腐女子高生!? ゾンビの力を手に入れたぞー!?
腐女子+女子高生
トウコの第二職業はゾンビだった!
これで、銃使いゲーマー腐女子高生ゾンビになるわけだ。
何者だよ!?
どっちにしろ腐ってやがる!
でも、トウコだって本当はゾンビになんてなりたくなかったはず。
女の子だからな……。
いや、男子でもなりたくないだろうけど。
普通に可愛いものやカッコいいものになりたかっただろうに……。
「職業欄のシューターの下にゾンビって表示があるんだよな?」
「そうっス! 変更できないし、新しいのも選べないっス」
「俺の職業も変更はできない。そうか……」
「どうせならシューターを上げたかったっス……」
リンがトウコの肩をやさしく叩く。
「大丈夫よ。きっとレベル二十になったら選べるからー」
「じゃ、それを目指して頑張るっス!」
「がんばろうぜ!」
「うん。一緒に頑張りましょうねー」
トウコはもう落ち着いた。
それにしても、心配事が増えていくなぁ……。
「あ、ところで疑問があるんだ。ちょっと聞いていいか?」
「なんスか?」
「あの日から第二職業はゾンビになってたんだよな?」
「そうっス。それがどうかしたんスか?」
トウコは当たり前みたいな顔をして聞き返してくる。
でも、おかしいよな?
「あのときレベルが低かったのに、なんで第二職業が持てたんだ?」
「はあ……言われてみればそうっスね?」
デスペナルティでレベルが一まで下がっていた。
第二職業は持てないはずだ。
リンがポンと手を打つ。
なにかひらめいた顔だ。
「あ、わかりましたー! それが、ボスを倒したご褒美だったんですよ!」
「おお! リン、冴えてるな!」
職業そのものがボーナスだったのか!
「げー。ご褒美でゾンビっスかぁー? 微妙っス!」
トウコはげんなりした表情を浮かべる。
リンはフォローする。
「ご褒美なんだから、きっといい職業だと思うなー」
「うーん。罰ゲームじゃないっスか?」
「でも、ゾンビのおかげで死なずにすんだのかもしれないぞ?」
「うえぇっ!? 店長こわいこと言うっスね! でも……そう考えたら、ご褒美っス」
実際どうかはわからない。
でも、いま生きていることが重要だ。
「で、ゾンビの力ってどんな感じだ? スキルとかあるのか?」
「あるっス! なんと【復活】っ!」
トウコは指を立てて言う。
「ふっかつ? すごいじゃない!」
「それは……死んでも生き返れるってことか!?」
つまり、どこのダンジョンでもリスポーン可能になる?
なにそれチートかよ!?
トウコは半笑いで指をもう一本立てる。
「でも、セットで【狂化】もついてくるっス!」
「きょうか? 強くなるのね?」
「それじゃなくて……狂うって書くやつっス……」
強化ではなく狂化。
「バーサーク……狂戦士化みたいなもんか……おいおい」
「え? どういうことですか?」
ゲームやマンガでよくあるやつだけど、リンには伝わってないな。
「まだ使ったことないんスけど、たぶん強くなって暴れるっス! うがー!」
トウコが両手を上げてゾンビっぽいポーズをとる。
そしてリンにじゃれついていく。
ゾンビだから嫌われると心配してたくせに……。
もうすっかり安心したのかよ!?
リンは怖がってはいないけど、ちょっと困っているぞ。
「ちょ、ちょっとトウコちゃん!?」
「うへへー。体が勝手にっ!」
俺はトウコの首根っこをつかんでリンから引きはがす。
「おいおい。理性を保て!」
「うへへー」
ヨダレをたらしながらリンに腕を差し伸べるトウコ。
やめたれ、バーサーカー!
「これはちょっと違うけど……敵味方かまわず暴れる感じだ」
「そっかー。うーん……」
リンは困ったように眉を寄せる。
トウコがふざけるのをやめて続ける。
「ちな、死ぬと【復活】と【狂化】が同時に発動するみたいっス!」
セットの能力か?
俺の【自律分身の術】と【意識共有】もそうだ。
「死なないとメリットが受けられないスキルか……微妙だな」
強力な効果だけど、使いどころを考えなきゃな!
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