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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
四章 副業は公儀隠密で!

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消えない塗料と、作業漏れの可能性……!?

本日二話目!

 罠チェック作業を眺めながらリンが言う。


「そういえば、この塗料って消えちゃいませんか?」

「しばらくは消えないはずだ」


 トウコが首をかしげる。


「なんでっスか?」

「そりゃ、俺の()()()だからだ」


 俺の言葉に少し考え込んで、リンが手をポンと打つ。


「持ち物って……ああ、なるほど! 認識ですね?」

「あっ、そういうことっスね!」


「塗料は俺の持ち物、必要なものだ。捨ててるんじゃなくて、置いてる。そういう認識をしておけば消えないはずだ」

「ごみは消えちゃうけど、持ち物なら消えないんですねー。盲点でした!」


「うへー。店長のヘリクツ(りょく)半端()ないっスね!」

「ヘリクツ言うな! ダンジョンの仕様を理解した高度なテクニックだぞ」


 ダンジョンでは血などの有機物はすぐに塵になって消えてしまう。

 装備品やドロップアイテムも、放置すれば消えてなくなる。


 だが、必要なものだと認識している()()()()()は消えない。


 塗料は必要なもの、俺の所有物という認識で塗る。

 塗られた塗料をそう認識する。

 これですぐには消えない。


 俺は装備やアイテムを消えないようにチェックしている。

 あまり日数を開けたら消えるかもしれないが、定期的に見て認識しておけば大丈夫。

 これは拠点で実証された方法である。


 もちろん、分身の作業分も俺がやっていることと同じだと認識している。



 こうして、次の通路も同じように進む。

 そして部屋の入口からクモを倒していく。


 順調に進んでいるな。



 トウコが踊るようにステップを踏みながら言う。


「店長、思ったんスけど……いまさら言うのもなんなんスけど……」

「なんだ?」


 めずらしく歯切れ悪いな?

 なんかハプニングか? やらかしたか!?


「あのっスね……()()()()()()もマークしたほうがいいんじゃないっスかね?」

「ん……? あ、そうだよな……うわ。めんどいな! でも、よく気づいたな!」


 こういうのって、ゲーマーの感覚だよな。

 俺が早めに気付くべきだったなぁ……。

 いや、一人で攻略してるんじゃないからこそ、こうして気づけたと思おう!


 トウコは気まずそうな顔から、笑顔になって言う。


「へへっ。えらいっスか?」

「えらいえらい」


「トウコちゃんすごいね! ……だけど、なんでダメなんでしょうか?」


 リンはまだよくわかっていないようだ。

 首をかしげているリンに説明する。


 俺はマークのついた石畳を(ゆび)さす。


「あそこは罠があるか?」

「あります」


「じゃ、そのとなりは?」

「マークがないから罠はありません」


「じゃ、あっちのは?」


 俺は少し離れた石畳を指さす。

 調べていないので、マークはない。


「――え? あっちはまだ調べてません。あ、そういうことですね!」


 リンがポンと手を打つ。

 伝わったようだ。


「罠のある石畳はマークでわかるけど、マークがないものが安全とは言えないんだ」


 トウコが補足する。


「罠のと、罠じゃないのと、調べてないのの三種類あるっス!」


「今は調べた場所がわかってるから、罠だけマークすればいい。だけど明日まで覚えてられないだろ?」

「そうですね」

「だから、安全だとわかった石畳にもマークをつけとかなきゃ片手落ちだった」


 次回のために塗料を塗った。これでわかっている罠は踏まない。

 だけど――しるし(マーク)を過信すると、調べていない罠を踏むことになる。



 俺は目の間を指でもむ。

 うーん。ちょっと気が遠くなる作業量だぜ。


「よくわかりましたー! でも、たいへんですね……」

「今日はこのまま進もう。次回は別の色の塗料を用意して塗っていこうか」


「リョーカイっス!」

「はーい」



 現状でも、かなり安全になった。

 だけど、どうせやるならバッチリにしておきたい!

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