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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
四章 副業は公儀隠密で!

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丘の上の露天風呂の致命的な欠陥……!?

「次はトウコのリクエストで作った――」

「――お風呂っスね!」


 トイレの先に風呂と脱衣所を作った。

 見晴らしが悪くならないように距離は離している。


「まずは目隠しを兼ねた脱衣所だ」

「おおーっ! 本格的っス!」


 大きめの(たな)(さく)を用意した。

 囲っているのは片側だけ。


 反対側は丘を一望できる眺望(ちょうぼう)である!



「脱衣所から風呂場へはウッドデッキになっているぞ」

「これなら足が汚れなくていいですねー」


 草地を裸足で歩けば足が汚れる。

 露天風呂ではあるが、室内のような清潔さを意識している。


 ちなみに露天風呂の定義はこうだ。

 ――屋外にあって、屋根や囲いがないこと。


 とはいえ普通、囲いはある。



「この先は風呂場だが――」

「おー! 結構(けっこー)広いっスね! これなら三人でも入れそうっス!」


 説明前にフライングすな!


「最初は木桶(きおけ)風呂にしようかと思ったけど、こっちにしたんだ」


 丸い木桶は細かいパーツが多い。

 大きく作るのは難しそうだったからこうなった。


 長方形の湯船である。


「旅館の露天風呂みたいっス!」

「大きいですね! ゼンジさん、これってスキルで作ってるんですよね?」


 俺は大きく頷く。


「まあ、そうだ。スキルと手作業の合わせ技だな! 【木材加工】では難しすぎて【忍具作成】には大きすぎるから苦労したぜ」


 【木材加工】は俺の手作業を助けてくれる。

 知識や加工技術の補佐である。


 【忍具作成】はスキルの力で完成品ができるが、魔石を消費する。


「忍具作成さんは大きいと難しいんでしたよね?」

「そうなんだよ。大きさや複雑さでコストが違ってくるんだ――」


 俺は二人に風呂作りで苦労した点を力説する。


 リンは笑顔で頷いている。

 トウコは話半分で、そこらじゅうをのぞき込んだり触ったりしている。



 湯船(ゆぶね)の素材には、大きな丸太から切り出した板材を使った。

 大きな一枚板だ。

 材料はなるべく大きなパーツを使う。


 これが工夫の一つだ。


 普通のヒノキ風呂だと、小さな板を組み合わせて作る。

 これは高度な技術で木を継ぐのだ。


 【木材加工】でやるには難しい。


 そこは【忍具作成】で作ってしまう。

 接合するためのパーツを作るのだ。


 大きな板を接合する小さなパーツをスキルで作り出す。

 こうすることで、コストを小さく、精巧なパーツを作れたのだ。


 複雑なパーツとはいっても、加工の容易な木材である。

 忍者刀、つまり日本刀に比べれば難易度は低い。


 刀の技術力って、とんでもないからな。

 俺の作った刀なんて、現実の名刀と比べたら、足元にも及ばない。


 まあ、折れても曲がってもスキルで直せる強みで、無理やり使っている。

 当然、頼れる相棒として気に入っているけどね。


 おっと、脱線したな。



「というわけで……風呂を一発で作ろうとしたら魔石がいくつあっても足りない」

「魔石はあたしたちがたくさん取ってきたっス!」


「ああ、助かったぞ」


 レベリングのついでに魔石を集めるように頼んでおいたのだ。

 食べきれないほどの食材を取っても仕方がないしね。


 トウコが胸をそらせて威張る。


「ははっ! もっと感謝してほしいっス! さあさあ!」

「おい、調子に乗るな! お前のリクエストした風呂を作ったんだぞ!」


 トウコははにかむ。


「へへ。ちゃんと感謝してるっスよぉー。というわけでお礼に背中を流してあげるっス!」

「そんな礼はいらん!」


「じゃあたしの背中を流させてあげるっス!」

「いらん! なんで洗わせられるんだよ!?」


「じゃあ、前がイイっスか?」

「しつこい!」


「でもこのお風呂、お湯が入っていませんね?」

「そうそう! それが課題なんだよ!」


 当たり前だが、風呂にはお湯が必要だ。

 それがここにはないのだ!


 もちろん、考えはある。

 一人ではちょっと難しいけどね!

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