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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
四章 副業は公儀隠密で!

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ラストシューティング? そんなスキルはありません!?

 倒したスライムが落とした宝箱を開ける。


「お、魔石か。リン、鑑定してみてくれ」


 俺は魔石を手渡す。

 リンはまじめな顔で言う。


「毒はありませんが、食べられないですねー」

「……いや、【食材鑑定】じゃなくて【物品鑑定】を頼む」


「あっ! そ、そうですよね。あはは……」

「リン姉……マジボケっスか? マネできないっス!」


「じゃあシステムさん。おねがい」


<名称:スライムの魔石。カテゴリ:魔石>


「やっぱ、コイツの名前はスライムなんスね?」

「サバンナにいた砂スライムも、名前はスライムだったな」


「いろんなスライムがいるんですねー」

「違うモンスターってわけじゃなくて、環境による行動の違いなのかもな」


 草原では草むらに潜んでいる。

 サバンナでは砂に紛れている。


 トウコが言う。


「こいつは木スライムって呼んだらいいんスかね?」

「落っこちてくるから、落っこちスライムさん?」

「うーん。樹上スライムか? 毎回木の上から落っこちてくるかは知らんけどな」


「あ、そうですよねー」

「これからは上にも注意するっス! 下剋上(げこくじょう)っス!」

「トウコちゃん。それは違うと思うよー」


 下から上を攻撃することじゃない。


「スライムより身分が低いのかトウコ……がんばれよ!」

「次はラストショットを決めてやるっス!」


 トウコは両足を開いて銃を上に向けたポーズをとる。

 左腕と頭がないロボットみたいなポーズだな。


「ラストシューティングか!」

「新技を取るんですか?」


 頭上を攻撃するスキル、ではない!


「アニメの名シーンの話っス!」

「まあ、聞き流してくれリン」


 オタクのサガであり、言わざるを得ない!

 一般人のリンはわからなくて当然である。


 しかしリンは少し寂しそうな表情を浮かべる。


「はい……でも、なんだか私だけ知らないことが多い感じがしますー……」


 トウコが胸をはる。


「私もまじめな話は聞いてないから大丈夫っス!」


「大丈夫じゃねえ! それはちゃんと聞いとけ!」

「ははっ。半分は冗談(じょーだん)っス!」

「半分は本気なのかよ!」



 それからは頭上にも注意を払いながら進んだ。

 いる前提で探せば、木の上のスライムを見つけることはたやすい。


 やはり【隠密】のような能力で気配を隠しているようだ。

 【魔力知覚】では捉えにくい。


 不自然に()()()()いる枝のような、違和感を探る。


 木の上のスライムは、枝に(から)みつくように体を長く伸ばしている。

 球形(ボール)のような目立つ形はしていないのだ。


「うらっ! あたれっ!」


 トウコは頭上のスライムを見つけては、真下から攻撃したがる。


「今度こそ、ラストシューティングを成功させてやるっス!」

「相打ちでやられるつもりか……?」


 真上を狙うのはやめさせた。

 空中のスライムの核を銃で撃ち抜くのは難しいらしく、成功率は低い。


 できないのはトウコの腕が悪いからではない。

 粘液の体には命中させている。


 その中の核、わずか数センチの標的を撃ち抜くのが難しいのだ。



「結局、当たらなきゃ意味ないっス!」


 結局トウコはショットガンをぶっ放して満足した。

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