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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
四章 副業は公儀隠密で!

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ラストショット・ダブルバレル!

「へへ、こりゃいいっス! さっそくシャッガンで!」


 トウコがいそいそと、水平二連(ダブルバレル)ショットガンを出す。

 面倒だと言ってたが、気に入ってるじゃねーか。


 スライムを探してショットガンを撃つ。


 一発目は通常通り。

 二発目、最後の弾丸は少し派手に銃口が火を噴いた。


「おっ? いけたか?」

「いけたっス! バッチリ! 効果ノリノリっス!」


 リンが拍手を送る。


「わー! よかったね、トウコちゃん!」

「この調子でいろいろ試してみるっスよー!」


 お?

 トウコにもスキル検証の楽しさがわかってきたかな?



 いろいろと試していく。


 【ラストショット】は弾の種類によらずに効果が乗る。

 散弾でもスラッグ弾でも同じだ。


 小さな散弾の一粒だけに効果が乗る、みたいなセコいことはなかった。


 リボルバーでも六発目の弾丸に効果が乗る。

 だが、最後の一発を撃ってから一発だけ弾を込めても発動しなかった。


「あれっ!? 六発目じゃないとダメなんスかね?」

「二発装填してみたらどうだ?」


「二発あれば、大丈夫かもしれませんね!」

「どうっスかねえ……?」


 そう言いながらトウコは手早く二発の弾丸を込める。

 そして連続して二発の弾丸を放つ。


 二発目の発射炎は大きい。

 発動した!


「できたっス! 試してみるもんっスねぇ!」

「二発に一発は強い攻撃ができるな。タダで!」


「でもDPSは落ちちゃうっス!」

「でぃーぴーえす、ってなにかな?」


秒数ごとの(PerSecond)ダメージってことだな」

「一発が強くても、リロードが長くなっちゃうから火力が落ちるっス!」


 リンは少し考え込んでから言う。

 ゲーマーでないリンには難しい話になっちゃってるな。


「えーと……いくら二発目が強くても、すぐに弾を入れなきゃいけないから効率が悪いってことですか?」

「そうだよリン。拳銃で二発ごとにリロードしていると、結果としては火力が下がってしまうだろ?」


「はい。そうですね」

「六発撃ってリロードしたほうが、結局は強いってことだ」


 トウコのリロードは素早いとはいえ、引き金を連続で引くほうが早い。

 これは拳銃の場合だ。


「でも、ショットガンなら、単純に火力が上がるはずだ。もともと装弾(そうだん)数が二発だからな」

「そういうことなんですねー!」



「あ、でもでも! 火力を落とさない方法思いついたっス!」

「ほう? どうやるんだ?」


「最後の一発だけ残した銃を、たくさん持つっス!」

「たくさん?」


 リンが首をかしげる。


「こうやって、二発装填して……」


 トウコは拳銃に二発、ショットガンに二発の弾を込める。

 それぞれ一発を撃って、銃には最後の弾丸だけが残る。


「ああ、ラスいち状態の銃を持ち歩くわけだな!」

「そう! これならいきなりバーンと撃てるっス!」


「二丁拳銃どころか、もっと持つわけだな?」

「それに、最初に出しとけば魔力酔いの心配もないっスよ!」

「なるほどー! よく考えたねトウコちゃん」


 これまでも銃はいくつも持ち歩いている。

 さすがに四丁を超えると邪魔になってくると思うが……。


十丁拳銃(テンハンズ)のトウコと呼んでほしいっス!」

「わあ、かっこいいねー」


 厨二病(ちゅうにびょう)


「キワモノの道を行くのか、トウコ……」

「連続抜き撃ち(ファストドロウ)っス!」


「正統派ガンマンが現れて()からされる流れだな、これ」

「というわけで店長! たくさんホルスターを作ってほしいっス!」


 トウコはベルトのホルスターをぽんぽんと叩く。


「いや、スペースが足らんだろ! ゴテゴテするわ!」



 試してみたところ、複数の銃を使うことはできた。

 時間をおいても、最後の一発だとみなされる。


 でも四丁の銃を出したあたりで、トウコは面倒になってやめた。


「やっぱ、めんどいっス! やめたーっと!」

「えー? もったいないよー」


「まあ、いいんじゃないか? 普通に戦ってるついでに発動するし」

「オマケと考えるっス! 弾数を数えながら戦いたくないっス!」


 ガンマンとして弾数を数えるのは常識じゃ……。

 ま、いいか。

 向き不向きってもんだ。

 やりたいようにやればよし!



「ちなみに最後の弾丸(ラストショット)跳弾リコシェショットできそうか?」

「あ、やってみるっス!」


 トウコは木の幹を狙って拳銃の引き金を引く。

 大きな発砲炎。【ラストショット】が発動したのが見て取れる。


 さらに木の幹で跳ね返った弾丸がスライムに命中する。


「おっ? うまくいったな?」


 トウコがどや顔で宣言する。


「これぞ、ラスリコショットっス!」

「響きはいいけど意味わからないぞ、それ」

「そっスね! やめるっス!」


「でも同時発動できるのは意外だったな。重ねがけか……」

「わぁ! それって、すごいことじゃない!?」


「すごいっス! ほかのスキルも乗ったら最強っス!」

「チャージした最後の弾丸を跳弾させて、それを曲げるのか?」


「チャーラスリコカーブショットっス!」

「なに()だよ! 日本語でたのむ!」


 「うーん、難しくて覚えられないなー」


 ぜんぜん伝わらないわ!

 リンも覚えようとすな!



「地面より木のほうがいい感じに跳ねるっス!」


 木の幹で跳弾した弾丸は、スライムに命中した。

 だけど今回も核には当たらなかった。

 狙って当てるのは難しい。


ちな(ちなみに)、跳弾で狙える角度はセマめっす!」

(せま)い?」


 リンが聞き返す。トウコが答える。


「はね返る角度っス! ちょっとだけ弾の方向が変わるだけっス!」

「浅い角度でしかはね返らないわけだな」


 物理法則さん、仕事してる!

 ダンジョンの中でも、基本的な物理法則は外と似ている。


 木を撃っても、それほど跳ね返らない。

 土のやわらかい地面なら、もっとだ。


 弾丸はめり込んだり貫通したりしてしまう。

 (はじ)いたとしても少しそれるくらいだろう。


「ロマンはあるけど地味(じみ)っスねー!」

「スキルレベルが低いからな。上げたら直角に曲げたりできるかもしれないぞ?」


「そうだったっス! まだ一ポイントしか振ってなかったっス!」


 まだまだ成長の余地はあるのだ!

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