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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
四章 副業は公儀隠密で!

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我が家のパソコンが不正アクセスされた件……!

「ちなみにハカセ。検閲するほうじゃなくて情報を流すシステムもあるのか?」

「ご明察。そういうシステムもあるよー。俺っち達が作ったわけじゃないけどー」


「やっぱり、あるのか……」

「でもここで使えるのは読み取るほうだけ。ガッカリしたかなー?」


 ハカセは俺の顔をのぞき込むように見ている。


「……いや、使いたいわけじゃない。できるか知りたかっただけだ」

「流したい情報があるなら、俺っちがやったげるよー?」


 ハカセは指先で空中のキーボードを叩くような動作をする。

 情報発信用のシステムを使わなくても、人力でできるってことだろう。

 さすがは凄腕ハッカーさん。


「今やりたいわけじゃないんだ。まだ考えているところでな」

「へえ? そりゃ気になるねー? 聞かせてみ?」


「ダンジョンや異能についての情報を、それとわからずに流せればと思ってな」

「そんな情報を流したら隠蔽に即BANされちゃうよー?」


 リンが首をかしげて、俺に聞く。


「えっと……バンってなんですか? 撃たれちゃうんですかー?」

「銃声のバンじゃなくて、ゲームで使う用語だな。アカウント停止みたいな意味だ。サービスから追放(パージ)されるってことだな」


 つまり世界から追放(バン)されちゃうわけだ。


「……じゃあ、あぶないじゃないですか!」


「うん。だから、禁則事項に触れないようにうまく流すんだ」

「どういうやり方を考えているのかなー? ここが霊場だからって、ネット上へ流したら隠蔽は食らうからね?」


 この場所でも、外部への情報流出は罰をくらう。

 そう都合よくはないか。


「世界の隠蔽の仕組みってどうなってんだ? インターネット上の情報とか、電子的なものまで対象なんだよな……」

「それこそ、頭の中でも検閲してるんじゃないかねー? 知らんけどー」


 世界の隠蔽は考えたり喋ったりしたことすら監視されている。

 それこそ神や世界そのものといった、大きな存在を疑わざるを得ない。


 まあ、規模が大きすぎて、どうしようもない話だ。

 気を付けるしかない。


「俺の見たサイトで、ダンジョンのことをそれとなく書いてるものがあったんだ。それを読むと頭痛がするし、認識阻害も受ける」

「はー? クロウっちはダンジョン持ち(保持者)っしょ? なんで認識阻害を受けてるんだよー」


 異能者やダンジョン保持者は認識阻害の影響を受けにくい。

 リヒトさんのリアダン(攻略ブログ)の情報は、俺にも影響を与えていた。

 これは、なんでだ……?


「ゼンジさん。あのとき、ひどい頭痛で気絶してましたよね? ……今は大丈夫なんですか?」

「ああ、大丈夫だ。ここでならリアダンについて考えても頭痛はしない」


 ハカセが首をかしげる。

 内輪ネタのような会話に、少し苛立たしげだ。


「リアダン……? クロウっちが何度か検索していたワードだよねー?」

「そうだぞ。ハカセも読んだんだろ? ()()()()()()()()()()()()だよ。どう思った?」


 俺の検索履歴を調べたなら、読んだはずだ。

 あの攻略ブログはダンジョン関連の情報が詰まっている。

 こういう情報から、俺がダンジョン保持者だという確信も得られたんじゃないか?


 でもハカセの反応は思っていたものと違った。


「読むって、なにを? そんなサイト――リアル・ダンジョン攻略記なんていうサイトは()()()()()()()()()存在していなかったよ?」


「は? いや、そんな馬鹿な!?」

「いや、俺っちも気になって調べたんだ。クロウっちがアクセスした痕跡もない。通信のログから見て、検索したあとクロウっちはネットワーク上で動いてないんだ」


 ウェブサイトへアクセスすれば、通信が発生する。

 足跡のように記録(ログ)が残る。

 俺のパソコンだけじゃなく、サーバなどにも残るだろう。


 検索した形跡はある。

 だけどサイトへのアクセスした形跡がない……?


「あるはずだ……。何度も読んだし、内容も覚えている――記憶はあやしくなってるところもあるけど」

「いま検索してみるけど……ほら、ヒットしないよ?」


「ゼンジさんはちゃんと、あのサイトを読んでましたよ! メモして、忘れないようにしたんですよね?」


 くそ、認識阻害め!

 記憶があやしいと、なにを信じていいのか分からなくなってくる!

 ましてや他人に信じてもらうなんて……。


「そうだ。俺のパソコンのお気に入り(ブックマーク)にも登録してある」

「へえ? ちょっと見てみるけど、かまわないよねー?」


「俺のパソコンは今、電源入ってないぞ?」

「ま、大丈夫なんだなー、これが!」


 ハカセはキーボードを軽やかに叩く。

 カタタタターン。

 わざと大げさに打鍵している感じだな。


 かくして、本人の目の前で不正アクセスが行われたのだった!

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