんには公儀隠密に入ってもらいたいのだ!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 収納に忍者刀。腰に手斧と手銛。 手斧も手銛もクラフトしてあるので、収納しないで持ち出し出来ないのでは?
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