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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
四章 副業は公儀隠密で!

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ダンジョンの神様は公平か?

 俺は話題を変える。


「それより【()()収納】だが……なんで()()じゃないんだろうな?」


 食品(しょくひん)食材(しょくざい)の違いだ。

 スキルの名称として違うなら、なにか意味があるはず。


 リンが言う。


「あ、そうですね。でも食品(しょくひん)のほうが広い意味になると思いませんか?」


「食材は材料、素材だけ。でも、食品は加工品――料理した品も含まれるってことになるってことか!?」

「そうだと思います。ちょっと試してみますね!」


 そう言うとリンはクーラーボックスから鹿肉を取り出して串に刺す。

 そして火魔法であぶる。


 香ばしい匂いを立てて、簡易的な焼き肉串ができ上った。

 いちおう料理したと言える。


「おいしそうっス!」

「食べるためじゃないからな!」


 リンは肉串に手をかかげて言う。


「では、収納してみますね!」


 肉串が消えた。収納成功だ。


「ほう。やっぱり料理も収納できるんだな。あ、枠はどうだ? さっき大鹿の肉を入れてたんだから二枠あるってことか?」


 リンが訂正する。


「あ、ごめんなさい。言い忘れてました! 【食品収納】は三レベルでもらっているんです!」


「あれ? ずいぶん気前いいっスね!?」

「おぉすごいな! じゃあ三枠あるってことか! 希望通りのスキルがもらえて、しかもレベルも高いのか。ずいぶん親切じゃないか!」


 いきなりレベル三とは大盤(おおばん)振る舞いだ。


「あと、お肉ももらえましたね! 上質(じょうしつ)ですよ、上質!」

「スキルを貰えて、さらに大鹿の上質肉か。言ってみるもんだよなあ……」


 大鹿の上質肉は、普通にボスを倒したことによるドロップアイテムかもしれないが。



「ダンジョンに神様がいるとしたら男っスよ! ひいきっス!」


「神なあ。俺は公平(こうへい)な存在だと思いたいよ」

「でも、トウコちゃんは職業とスキルをたくさんもらってるでしょ? ちゃんと公平だと思うよー」


 トウコは【ゾンビ】の職業をもらっている。それに加えて【復活】【狂化】【捕食】だ。


「俺のスキルはたぶん上位のスキルだ。二つもらってるし、つり合いは取れてるんじゃないか?」

「そっスかねぇ。なんかあたし、(そん)してる気がするっス!」


「ふむ……そうか?」


 俺はもらったものの公平さを考えてみる。

 別に厳密に考えなくてもいいことだけどな。



 俺がもらったのは、基礎スキルとして【エラー】。

 その下に関連スキルの【自律分身の術】【意識共有】がある。


 スキルが二つで八ポイントになるはずだ。

 まあ、この必要ポイントは予想でしかないけど。



 予想の根拠ははこうだ。

 【忍術】の関連スキルは一レベルで一ポイント必要になる。

 【中級忍術】なら関連スキルは一レベルで二ポイント必要になる。


 ここまではわかっている。


 なら次段階、【上級忍術】があるとする。

 ここからが予想だ。

 関連スキルは一レベルで四ポイント必要になるはずだ。



 さらに厳密に言うなら、基礎スキルにだってポイントは必要だ。


 【エラー】が【上級忍術】だとすれば、これを取得するために四ポイント必要ってことになるのだ。


 だが……このあたりがエラーなんだろう。

 想定外の状況から生まれたラッキーなんだと思う。



 リンの【食品収納】は三レベル。

 一段階のスキルなら七ポイント分だ。

 それプラス、上質肉をもらっている。



 トウコの場合はスキルを三つもらっている。

 一段階のスキルなら三ポイント分か?


 あれ?

 トウコが一番損して……。


 いや、そもそも【ゾンビ】は普通の職業じゃない。

 二つ目の職業を取れるレベルになる前にもらっているし……。


 このおかげで死を(まぬが)れていることもある。

 単純にポイントの大小では(はか)れない。



 ――というようなことをトウコに説明してみた。


「どうだ? 一部は予想だけど」

「こまかっ! なんかややこしいっス!」


 トウコはげんなりした顔で言う。


 途中から目が死んでたしな。

 ま、細かい話だし、気にすることはない。


「ざっくり言うと、ボス撃破報酬はみんな同じくらいのものをもらったってことだよ!」

「それならいいっス! 文句言っても、とっかえられるわけじゃないっスからね! 気にしないっス!」


 トウコはけろりと笑った。

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