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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
四章 副業は公儀隠密で!

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【閑話】年末は大掃除で! 年末ゴブリン一掃セール!?【スローライフ】

本日二話目!

本編の時系列とは別の閑話です。

 年末である。

 今日はダンジョン攻略はやめて、ゆっくり過ごすか。

 といっても、ダラダラするわけじゃない。


「さて、大掃除でもするか!」

「はーい!」

「リョーカイっス!」


 といっても、俺の部屋もリンの部屋もきれいに片付いている。

 ダンジョンを物置に使っているから、アパートに物は少ない。


 それにストーカー事件のとき時間を潰すために掃除してしまったんだよな。

 生活の場がダンジョン内になってることもあって、部屋は汚れない。

 多少散らかっても、リンが掃除してしまう。


 掃除や洗濯までしてもらうつもりはないんだけど、たまに掃除をしたがるのだ。



「さて、とりかかるっスかねー」

「そこらへんは片付いてるから、触らなくていいぞ」


 トウコが戸棚を開けたりタンスを引き出しはじめる。

 整理されてるから、あんまりいじらないで欲しいが――


「うーん、エロ本はないっスねー」

「ないわ! 掃除しろよ!」


 初手(しょて)から余計なことすな!


 クローゼットがダンジョンになったときに、中身はなくなったのだ。

 男の子の秘密は闇に葬られた。


 厳密にはダンジョンの転送門に隠れるように存在しているが、俺たちは触れない。

 クローゼットを開けると、その中は黒い水面のようになっている。


 異能者や一般人なら転送門は見えないし触れない。

 だから俺のクローゼットやリンのトイレに入れる。


 といっても、頼んでまで中身を取り出す必要はないな。

 そんなことまで御庭や公儀隠密に頼むのは違うだろう。


 シモダさんに頼むか?

 いや、もっと頼みづらいわ!


 トウコは諦めずに探し回る。


「どうせ女子大生モノとか隠してるに違いないっス」

「……ないわ!」


 トウコはニマニマと笑いながら口に手を当てる。


「おやぁ? ちょっと間が? これはアタリっスか?」

「トウコちゃん。ゼンジさんの部屋に、そういうものはありませんでしたよー?」


 しれっと、リンが断言する。


 いや、なんで知ってるの!? 探したの!?

 それで掃除したがるのか……!?



「まあ、アパートの部屋はいいんだ。ダンジョンの中を掃除しよう!」

「はーい」

「りょー」


 まずは俺のダンジョンに入る。

 ゴミやホコリなどはダンジョンに吸収されるように消えてしまう。

 いつでも清潔である。


 洞窟風の俺のダンジョンは少しじめじめしているが、真冬の外よりは温かい。

 夏に入れば涼しいだろうし、冬服であれば少し暖かいくらいだ。

 案外過ごしやすい。


「で、なにするんスか?」

「装備品のチェック――たな卸しをしようと思うけど、これは俺がやらないとな」


 俺の装備品が主なので、頼むのも難しい。


「私はどうしたらいいですかー?」

「そうだなあ。リンは素材類を分類してくれ。そこの箱に雑に突っ込んでるんだよね」

「はーい。任せてくださーい!」


 外から持ち込んだ素材類だ。

 金属や木材から調味料まで。

 クラフト用品である。


「トウコはモノリスまで行ってポーションを引き換えて来てくれ」

「いいっスけど、それって掃除っスかねえ……?」


 トウコは首をかしげる。


「まあ掃除じゃないが、俺のいつもの日課を任せるよ。宝箱回収とかもよろしく」

「リョーカイっス!」


 俺は【自律分身の術】を発動させる。


「よう、(自律)。トウコの引率は頼むぞ!」

「よう、(本体)。まかせろ!」


 拠点にストックしてある魔石を自律分身に持たせる。

 ポーション手拭いを作ったので、ポーションの在庫が少なくなっていたんだ。


 自律分身はスキル扱いのためモノリスを使えない。

 一人で行かせても意味がない。



「モノリスって二階層っスよね? それくらい一人でも行けるっスよぉ?」

「ついでにダンジョン内のモンスターも掃除して来てくれ。自律は弾拾いや荷物持ちさせたらいいだろ」


 五階層以下なら自律分身でも問題なく戦える。

 でも、トウコのレベル上げも兼ねる。

 魔石も手に入って一挙両得!


「おー、そういうことなら任せてほしいっス! 年末ゴブリン一掃セールっス!」

「セールってなんだよ。売るのか?」と自律分身。


 ゴブリンなんて売れそうもないな。


「さ、店長二号! 行くっスよー」

「おう。暗いからそんな急がなくてもいいぞー」


 自律分身は松明を持ってトウコを追いかけていった。



「さて俺は……たな卸しだな」


 すでに作った装備品は展示ラックにかかっている。

 使いやすい配置に並び替え、痛んだものは【忍具作成】で作り直す。

 修理する感覚だが、実際には作り直している。

 痛んだ品を素材にして、新しい品を作る。リメイクである。


 【修理】のようなスキルもあるんだろうけど、いま俺の習得可能リストには現れていない。

 忍者のスキルとしてあり得ると思うんだけどなー。出てこないかなー?


「釘がちょっと減ってきたな。発注しとこ。あ、着替え用のスペースなんかも作りたいなぁ」

「更衣室ですか? いいですねー!」


「じゃ、木材とかも発注しなきゃな」

「わあ、たすかりますー。ちょっと明るいとうれしいです!」


 俺のダンジョン内は薄暗い。

 松明と発光ゴケの頼りない明かりじゃ、過ごしにくいよな。


「じゃあ明かりも考えないとな。電気は無理だし、松明だと服が燃えたら困るし……考えとく」

「おねがいしまーす」



 一人のときはそのへんで着替えればいい。

 だけど、リンやトウコがいる場合は困る。

 後ろを向いてる間に着替える、なんてことをしているのだ。


 俺には【暗視】があるから暗くても色々見えちゃうんだよね。

 いや、見てない。見てないが!

 ちゃんと後ろを向いて目をつぶっているけど、変な気分になりかねない。


 なぜかリンは実況中継しながら着替えるし……。

 トウコはわざわざ前に回りこんできたりするし……。


 煩悩(ぼんのう)が百八つじゃ足りなくなるわ!


 こうして、拠点を掃除しながら年が暮れていったのだった。

本年はありがとうございました! 来年もよろしくお願いします!

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