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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
四章 副業は公儀隠密で!

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二間十文字槍とニシキヘビ!?

 俺は二間直槍(長いほうの槍)を【忍具作成】で作り直す。

 穂先を十文字にする。


 二間十文字(にけんじゅうもんじ)槍の完成だ!



 作った槍を拠点で確認していると、二人が帰ってきた。


「ゼンジさんいますかー? あ、帰りましたー!」

「ただいまーっス!」


 あれ?

 昼に現地で集合する予定だったんだけど……。


「おかえり。どうしたんだ?」


 急ぐ用事はなかったはず。

 あ、職業を先に取得しておきたいのか。


 御庭と話すのは入社面接みたいなものだ。

 そのときに備えて自分の職業やスキルをちゃんとしておきたいわけだ。

 ちゃんと考えてるね!


 リンは顔を赤らめている。

 ん? どうしたんだ?


「その……ご飯一緒に食べようと思って……」


 考えてたのは別のことだったー!?

 トウコはあくびをかみ殺している。


「リン姉が早く帰ろうって急かすんスよー。ねむいっス……」

「なにか作りますね! あ、もしかしてもう食べちゃいましたか……?」


 体を動かすために多少は口に入れているけど、本格的な朝食は取っていない。


「いや、まだだよ。助かる!」

「よかったー! では、少ししたら私のダンジョンに来てくださーい」

「おう」


 リンは楽しげにクローゼットダンジョンを後にする。



 トウコはシュタっと手を上げる。


「んじゃ、あたしは寝なおすっス。ご飯できたら起こして――」

「――待てい」


 俺は背を向けて出ていこうとするトウコの襟首をつかむ。


「ぐえっ。な、なんスか?」

「なんスかじゃねーわ! スキル振りとか、やることあるだろ!」


「うえぇー!? あたしは朝から槍を突き出してる店長と違ってヘンタイじゃないっス!」

「ヘンタイじゃねーわ! ほら、スキルポイントはいまいくつある?」


 職業はゾンビに固定されてしまった。

 でもレベルが上がったんだからスキルポイントは増えたはず。


「えーっと……。いま、スキルポイントは十あるっス」


 コウモリボスと料理人ボスでそれぞれ上がったんだよな。


「【銃創造】を上げるか迷っていたよな? 足りそうか?」

「今なら足りるっス。――あれ? 七ポイントで四レベルにできるみたいっス」


 トウコは首をかしげている。

 レベル四に上げるには本来、八ポイント必要だ。


「そりゃ、熟練度で一ポイント稼げたってことだろ?」

「え? そんなんあるんスか。はじめてっス!」


 今度は俺が首をかしげる。

 これまで、熟練度が貯まったことがない?


「ふむ……。あれだけ使ってるのにか」

「あー。もしかしてデスペナっスか?」


 デスペナルティで熟練度の上昇分も奪われている?

 うーん。ないとは言えない。


 リンはスキルが簡易モードなので熟練度システムはない。

 でも、トウコは詳細モードだからあるはず!


 ルールがばらばらだと把握が難しい。

 自分のことだけじゃなくて、二人の分も考えなきゃならないから大変だ。


 いや、別に義務じゃあない。

 おせっかいで考えているだけなんだけどね。


「俺の熟練度は死んでも減ってない気がするけど……なんだろうな」

「あたしの場合、死にすぎっスかね?」


「ああ、そうかもな。熟練度が貯まる前に死んでたのかもな?」

「ま、今回はラッキーってことで!」


 トウコは明るく笑う。

 前向きでよろしい!


「そうだな。じゃあ、【銃創造】を上げるんだな?」

「もちろん! ――それでいいっスかね?」


 トウコは空中に指をさまよわせ、途中で止めて俺の顔を見る。


「いいと思うぞ!」

「んじゃ決定っス!」


 トウコが勢いよく空中に指を振り下ろす。

 こっちからステータスウィンドウが見えないけど、スキルレベルを上げたようだ。


「で、どうよ? 新しい銃が出せるのか?」

「んじゃさっそく出してみるっス! ――銃創造!」


 トウコの手が光る。

 魔力が集まって、新しい銃が生み出される。


 現れた銃は――

 金属部分は黒色の塗装。

 グリップは木製。


 いつもの拳銃(SAA)と比べて銃身が短い。

 上部に大きな放熱板(ベンチレーテッドリブ)がついているためにゴツく見える。


 弾倉(シリンダー)もがっしりしている。

 照門(しょうもん)照星(しょうせい)は大きくて狙いやすそうだ。


 ――リボルバー拳銃?


「どうっスか? あたしのマグナムはっ!?」

「……あ、マグナムか!」


 ……といっても、名称まではわからない。

 俺はガンマニアじゃないんだ。


「コルトパイソンっスよー!」

「おお……有名なやつだ!」


「新宿の掃除屋(スイーパー)さんが使ってるやつっス!」

「ゾンビ映画でもよく使われるよな!」


 これはわかる。漫画や映画には詳しいんだ。

 トウコが銃を見せびらかせながら言い放つ。


「そう! いわゆる七五三(しちごさん)マグナムっス!」

「それじゃ子供のお祝いじゃねーか! 三五七(さんごーなな)だろ!?」


 三五七マグナム。

 マグナム弾には種類があって、銃によって撃てる弾丸が違う。


 アゴヒゲのガンマン――怪盗の相棒さんはスミス&ウェッソンのM19を使う。

 これも同じ弾丸――三五七マグナム弾を使う。


 マグナム弾は薬莢を大きくしたり火薬を増量して威力を上げている。

 通常の弾丸より強い。


 マグナム弾を撃てる銃をマグナム銃と呼ぶ。

 聞きかじりの理解だけど、だいたいあってるはずだ。



 もっと強い弾丸に四四(フォーティーフォー)マグナムがある。

 熊も倒せる弾丸だ。


 映画でもダーティーな刑事が四四マグナムで車を撃ち抜いて止めたりしている。

 世界最強の拳銃(マグナムハンドガン)だとも言っていた。


 そして、ゲームでは超強い!

 最強の武器だったりする。



 しかし実際の威力はそれほど劇的な違いはない。

 拳銃としては強いけど――ライフルよりは弱い。

 そんなものだ。


 でも――


「コイツは最強っスよ! 敵はイチコロっス!」

「……ああ、そうだな! マグナムは最強だ!」


 やはりトウコはマグナムを実際以上に強いと考えている。

 これは訂正しない! 思い込みは力になる!

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[一言] マグナム最強伝説!
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