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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
四章 副業は公儀隠密で!

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知らなかったのか? 絶対空域では忍べない……!?

 リンは新衣装を身に着けたトウコを眺めて、しみじみと言う。


「トウコちゃんはかわいくていいなあー。私もそうならいいのに……」


 これは嫌味やマウントではなく、本心からの言葉だろう。


 リンは美人顔すぎて、キツいと思われることが悩みの種なのだ。

 内面は癒し系なのに、外面とのギャップが大きい。


「あたしだって、リン姉みたいに大人っぽくなりたいっス! だけど……遠い道のりっス……」


 トウコは胸に手を当てて遠い目をしている。


 トウコだって侮れない起伏を備えている。平坦ではない。

 比べる相手が悪いだけだ。


 俺は一歩引いて黙っておく。

 なにを言っても損しそうだ。

 ここは忍んで時期をうかがえ!



 リンが言う。


「私もトウコちゃんみたいに、かわいい服が似合うといいのになあ」


 そういえばリンの服はきれいめなものが多い。

 カワイイ系は着ているところを見ないな。


 似合わないから着ないってことか。

 いや、着てみたら似合うかもしれないぞ。

 だが言わずにおく。



 トウコが言う。


「リン姉の服には露出が足りないと思うっス! 魅力は露出度と比例するっス!」

「そ、そうかな?」


 リンは困り顔で首をかしげている。


 俺はトウコの発言に内心で疑問を(てい)する。

 いやいや、トウコ。そうじゃないだろう?


 フェチズムを……いや芸術を追求する同志としてその考えはおかしいだろう!?


「ね? 店長もそう思うっスよね?」


 なにを言っているんだ……!?


 全裸(ぜんら)ならいいのか? もろ見えが正義なのか?

 (いな)! 断じて否である!


「いや違う! 一定の布面積は必要だ!」

「ははーっ! さすが生足より靴下好きの店長! フェチ心を分かってるっスねぇ!」


 ぐわー! はめられた! 言わされた!

 罠! これは罠だ!


 こやつ、できる!

 トウコめ、ただアホなだけじゃないな!


 トウコはしてやったりと笑っている。

 リンは不思議そうな顔をして言う。


「えっと……結局、どっちがいいんでしょうか?」

「どっちって……リンは今のままで素敵だぞ」


 あ、また忍べなかったぜ!

 つい本心が出てしまった!


「えっ……急にそんなふうに言われると……うぅ」

「そう! リン姉は今のままで最高っス!」


 リンは頬を赤らめてうつむくが、喜んでいる。


 ここは露出度が高いほうがイイと言うべきか?

 言ったら……多分そうなるよな、うん。


 それはそれで……見たい!

 だが言わない! 忍べ! 忍ぶのだ!


「リン姉のエロボディで、露出度まで上げたら放送事故ものっス!」

「どこで放送されてんだよ!」


 されねえよ!? 放送されるなら俺が見たいよ!


「そりゃ、あたしの脳内で毎晩再生されるんスよ!」

「お前が事故だよ! 事故JKだよ!」


 リンの衣装は現状が最適と言える。


 着エロの極致(きょくち)だ!

 足す必要も引く必要もない。


 リンが今日着ているのはトレーニングウェアである。

 草原ダンジョンではこっちの衣装なのだ。

 くノ一装束は黒いので、草原ではかえって目立ってしまう。


 どちらの衣装でも露出度は低い。

 しかしボディラインの出た、ぴちっとした素材である!


 ニーハイのように、ゴムの圧力での段差も生まれない。

 仮に同じ服を着せても、トウコほど段差は出ないだろう。

 これは余分な肉が少ないからだ。


 ……いや、余分な肉なんてものはないか!

 ぷにぷにしていても、太っているわけじゃないのだ。



 リンの均整の取れた体は女性的な柔らかさを保ちつつも無駄な肉が存在しない。

 無駄な肉はないが豊満(ほうまん)である!


 ランウェイを歩くモデルのような痩せ型ではない。

 グラビアモデルのようにむっちりとした肉付きである!


 スレンダーと巨乳という両立が不可能にも思える要素!

 それが平然と同居している奇跡!

 素材の味そのものが完璧!


 だからこそ全身タイツやトレーニングウェアが似合うのだ!


 スカートがなく、素肌が露出していない衣装では絶対領域は生まれない。

 だが! 神秘の大三角形――デルタ領域は現れるのだ!


 股と内ももが形作る神の領域。

 それが魔のトライアングル! 絶対空域である!


 今も人類を惹きつけてやまない素敵空間が現れている。

 低空からその空域を覗き込めば前から尻の肉が見えるという……!


 後光が差すその光景はまさに絶対的!


 ――はっ!?


 俺は視線を感じて意識を現実に戻す。

 じっくりと眺めすぎた!

 くっ……忍べていない! 何度目だよ!?


 まだ頬を染めてうつむいていたリンと目が合う。

 トウコがジト目で言う。


「店長……急にしゃがみ込んで何してんスか?」

「……そろそろダンジョン攻略するから準備体操だ!」

「準備体操は大事ですね!」


 よし! リンは無事にスルーしてくれた!

 三人で準備運動をして、その過程で生まれた様々な素敵空間を楽しんだ。


 いや、恥を忍べ俺!

 どうかしちまってるぞ!?

このあたりだけでもアニメ化されないものか……!

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― 新着の感想 ―
腐ってやがる・・・(腐女子的に) まあ、トウコはゾンビだから腐るのはしょうがない…のかな?
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