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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
一章 ステイホームはダンジョンで!

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四階層リトライ! アクロバット最高だな!

いいね機能が実装されたらしいので有効化しました!

 四階層へ到着した俺は、息を整える。

 勢いも大事だが、新しいエリアは慎重に行く。


 装備をクラフトで補充する。

 多めに持ってきたので手裏剣の残弾も充分。


 アクロバティックな動きをしても、腰袋の中身がこぼれたりはしない。

 バケツに水を入れて振り回しても水がこぼれないのに似ているな。


 分身と体捌きだけで戦えるようになってきたので、投げモノは温存できている。


 くるくる回っても、マフラーは身体に絡まったりしない不思議。

 クラフトでファンタジーな効果はついていないと思うが、これは【軽業】のおかげなのかな?



 進むルートは左側。前回と同じだ。

 マップも埋めたいが、同じルートをまず確立する。

 確かめておきたいこともあるし。


 途中で遭ったゴブリンやコウモリを倒しつつ、宝箱のあった場所へたどり着いた。

 宝箱はさっき俺が開けたまま、開いている。


 コウモリが近くに居ないことを確認して、宝箱の中を覗きこむ。


 ……カラだ。


「まだ湧かないか……残念!」


 確認したかったのは、宝箱の中身が復活するかどうか。

 開けたのは朝飯前で、今は夕方くらい。

 半日も経っていないんだから、まだ湧かないか。


 宝箱はゲームによっては、復活する場合がある。

 一日一回だったり、ダンジョンに入るたびだったり。


 俺のダンジョンはマップが再生成されない。

 毎回同じマップで、置いたアイテムは次回もそこにある。


 たとえば投げて回収し損ねた手裏剣は、次に来た時に落ちていることもある。

 あまり放置すれば消えるはずだが、投げた武器とはいえ所有物。


 これは俺んだ! 盗むなよ!

 という気持ちでいれば、ダンジョンに消されずに済むかもしれない。


 アイテムが消える瞬間は見たことがない。

 分解されるんだろうか。塵になるんだろうか。それとも吸収されるのか。


 ゴブリンの血みたいな有機物は、結構すぐ消えるからな。

 武器が汚れたりしないのは助かっている。

 ちなみに血は塵になって消える。

 アイテムもこうなるんだろうか……。



 ダンジョンの地形は毎回固定だ。


 だけど、ゴブリンなどのモンスターは倒してもリスポーンする。

 たくさん倒すと、しばらく湧きは悪くなるが、時間を置けばわいてくる。


 モンスターが枯渇することはない。

 つまりいくら倒しても、いなくなることがない。


 これは悪いことではない。

 魔石や経験値を集めるために、枯渇してもらっては困る。


「宝箱もリスポーンしてくれるといいんだけど……もうちょい放置だな」


 一日一回くらいじゃないかと思っている。

 モンスターのリスポーンもおそらく、それに近いからだ。

 連続して狩りすぎると湧きが悪くなるから、毎日宝箱を開けていくと、わきにくくなる可能性はある。


「この宝箱、フタを閉めておいたほうがいいのか?」


 なんとなく、閉めておいたほうが中身が湧きやすいような……。

 いや、遠目に「開けた宝箱」とわかるほうがいいか。

 数日放置してダメだったら閉めてみるか。


 俺は宝箱のフタをそのままにして、先へ進む。



 壁を走り、宙をとんで先を急ぐ。

 ちなみに【壁走りの術】と【軽業】【跳躍】は併用できる。

 ただ、ちょっと気を付けないと危ない。


 【壁走りの術】は壁から一定の距離離れると効果が切れる。

 調子に乗って高くジャンプして壁から離れると、床に向かって落下する。


 壁を蹴ってアクロバットな動きをしていると、上下が途中で切り替わって墜落しかねない。

 一度、変な方向にぶっ飛んで地底湖に突っ込みそうになった。


 幸い壁に手が届いて【受け身】を取ることができた。

 回転したり上下が切り替わると頭が混乱してくるな!



「ん、この動き……使えるな!」


 思いついてしまった!

 失敗は成功のもとだ。


 アクロバットの技は、足や腕を振って加速をつける。

 振り子のようにして、自分の身体を投げ飛ばすような感じ。


 壁から手が離れてぶっ飛ぶあの感じ……。

 アクロバットにおける助走技に応用できるんじゃあないか?


