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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
四章 副業は公儀隠密で!

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スローライフは伐倒で! 盾とは板であり忍具である!?

 木を切るのはモンスターと戦うことにも似ている。


 どう斬り込むか。

 位置取りをどうするか。


 どう打てばどう倒れるか。

 安全な位置はどちらか。


 そんなことを考えながら次々に伐倒していく。



 ときにはモンスターも襲撃してくる。


 切り倒そうとする木の上からスライムが降ってくる。

 音を聞きつけてシカが走り出てくる。


 だが、どちらもオノやノコギリを手にした多数の分身の前には無力だ。

 分身がやられても、追加すればいいだけ。


 分身が戦っている間、俺は【隠密】で気配を消していればいいのだ。

 負ける要素がない!


 むしろドロップアイテムが手に入って儲かるね!

 俺にとっては魔石が当たりである。



「おっ!?」


 【自律分身の術】が解けた。

 もう効果時間が過ぎたようだ。


 作業に没頭していると時間が経つのが早い。



 読み取った記憶によれば、ここまで順調に進んでいる。

 第五エリアの端まで行って前回の偵察に使った道具を回収した。


 放置して消えるのはもったいないから、最後に置いておいたのだ。

 俺は道具を使い捨てにしない。


 新しいボスも湧いていないし、二人の調子も悪くない。

 六階層へは進まずに五階層でシカを狩っているようだ。


 危なげなく敵を倒している。

 あっちも順調だ!



「伐倒はもう充分だな。次は倒した木の処理をするか!」


 ちゃんとやろうと思ったらいろいろと手順はある。


 枝葉を落として丸太状に切って、形をそろえる。

 形や曲がりを考慮して、用途に合わせたサイズに切っていく。

 これを玉切りと言う。



 でもそんな工程、俺には必要ない。

 ある程度のサイズに切るだけでいいのだ。


 伐倒の段階で木が裂けたりしているし、太さも不揃(ふぞろ)いだ。


 だが、全然気にしない。

 木材を売って林業で生計を立てようってわけじゃないからな。



 見栄えの問題もない。

 最後の加工はスキルで行うからだ!



「――忍具作成! 作るのは盾だ!」


 用意しておいた魔石と、丸太を材料にスキルを発動。


 生み出すのは――盾。


 別に盾が欲しいわけじゃない。

 欲しいのは板であったり、加工された木材だ。


 だがしかし、問題がある。

 いくらなんでも、板は()()()()()()


 【忍具作成】は忍具しかつくれない。

 あるいは――俺自身が忍者道具だと認識しないとダメだ。


 段階を踏んでいかないとな。

 ……というわけで、加工した板に近い忍具を作る!



 まず、盾は忍具と言っていいだろう。


 盾は古来から日本に存在する。

 古事記にも書かれている。日本書紀にも書かれている。


 忍者が使っていたかどうかはさておき、そうなのだ。

 昔からあるなら忍者も使ったに違いない!


 そうだろ? 【忍具作成】君!?


 俺の無理のある思い込みにスキルが反応し――丸太と魔石が発光する。


 どうやら、忍具作成君は納得してくれたようである!


 光が収まると、丸太が木製の盾に変わる。

 完成だ!


 俺がイメージしたのは円形の盾(ラウンドシールド)じゃない。

 長方形の盾――タワーシールドだ。

 手ごろな長さの長い板をつなぎ合わせたような、戸板のようなもの。


 防御力は度外視。

 とにかく板っぽいものができあがったのだ!



 これでよし!

 盾は板である!


 さらに丸太を材料に盾を作っていく。

 一枚の板でも、細長い木材でも、こういうのは盾であり忍具である!


 いくつかの盾を作成した俺は、単なる木材すらも作成可能になっていた。

 木材は忍具である!


 前にはテーブルを作ったこともある。

 忍具作成台(クラフト台)だ。


 プレゼント用に紙のチケットを作ったりもした。


 こうして既成事実を積み上げてしまえば、スキルの限界を超えていけるのだ!

 やましいことはない!

 忍具を作ってるだけだ!



 加工のすべてをスキルで行うと、魔石の消費が激しい。


「デカいパーツはコストが高いから、まず大雑把に切ってから……」


 一本の倒木から作るより、カットした丸太のほうが安い。

 さらに小さく、板状に加工してからスキルを使えばなお良い。


 拠点になら充分な魔石があるけど、全部持ってきてはいない。

 まあ、たくさんあるからって無駄遣いする気はないけど。


「持ってきた魔石はなくなったな。あとは拠点で作業するか!」


 残りの木材は持ち帰る。

 もちろん、丸太を担いで持っていくのは大変だ。



 車や重機は使えない。

 人力とスキルが頼りだ。


 ひもをかけて引きずって帰ればいいだろう。

 持ち上げて運ぶよりずっと労力が少ないはずだ。


 手押し車やソリを作るのもいいな。



 そんなことを考えていると、二人が帰ってきた。


「おー!? ずいぶん切ったっスね、店長!」

「わあ! すごいですね!」


「お、いいところに帰ってきたな! どうだった?」

「順調っス! レベルも上がったっス!」

「食べ物もたくさん取れましたー!」


 二人の成果もばっちりだったようだ!

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