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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
四章 副業は公儀隠密で!

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第五エリアでのレベリングと食材収集!? 食害、許すまじ!

 第五エリアからの帰路。

 分身に木馬を引かせているが、とりあえず順調に進んでいる。


 段差や傾斜がある場合は横木を置いて、(すべ)りをよくして突破する。


「レベル上げは順調だったんだろ?」

「今日は一つ上がったっス! 明日もやるっスよー!」


 レベルはそうそう上がらない。

 一日で元に戻るわけじゃない。


 ま、順調ってことだ。



 だが、リンはなぜか悲しげな表情をしている。


「リン。どうした? 食材も集まったんだろ?」

「ゼンジさん……それが、悲しいことがあったんです!」


「……なにがあったんだ?」


 リンが訴えかけるように言う。


「キノコがなかったんですー!」

「キノコかよっ!?」


 地図に印までつけて、ばっちりマークしていたキノコの群生地。

 前回で採り(つく)したわけじゃない。


 それにキノコは地中の菌から生えてくるはず。


「なかった? ぜんぜんないのか?」

「シカさんです! あったんですけど、シカさんが食べちゃったんですよー!」


 リンがややふくれた表情で言う。

 怒るのはめずらしいな。


 怒ってもカワイイ……とか言うと怒られちゃうか?

 カワイイの無限ループになっちゃうな!?



 俺は疑問を口にする。


「シカってキノコを食べるんだっけ……?」


 シカは雑食性だったと思うけど……。

 ここのシカは肉食というか、好戦的だ。


 そういえば、シカの食害(しょくがい)は現実世界でも問題になる。

 農作物や森林を荒らすんだ。



 トウコが自慢げに言う。


「がつがつ食べてるところ見たっス! そんで、すぐ撃ち殺したっス!」

物騒(ぶっそう)だな!?」


 まあ、モンスターだしどっちにしろ倒すんだけど。

 言い方で損してるよな、トウコは。


 トウコが言う。


「だって、せっかくのキノコっスよ!? うっかり【憤怒(ふんど)】が発動しかけたっス!」

「発動しかけたけど我慢したってことか?」


「ガマンしたっス! 怒りがこみあげてくるっていうか……ムラムラっと――」

「――ムカムカだろ? しかし……感情がトリガーでスキルが発動するのか……」


「じゃあ【狂化】も気持ちでできちゃうんでしょうか?」

「どーなんスかねえ? どんな気持ちになったらいいんスか?」


 俺は少しあわてる。


「ちょっと待て! 今試すなよ?」


 遮蔽物(しゃへいぶつ)のない草原で銃を撃ちまくるトウコを倒すのは難しい。


「試しかたがわからないっス! 死んだときの気持ちっスかね?」

「うーむ? 怒りとか恐怖か?」


「でも怒ると【憤怒】になっちゃうんですよね?」

「じゃあ痛みか?」


「あー。そうかもしれないっス! 死ぬほど痛い思いしたらわざと【狂化】できるかもしれないっス!」


 【狂化】は強力だ。

 だが、意識がなくなって敵味方を区別せずに暴れる。


 自発的に発動できるとして、戻れないんじゃデメリットが大きい。


「任意発動か……。便利そうだけどうまく使わないとな」

「変身ヒーローっス! いいところで元に戻してくれたらいいっス!」


 変身ヴィラン(悪役)じゃないか?


 トウコとハサミは使いよう……。

 しかし、痛い思いをさせたり意識を失って暴れさせていいものか。



「痛みがトリガーだったとしたら、気を付けないといけないな?」

「なんでっスか?」


「ほら、タンスの角に小指をぶつけて【狂化】したりしたら困るだろ?」

「タンスには気を付けてね、トウコちゃん!?」


「ケガ全般な?」

「気をつけてないわけじゃないっスよ!? 戦ってたらケガはしょうがないっス!」


「今回はケガしなかったか?」

「大丈夫っス! リン姉が敵の場所教えてくれるんで、近づかれる前に倒せるっス!」


 リンがさらっと言う。


「私はちょっとシカさんにぶつかられちゃったけど、大丈夫でしたー」

「まじかよ!? 大丈夫か? ケガはないか?」


 俺はリンの体をチェックする。

 見た限り、リンはケガをしていない。

 少し服が土で汚れている。尻もちでもついたのか?


 リンがあわてて言う。


「あっ!? だ、大丈夫です! ケガはしていません!」

「かすったくらいっスね! リン姉は頑丈ですごいっス!」


「頑丈って言ってもな……!」

「ポーションも持ってましたし、大丈夫ですよ。心配させてしまいましたね」


「店長、リン姉のこと好きすぎっス!」

「……心配するのが普通だろ?」


 俺はとぼける。


「そっスねー。でも心配しすぎっス!」


 トウコのほうが心配させてくるけどな!?


「うれしいような……申し訳ないような……複雑ですね!」


 リンはうれしげにそう言って笑った。

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