 足場が比較的広い場所で試してみる。

 床で何度か試した感じ、理屈としてはできそうだ。


「じゃあ、壁でやってみるか!」


 まずは壁を駆け上がる。高さを稼ぐ。

 下を見下ろすと、床が遠い!


 失敗して地面に叩きつけられたら……ちょっと怖い。


 その時は頼むぞ【跳躍】の落下ダメージ軽減! そして【受け身】!


「よし……やるぞ! ……こわっ!」


 大きく息を吸って、覚悟を決める。


 壁を斜めにかけ降りながら、添えていた手を放す。

 そして小さく跳んで足を壁から放す。


 【壁走りの術】の有効射程を超えて、重力は下方向へ向く。

 つまり、自由落下だ。

 頭を下にして、壁すれすれを床に向かって落ちていく。


 床が迫る!


「うおお……ここだっ!」


 壁に手を伸ばし【壁走りの術】を発動させる。

 術が発動し、重力が壁方向にもかかるようになる。


 壁に吸い付く力で、地面のように手が「接地」する。

 接地した手を支点にして、体を回転させる。


 【受け身】の要領で身体を前方へ投げ飛ばす。


 手を少し前につき、足で壁を蹴るのがポイントだ。


 ぐるんと力の向きが変わり、俺は床から見て上方へ飛び上がる!


 壁スクートだ。壁面片手ゴマだ。

 落下の速度を転換して、そこに【跳躍】も乗せた大ジャンプだ。


 空を切って、はるか上方へと飛びあがる!


「ううおおっ! できたっ!」


 飛び上がった先の壁面へ着地し、ジャンプの加速そのままに走り抜ける。


「おおお、すげえ! 壁走り競技で俺の右に出る者はいないぞ!」


 そんな競技はないが。

 スキルが外で使えるなら出場したいくらいだ。


 まずは競技団体を立ち上げるところからだな……。

 うん、やらない。



 【壁走りの術】の効果時間が切れる前に床へ戻り、息をつく。


「ふう……手が擦りむけたな。手袋しててよかった!」


 鋭い岩の出っ張りをかすめたのか、手袋に穴が開いて手のひらには血がにじんでいる。

 ちょっと危なかったな。


 しかし、こういうのは試しておかないと実戦で出せない。

 マグレとか偶然で戦いたくはない。


 手袋をリサイクル修理して、手には薬草の汁を塗っておく。

 一枚分の汁を塗り、一枚を食べる。


 前回の回復力から考えて、このケガに対してはこの量で十分だ。


「これ、もったいないよな……残りを取っておくことできるか?」


 薬草はモノリスで4枚1セットとして引き換えることができる。

 根元が茎でつながった植物として手に入るわけだ。


 使うときは茎からちぎって使うわけだが、一度に全部使うほどのケガでもない。

 食べておけば筋肉痛とかに効くわけだが……。


 回復量があふれるのがもったいないんだよね。


「使わずちょっと様子を見てみるか。消えそうになったら食べてしまおう」


 残りの葉を手に持ったまま、先へ進む。

 ときおり手元をチェックする。


 しばらくすると、薬草の端のほうから崩壊が始まる。


 モンスターの死体や有機物が分解されるときに似ている。

 塵化する速度はゆっくりだ。


「やべ! やっぱりまとめて使う必要あるのか!」


 急いで、塵になりはじめた薬草を口に放り込む。

 味は変わりない。塵の味とか、しないのね。


 少し回復成分も飛んでしまったかもしれないな。

 でも、消えてしまうよりはいいだろう。


 アクロバティックな動きのせいで、明日は筋肉痛必至だ!

 頼むぜ薬草!

さっそく何件か「いいね」いただきました!

ありがとうございます!

なにかしらリアクションがもらえると、やる気出ますね。

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― 新着の感想 ―
[一言] なんだか。アサシンクリードとか無双げーの動きをしてそうな忍者ですな。 それにしても、植物系の回復アイテムが存在しているということは、錬金術師とか魔術師とか薬士などの職業も存在していて薬草など…
[一言] 宝箱のリスポーンって、チェックするとリスポーン時間がリセットされるパターンもあるよね… このダンジョンの宝箱もそれだったら… けど我慢できずにチェックしちゃうんだよなぁ あ、いいね押しと…
[一言] 壁走りいいなあ~爽快でしょうね。
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