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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
四章 副業は公儀隠密で!

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荒れ寺での初詣とアポなし訪問! その2

 ウスイさんに案内され、地下の事務所――オペレーションルームへと通される。

 そこでは、御庭(おにわ)が通信機ごしにどこかへ指示を飛ばしている。


 ハカセやスタッフもディスプレイを前にあわただしく動いている。

 ……なんだ?



 こちらの姿を見て、御庭が言う。


「やあ、クロウ君。返事できずすまない。ちょっと作戦中でね――いったん下がって。すぐに増援が向かうから耐えてくれ!」


 後半は俺に向けての言葉ではない。

 通信機越しにどこかへ連絡しているようだ。



 御庭にかわって、ハカセが端末を操作しながら言う。

 こちらへ振り返りもしない。


「クロウっち! 来たね。こっちはもう大忙しだよ!」


 ハカセは端末を驚くほど速く操作している。


 俺は言う。


「御庭、なにが起きてるんだ?」

「悪性ダンジョンだよ、クロウ君! 同時にいくつも発生して、それぞれ爆発的に成長しているんだ!」


 御庭はそう言うと、またどこかへ連絡を始める。

 移動先を伝えたり、攻めや守りを指示しているようだ。



 ハカセが言う。


「ほらクロウっち。大きいのはここと、ここと、ここねー」


 ディスプレイに映し出された地図に大きな印がつく。


 続けてハカセが言う。

 間延びした口調だが、声色は厳しい。


「悪性ダンジョンが発生してるんだよー。でも、これはおかしい!」

「おかしい?」


「多すぎるし、場所も変だ! それに規模が大きすぎる。いくらなんでもおかしいよねー!?」

「俺はどのくらいの頻度(ひんど)でダンジョンが発生するのか知らないんだが……見落としじゃないのか?」


 ハカセが振り返って俺をにらむ。


「失礼だね、クロウっち! 小さいものならともかく、こんなのを見落とすはずないだろー? ないんだよ! この俺っちが! 見落としなんて、ありえない!」

「ああ、悪い。別にハカセを疑ったわけじゃない」


 御庭がすっと手をあげて割って入る。


「原因追及は後にしよう。今は判断材料が足りない。まずは情報を集めるのが先だ。ついては、クロウ君――」

「――ああ。どうすればいい?」


 御庭はなにかを確認するように俺の目を見ている。

 その目は厳しく、切迫(せっぱく)した状況を物語(ものがた)っている。


「現地へ行ってくれるかな?」


 俺たちにはある程度の自由がある。

 無理な命令を聞くような縛りはない。


 断ることもできるだろう。


 今、規模の大きい悪性ダンジョンが同時に三つも発生しているという。

 これは異常事態だ。


 なにかある。危険ななにか。


 だが、危険は承知している。

 覚悟もできている。


 その危険と戦うために、俺は公儀隠密に入っているんだ!


「ああ、いいぞ。リンとトウコもかまわないな?」


 俺は二人に問いかける。

 聞くまでもないとは思うが――二人はすぐに頷いた。


「もちろん、一緒に行きますっ!」

「今日は肩すかしされてたっスからねー! 腕がなるっス!」


 今日はもともと、悪性ダンジョンへ行く準備をして出てきている。

 すぐにでも戦える。


「よし。御庭、どこへ行く? なにをすればいい?」


 御庭は安心したような表情で言う。


「クロウ君ならそう言ってくれると思っていたよ! 最初にやることは、情報収集だ。それから撤退の支援をしてほしい!」

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