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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
四章 副業は公儀隠密で!

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薬漬けのダンジョン攻略? そんなものは望まない!

 さて、作成可能な薬のリストのもう一方を見ていこう。


士気高揚薬(しきこうようやく)って、ハイになる薬か? ヤバくね?」


 キノコっていうのは古来から(まじな)いや薬に使われてきた。

 宗教の儀式とか、シャーマニズムとか。


 このキノコはそういうのに使えるってことだよな?


 北欧(ほくおう)のヴァイキングもキノコでパワーアップとかやってたよな。



「しかし……これって、気軽に使っていいもんか?」


 ダンジョンの攻略をしていると恐怖や痛みを感じることがある。


 冷蔵庫ダンジョンでは実際に死ぬこともある。

 これはかなり精神に来るものだし、すぐに立ち直るのは難しい。


 そんなときに、この薬を使えば……。

 たぶん、効果はあるだろう。


 でもな……薬に頼っていいんだろうか。


 どうしようもない状態であれば、悪くない選択かもしれない。

 だけど、なにか違う気がする。


 忍者だって毒も薬も利用している。


 医薬品として似たような効果の薬も処方されることがあるだろう。

 悪いことじゃない。


 だけど、ダンジョン攻略では?

 俺が使う場合はどうだ?


 薬()けでの攻略はダメだ。

 特に、精神に作用するようなものはダメ。


 薬に依存して、それがないと戦えなくなったら嫌だからね。

 あくまで俺はストイックにダンジョンに向き合う。


 チートなし。

 自分の力で戦う。



 よし! この薬は使わない!

 俺はそう決める。


 自ら可能性を狭めているとしても、これはしょうがない。

 こんな薬に頼っていては、今後の攻略は続けられないだろう。


 俺は士気高揚薬は作らないと決めた。



 無毒化していない赤色キノコは残り一本。

 次は【毒術】だ。


 【薬術】と同じようにスキル調整で威力を高める。


 作成可能リストは――


 ――視覚阻害毒(目つぶし)

 ――嘔吐(おうと)


 威力を上げてもリストは変わらないようだ。

 どっちを作ろうか?


 まあ、もう心は決まっているんだけど。


 嘔吐毒は使いたくないんだよな。

 だって、吐くんだぜ?


 自分が吐くわけじゃないけど、見るのも嫌だ。

 ゴブリンなりシカなりがげーげー吐いてるスキに攻撃する?


 そりゃニンジャなんだから(きたな)い手も使うさ!

 しかし物理的に汚いのはちょっと……。


 スキを作るなら麻痺毒で充分だ。



 それに嘔吐毒は『アカシアの枝』でも作れるし、もう作った。


 でも、まだ使ったことがない。

 結局のところ使いどころが難しいんだよな。



 と言うわけで作るのは目つぶしである。


「毒術! ――視覚阻害毒(目つぶし)を液体で!」


 器の上に毒液が作成される。

 どろりとしたその液体を小瓶に移す。


 ラベルを貼って、薬と混ざらないようにする。



 これで毒のあるキノコはなくなった。

 一応、無毒化されている赤色キノコを試してみるか。


 できないと予想するが、試す意味はある。


 【薬術】と【毒術】を試してみる。


「……やっぱ無理か」


 無毒化すると毒にも薬にもならないらしい。

 できないことがわかるのも進歩である!



 さて、作った毒と薬を試そうか。


 しかし、暗視薬を試すには草原ダンジョンだと明るすぎる。

 暗い場所じゃないとな。


 目つぶし毒にしても、実験相手が必要だ。


 スライムは視覚があるかあやしい。

 ウサギは逃げる。シカはじっとしていない。


 となればゴブリン君である!



 ならば、試験場は俺のダンジョンだ。


 普通ならクラフトしたアイテムはダンジョン外へ持ち出せない。

 ダンジョン産のアイテムは持ち出せないのだ。


 だが問題ない。

 ポーション手拭いのように、布にしみこませる裏技を使えばいい。

 【忍具収納】の抜け道である。



 などと考えていると、俺を呼ぶ声が聞こえる。


「ゼンジさーん! ごはんの用意できましたー!」

「おっ! いま行く!」


 俺は作業を中断して食卓へ向かった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 暗視と視覚阻害が同じ材料な時点で 瞳孔拡散系の薬物としか思えない 効き方が違うだけと推測
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