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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
一章 ステイホームはダンジョンで!

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薬草って使うの!? 食べるの!? どうするの……!?

薬草って何なんでしょうね。

ファンタジーでは定番の存在ですが、実際使うとなると……。

 モノリスで「薬草」を引き換える。


 モノリスに浮かび上がった薬草は4枚の大きな葉がついた植物だ。

 茎に葉がついた状態だ。


 モノリスに浮かび上がったそれを、手でつかみ取る。


 スーパーで売っている大葉よりも大きめの葉。

 緑色が鮮やかで、摘みたてのように新鮮だ。


「……見た目はシソとかオオバみたいだな。コレ、食えばいいのか?」


 ロールプレイングゲームでは「使う」とかで薬草を使うわけだが……。

 食べればいいのか、傷口に汁を塗ればいいのか?


 食べるにしても茹でたり調理する必要があるんだろうか。

 いま、調理器具はここにない。


 フライパン鉢金は作ったあと収納箱へぶち込んだので、いまは手元にない。

 まさか、あれがここにあればと思うなんてね。


 とりあえず、指先で葉を揉んでみる。

 出てきた緑っぽい汁を、手首や頬に塗ってみる。

 痛みや刺激はない。


「リアル・ダンジョン攻略記では大丈夫だと言われたけど、いきなり食べる勇気はないな」


 無人島などで食べ物を判別する方法だ。

 毒性がある場合は、肌が荒れたりかぶれたりする。


 パッチテストというやつだ。

 すこし時間をおいて、異常がなければ安全と考えられる。


「おお……?」


 塗った汁は、すぐに体にしみ込むように消えてしまう。

 普通の草の汁だったら、蒸発するにはもっと時間がかかるはずだ。

 これはファンタジーな感じ……。


 不思議だな!


 とりあえず15分ほど待ってみたが、異常はない。

 肌にすぐ吸収されてしまったので待つ意味があるかはわからないが……。


 少し待っても痒みや痛みはない。

 安全そうだ。


「よし、じゃあ傷口に塗りこんでみるか! 結構勇気いるな……」


 こういうのは勢いである。

 2枚の葉を両手で挟んで揉む。

 祈るみたいに両手をすり合わせる感じ。


 手のひらのマメに、汁が染みる。

 水だって染みるんだから、これは問題ないだろう。


「うーん、ちょっとじんわり温かい感じがするかな」


 手に塗った汁はてのひらにしみ込んで、なくなってしまう。

 塗った部分が少し熱を持ったような感じ。

 不快ではなくて、ぽかぽかした感じ。


 汁を絞った葉は、塵となって消えてしまう。

 これはモンスターを倒したときに似ている。


「効いてるのかな。即効性はないか」


 手のひらの破れたマメは、そのままだ。

 薬草を使ったらみるみるうちに治る……ということはない。


「……まあ、現代医学の薬を塗ったってすぐに治らないからな」


 ちょっと、ファンタジー的な超回復を期待していたけど……。


 残った2枚の葉は、塗って使うのでなく食べてみるか。


「見た目は大葉っぽいし、生でイケるよな?」


 一枚を口に運び、噛みしめる。


「おっ! 味は悪くない。大葉のような強い香りはない感じか」


 青臭い味。大葉よりは味も香りも弱め。

 多少の苦みやエグみはあるが、食べられないほどじゃない。


 食用に栽培されている葉物野菜と比べると、美味しくはない。

 まあ、おいしく食べる目的じゃないからな。

 まずくないだけで十分だ。


 食べた場合も劇的な回復は起こらない。

 もう一枚も同様に食べてみる。

 4枚1セットのものだから、個別に使うと効果が低いかもしれない。


 少し待ってみても、大きな変化はない。

 体が少しぽかぽかするくらいだ。


「……効果はあるみたいだけど、じわじわ系か」


 ゲームでいえば継続回復の効果だろうか。

 実時間で考えると、体感は小さい。


 このあとは三階層へ向かうつもりだ。

 ここで多少休憩して、全力で挑もう。



 装備を確認する。


 鉢金は後回しにしたので、頭部はニットキャップで気休め程度の保護。

 革手袋をして、バットケースを背負っている。

 腰袋には棒手裏剣が十分ある。五寸釘が10本、三寸釘が50本ほど。

 ナタも腰に吊っている。

 ケチって使っていないが、電動丸ノコギリの替え刃、ゴブリンのナイフも腰袋のなかにある。

 靴は地下足袋。


 リュックサックに予備の釘や食料を入れて持ってきている。

 賞味期限の長いゼリー飲料やプロテインバー各種だ。

 これはモノリス前に置いておくつもりだ。

 毎回拠点まで戻るのは面倒なので、中継地点としてモノリスを使う。


 ちなみに、拠点には箱買いした水や食料を運び込んである。

 万が一、効果が切れるまで外に出れないとなると困るからだ。

 まあ、念のため。

 ダンジョンから出られなくなることはないと思っている。

 まさかね。


 投げモノは以下を持ってきている。

 アルミホイル片を入れたチャフ玉。

 チラシを入れたクス玉。

 激辛調味料目つぶし玉。



 ついでに食事をとっておく。

 食事と休憩をしていると、手のマメが癒えていることに気づいた。


「おっ! 手のマメや小さな傷が治っている!」


 筋肉痛もマシになっている!

 効果が遅いとか文句言ってたけど、これってすごくないか!?


 治りかけていたコウモリから受けた傷もほぼふさがっている。


 薬草は、効果は遅いけど確かな回復力があった。

 即効性はないから、大ケガをして死にそうな場合には間に合わないかもしれない。


 だが、日常的なケガ程度であればこれで十分な回復量がある!


「すげーな! ファンタジー!」


 薬草をもうひとつモノリスで引き換えて、腰袋へしまう。

 治癒薬を引き換えるにはポイントが足りない。


 これで、三階層への出撃準備はととのった!

薬草が欲しくなった方……ブクマ、評価をお願いします!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 作者様、返信コメントありがとうございます! [気になる点] 今年もニュースになっていた、スイセンとニラの間違い中毒。 野草好き&園芸好きには、なぜ間違えるのか、サッパリ理解できない件な…
[良い点] 薬草を検証するの巻!  薬草 → ヨモギ、アロエ、ユキノシタ、イタドリ、メグスリノキ  毒消し草(主に蚊の痒み対策) → ドクダミ、ゲンノショウコ、チドメグサ 空き地の草むらで遊ぶのが…
[一言] 確かにドラクエでもナンバリングによって見た目張り薬の薬草と食べて使いそうな薬草両方ありますねw
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