コスチュームはくのいちで!? ミニスカ着物バージョン!
本日2話目!
リンとトウコはバイトへ向かった。
俺は出勤せず、ダンジョン活動だ!
御庭が手配してウスイさんが連れてきてくれた人たちを、新バイトに採用した。
新店長のヤマダさんは大喜びだ。
オーナーも文句は言わなかった。いや、言わせないし!
無口でやや生気にかける人たちだ。
だけど、仕事はこなせる。
客商売だからある程度の愛想は欲しいけど、問題は起きていない。
変な個性を発揮せず、まじめに働いてくれている。
人手不足の店は大助かりだ。
教育の時間が必要だから、しばらくはリンやトウコの出勤は減らせない。
事務作業は俺がやるけど、リモートや持ち帰りでできるからな。
俺はダンジョン活動がメインなのだ!
さて、トウコの防具を作成していく!
まずは素材をみていこう!
主な素材は『丈夫なコウモリの皮』と『クモの糸』だ。
ボスコウモリ素材は防御力も期待できる。
その名の通り丈夫なのだ。
アミグモの魔石と引き換えた『クモの糸』も人工のワイヤーよりも軽くてしなやかだ。
そのうえ強度もある。
夢のような素材だ!
この強度の秘密は特殊な編み方にある。
糸そのものが数十本……五十本くらいの細い糸をより合わせたような構造になっている。
クモは結構な勢いで糸を出しているけど、体内では何が起こっているんだろう?
人間が繊維を作るみたいに編み機のようにパタパタ作ってるわけはないし……。
しかもかなりの早さで糸は紡がれて、吐き出される。
ネットで調べたけど、これはまだ解明されていない。
生物の生態や機能はまだまだ不思議がいっぱいだな!
まあ、現実のクモと同じとは限らないけどね。
ダンジョンのクモはスキルで糸を生成してるのかもしれない。
とはいえ、なんでもかんでも不思議な力でやってるとは思えないんだよな。
クモのモンスターはクモの生態に近い。
コウモリも現実に沿っている。
ゴブリンは……何者なんだろうなあいつは。
現実にいないゴブリンの生態は……謎である!
俺もゴブリン研究の第一人者になるべく努力しよう。
とにかく、クモの糸は《ファンタジー》素材だ!
現実のクモは肉体の機能でそれをやっている。スゴイな!
この『クモの糸』はべたつかない。
クモの巣がべたつくのはクモの体液、粘着性の粘液が塗られているからだ。
縦糸は強固でべたつかず、横糸はべたつくが強度はない。
クモは縦糸を足場に移動しているのだ。
『クモの粘着粘液』は魔石二個で引き換えることができた。
でも、防具には使わない素材だな。
『クモの毒腺』も別の使い道を考えよう。
「さて、要望はミニスカ着物だけど……どんなデザインにするか」
へそ出しビキニタイプ?
上は短い着物でへそ出し。腰にはパレオのように布を巻き……。
うーん。やっぱりなしだよな。
見た目はいいけど、防具としてはダメだろう。
腹部を守らないでどうする!
実用性を考慮して見送るとしよう。
というわけでデザインは決定!
肩だしノースリーブで、丈の短い着物である。
あとは足防具。まあ、防具というか丈夫な布地だ。
ここを革にするとボンテージかブーツになってしまう。
ん……それもいいな。
だが、トウコの希望はニーハイソックスである。
いわゆるニーハイ。ニーソ。
萌え要素の強いアイテムである。
だけど、たいてい頭に思い浮かべるものは別物だ。
膝より上、太ももより下の長さを想像することだろう!
みんな勘違いしているというか、正しくないんだ。
これはオーバーニーソックスなのだ!
ソックスの長さはいろいろある。
ニーハイは膝の高さまでのものだ。膝上じゃない。
オーバーニーソックスが膝上丈だ。
さらにその上、太ももの上まであるのがサイハイソックスだ。
……いや、俺は靴下に欲情するヘンタイではない。
調べて分かったことなのだ!
ああ……ハカセは俺の検索履歴を覗き見ているんだろうな……。
まあ、どう思われてもかまわんさ。
クモの糸をふんだんに使用して、薄手ながらも最低限の強度を出している。
【緊急回避】で転がってもケガしないように、膝の部分はやや厚めに。
冷蔵庫でもトウコはロングブーツをはいていた。
足のケガを防ぐ意味がある。
一から靴を作るのは難しい。
トウコにベースとなる靴を持ってこさせよう。それを強化する!
俺の地下足袋も市販品をもとにしているしな。
これでひとまず、トウコ用の新コスチューム……いや、防具!
くノ一装束が完成した!
トウコが帰ってきたら着せてみよう!




