【薬術】のスキル調整! 一つ上げて、二つ下げる!
【薬術】に対してスキル調整をしてみる。
森エリアを探索してたとき、赤色キノコに【薬術】を使おうとした。
だけどスキルレベルが足りなかったんだよな。
どうやら赤色キノコは、スキルレベル三の「高度な薬」に該当する薬の素材になるらしい。
普通ならここで【薬術】のスキルレベルを上げるところだ。
だが、そんな必要はない!
【薬術】はスキル調整の対象になるのだ!
【忍術】の関連スキルだからね。
わざわざ【薬術】にポイントを振らなくていいのだ。
お得、お得ぅ!
「さて、さっそくスキル調整してみるか!」
俺はウィンドウを操作してあれこれ試してみる。
結果はこうだ。
--------------------
【薬術】
威力 :+
距離 :
発動 :-
時間 :-
CD :
消費 :
--------------------
2項目を下げ、1項目を上げた。
クールダウン時間と距離は変更できなかった。
これはたぶん、もともと設定されていない項目だからだ。
設定がなけりゃ、いじれない。
もともと【薬術】には、クールダウン時間がない。
連続で使えるのだ。
そして、距離もない。
スキルレベルが上がっても、遠くに生成できるとかは無しなんだろう。
あれ!? 消費も変更できないぞ!
なんでだ?
このスキルはクラフト系スキルだからか?
不正防止かもしれない。
消費をいじれると、いろいろ悪さができそうだし。
消費するのは俺の魔力ではなく、魔石だ。
いわば原料。これは絶対必要らしい。
スキル調整で消費を調整できないかと言うと、そうではない。
【分身の術】の場合は消費を上げる――コストを下げることができた。
消費魔力が下がるわけだ。
こうして俺は【分身の術】を連発しやすくしている。
分身の場合は俺の魔力を払うタイプだから……だと思う。
【薬術】で消費を上げられないのは、原料を使うタイプだからだろう。
「では改めて、頼むぜ薬術ちゃん!」
赤色キノコを対象に【薬術】を発動させる。
ん……。
発動しない……?
いや、した!
時間がかかっただけだ。
いつもよりゆっくりと作成可能なアイテムのリストが表示される。
ここが遅くなるのかよ!
さて、なにが作れるんだ?
――暗視薬
――士気高揚薬
リストを見ながら俺は首をかしげる。
「暗視だって? 高度な効果の薬とはいえ、そんなファンタジーな薬があり得るのか?」
俺は薬術で作れるのは現実的な薬だと考えている。
いわゆる錬金術で作るような魔法の薬ではない。
魔法のポーションを作ろうとしても無理なはず……。
……いや、決めてかかってはいけないのか!?
俺が思い込みでスキルの限界を下げている可能性もあるぞ!
よし! できる……!
なんでも作れる!
俺は再びリストを開く。
……リストが開くのが遅い!
なにこれ、地味にうざい!
やっと開いた……が、リストの内容に変化はない。
くっ……俺の思い込み力だけじゃ、魔法の薬は作ってくれないか……。
やっぱり薬術ちゃんはごまかせない!
腰に手を当てて怒っている眼鏡の委員長を幻視する。
ムリだよなぁ……。ルールはルールだ。
じゃあ、暗視薬を一つ作成するとしよう!
作るのは水薬だ。
入れ物は【薬術】では生成されないので別途用意する。
【忍具作成】君の出番だ!
二種類の器を作る。
受け皿と持ち運び用の瓶だ。
器は忍具! 問題なし!
いつもの通り、さっと作ってしまう。
これで準備ヨシ!
「では薬術ちゃん! ――暗視薬を水薬で頼むぜ!」
材料である赤色キノコと魔石が光る。
ゆっくりと、光が強くなる。
分解されるように、素材が消えて光に変わる。
その光が俺の手に集まっていく。
いつもより、この工程も遅い。
遅い分だけ動きが細かく見えるのが面白いな。
受け皿の上に水薬が生み出される。量は少ない。
水薬を瓶にうつす。
「よし完成!」
俺はでき上った薬を手に満足げに頷いた。
スキル調整は思った通り、使えるものだった!
「威力」を上げることで作れる品物が変わった。
つまりスキルレベルを上げた場合と同じ品物が作れる。
「発動」「時間」を下げてもデメリットはないも同然。
クラフトは拠点でゆっくりやるものだしね!
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