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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
四章 副業は公儀隠密で!

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ウェーブクリアによる脱出!

 さっきのボマーで五ウェーブの敵は打ち止めらしい。


<熟練度が一定値に達しました。スキルレベルが上がりました!>

<【危険察知】 1→2>


 レベルは上がらなかった。


 まあ、窓女は強いとはいえボスじゃない。

 それに、五ウェーブの敵もほぼトウコが倒したしな。


 デスペナルティで下がらなかっただけでも良しとしよう!



 今のステータスは――


 ----------------

 名前 : クロウ ゼンジ

 レベル: 19

 筋力 : C

 体力 : B

 敏捷 : B+

 知力 : C

 魔力 : C

 生命力: C


 職業 : 忍者、中級忍者

 スキル:

  【忍術】2

   【壁走りの術】2

   【分身の術】5

   【薬術】2

   【忍具作成】3

   【忍具】2

   【忍具収納】3

   【体術】2

   【毒術】2

   【吸着(きゅうちゃく)の術】2

   【反発(はんぱつ)の術】1


  【中級忍術】

   【判断分身の術】1

   【入れ替えの術】2

   【引き寄せの術】1


  【隠密】

   【隠術】2

   【消音】2

   【致命の一撃】2


  【暗殺】2

  【投擲】2

  【歩法】2

  【身体強化・敏捷力】1

  【身体強化・筋力】1

  【身体強化・体力】1

  【暗視】2

  【回避】2

  【受け身】2

  【危険察知】2(1から上昇)

  【跳躍】2

  【軽業】2

  【瞑想】1


  【打撃武器】

   【打撃武器・威力強化】1

   【フルスイング】2


  【片手剣】

   【片手剣・威力強化】1

   【ファストスラッシュ】2


  【エラー】

   【自律分身の術】

    【意識共有】


 (残ポイント:1)

 --------------------



 自律分身がトウコを床におろして、ぺちぺちと頬を叩いている。


「おい、トウコ……起きれるか?」

「う……うぇ?」


 トウコは寝ぼけた様子で目を開ける。

 赤く変色していた目は正常に戻っている。


「あれ? ……あたし、寝ちゃってたっスか?」


 トウコはぼんやりした表情で目をこする。

 正気に戻っているようだ。


「トウコちゃーん! 大丈夫!? ……痛いところない?」

「えっとー? なんともないっス!」


 トウコはよくわかっていないらしい。

 やはり【狂化】(きょうか)中の記憶は残らないんだな。


 残ってたらかわいそうだから、それでいい。



 リンががばりとトウコを抱きしめる。

 トウコは座っているので、胸に顔が埋まってしまう。


「よかったぁ! 元に戻ったね!」

「うえぁ!? ……な、なん()か?」


「復活して狂化してたんだよ。あとで説明してやるから、シャキッとしろ」



 俺たちの前に帰りの転送門が現れる。


「お、出口だぞ! 帰る準備だ!」と俺。


 収納で持ち込んだ槍は手元にない。

 戦闘のどさくさで中庭や二階に落としたままだ。


 これは外に出ると失われてしまうが、また作ればいい。


 自律分身が持っていたマチェットを【忍具収納】に入れようとしたが、できなかった。

 ……やっぱり中のものは持ち出せないのか。



「じゃあ帰る前に、俺を解除してくれ」と自律分身。

「おっと、そうだな。忘れて帰ると妙なことになりそうだ」と俺。


 トウコのダンジョンで、自律分身だけが中に残るケースは未検証だ。


 俺のダンジョンなら、次に入ったときに記憶を回収できる。


 冷蔵庫の場合、話は違ってくる。

 入る度にダンジョンが再生成される。

 毎回同じ配置だが、一から始まるのだ。


 自律分身が最後の状態で、死ぬか消えるかした場合、どうなる?

 最後の一人がダンジョンから出ることになるので、ダンジョンが再生成されるはずだ。


 そうなったら記憶が回収できなくなるんじゃないか?

 次に入ったダンジョンは再生成されて別のダンジョンになる。


 つまり自律分身の意識が消失する。

 死ぬって意味だ。それは困る!



 自律分身が迫真の顔でつっこむ。


「いや、忘れんなよ!」

「冗談だ。お疲れ、(自律)!」


「おう!」と自律分身。


 俺は【自律分身の術】を解除する。

 フィードバックされた記憶と経験を読み取る。


 俺が死んでから復活するまでの出来事は、聞いた通りだった。


 巨大窓女と戦っている間、自律分身はひたすらゾンビを引き連れて走っていた。

 スキルも使わず、倒さず、狭い館を走り回るのは大変だな。



<熟練度が一定値に達しました。スキルレベルが上がりました!>

<【歩法】 2→3>


 ん……!?

 自律の経験で熟練度がたまったのか!?


 自律はスキルを使っていないはずだが……。

 スキルを使わない状態でも、体の動かし方、足さばきは変わらない?


 スキルなしでの縛りプレイみたいな経験が、むしろ熟練度を貯めているんだろうか。


 ……気になるが、今は撤収せねば。



 俺は言う。


「さて、帰るぞ!」


 トウコが言う。


「あれ……? もう帰るんスか? ボスは?」

「話はあとだ! 門が閉じる前に外へ出る! ほらいけ!」


「わ、わかったっス!」

「はーい!」


 俺たちは転送門へ飛び込んだ。



 暗転。

 トウコのキッチンである。


「あちちっ! な、なんスかこれーっ!?」


 トウコが部屋の様子に仰天(ぎょうてん)する。


 火事だ!

 カーテンが燃え上がり、床の一部も炎を上げている!


 リンがあわてて手を振る。


「ああっ! た、たいへん! 【消火】!」


 火はみるみる小さくなって、やがて消えた。


 ふう……ぼや程度で済んだな。

 冷蔵庫も無事だ。


 俺たちがダンジョンに潜っている間、外とは時間の進み方が違う。


「ふう……間に合ってよかった。念のため水をまいておこう!」


 俺はキッチンで水を汲んで、床とリンにぶっかける。


「きゃっ!? な、なんですかゼンジさん!?」

「いや……さっき、リンも燃えてたから念のためだ」


「……念のため?」

「リンのためだ」


 というか、リンの服が汚れているからだ。


 リン自身も記憶から消しちゃってる汚れのことだよ!

 それがトウコに気づかれないようにするやさしさだよ!



「そ、そうですか……?」

「今日もぶっかけ祭りっスか! あたしもやるっス!」


「濡れても魔法が使えるかの実験じゃない! トウコは風呂を沸かしてくれ」


 俺は焦げたカーテンを取り外す。

 これはあとで風呂に沈めよう。燃えると困るからな。


「じゃあ私は床を拭いて……お風呂入って着替えたいですねー」

「あたしの服貸すっスよ! リン姉に着せたい服もいろいろあるっス」


 冷蔵庫ダンジョンに挑むとハプニングが多すぎる!

 俺は後片付けをしながら、ため息をついた。

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