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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
四章 副業は公儀隠密で!

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荷物と期待の重さ! ……重いほどいいかもしれない!?

「まあ、ケガがなくてよかったよ。それで、鹿のせいでキノコは手に入らなかったのか?」


 リンが申し訳なさそうな顔で言う。


「少しだけ……。お肉はたくさんあるんですけど……ごめんなさい」

「いや、リンがあやまることじゃない。どこか別の場所にも生えてるはずだ。明日は別の場所を探してみたらどうだ?」


「あ、他の場所に少しはあったっスよ!」

「だよな? 一か所だけってことはないと思ったよ」


 森は広いし。一度に探索しきれない。

 まだまだ宝があるはずだ。


 リンが気を取り直したように頷く。


「明日、もうちょっと探してみますねー」

「俺は明日も木材調達だな」


 トウコが眉を上げて言う。


「店長、きこりになる気っスか!?」

「ならねーよ! 風呂とトイレを作るんだよ!」


 リンが胸の前で手をたたく。


「私たちが頼んだからですよね! すごく楽しみですー!」

「そうだったっス! お風呂! みんなで入るっス! 混浴ヒノキ風呂っスよ!」


「この木はヒノキじゃないけどな」

「別に木の種類はどーでもいいっス!」


「こうして労働……いや、攻略のあとは風呂に入りたいよな」

「そうですねー。私も最近肩こりがひどくて……」


 ふうむ?


 おっと、目線が露骨になってしまう。

 忍べ俺!


「リン姉は重い荷物を運んでるからっスね!」

「えっ? そうかな? 軽いよ?」


 リンはドロップ品を持ち帰るための荷物を背負いなおした。

 トウコが言いたいのはその荷物じゃないが。


 リンは鈍かった。

 助かるね! じゃない……!



「そういえば、魔石以外のドロップ品はどうだったんだ?」

「前と同じですね。シカさんのツノと皮です」


 宝箱の中身はリンが倒せば食材になる。

 スライムはトウコが弾丸にする。


 トウコがシカを倒した場合はランダムだ。

 魔石はさっき俺が木馬に使った。


 残りは角と皮。

 皮は作業用エプロンに使ったが、角はまだだな。


「帰ったら角を使って何か作ってみようか」

「店長、ツノ職人になるんスか?」


「ならねーよ! てか、そんな職業あるのか?」

「シカさんの角でアクセサリーを作ったりするらしいですよ?」


 鹿角職人?


「へえ? 世の中にはいろんな仕事があるもんだ」

「じゃあアクセサリー作るんスか? アクセ職人っスか?」


「ほしいなら作るが――」

「――ほしいですっ!」


 リンが食い気味に言う。

 勢いがすごい!


「お、おう? 特殊効果とかはつかないけど……意味あるのかな?」


 俺のクラフトに魔法の効果はつかない。

 防御力やヒットポイントが増える装備が作れればいいんだけど……。


「意味って実用性(じつよーせー)っスか?」

「……その、ゼンジさんにもらえればなんでもいいんです」


 リンは顔を赤くしてうつむく。


 俺は頭をかく。


「……あ、そういうことか」


 トウコはにやにやして、俺の脇腹をひじでつつく。


「店長、ニブいっスねー。鈍感(どんかん)無自覚(むじかく)キャラっスかぁ?」

「そんなんじゃないわ! ……ないつもりだ」


 これは俺が鈍かった。

 リンの鈍さにツッコめない俺である。


 単なるプレゼント、装飾品がほしいんだな?


 素で頭に浮かばなかった……。

 トウコのうそくさい()にツッコめない俺である。


「けどまあ、なにか考えてみるよ」

「はい! 待ってます!」


 リンは目を輝かせて頷いた。

 期待が強すぎて重――やりがいがあるな!

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― 新着の感想 ―
鹿角って某栄養ドリンクの中に入っていますね。
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