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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
四章 副業は公儀隠密で!

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ピザ! コーラ! パーティーだ! そして重大発表!?

 トウコがピザにかじりつき、コーラで流し込む。


「かーっ! やっぱピザにはコーラっスねー!」


 机にコップを叩きつけるように置く。

 コーラがしゅわしゅわと発泡している。


「ビール飲んだおっさんみたいなリアクションだな、おい」

「まあまあ店長。今日はあたしのおごりっス! じゃんじゃん食ってくださいよ!」


 やたら上から言いよる!

 いつもタダ飯食ってるくせにコイツ……。


 俺はピザを一切れ選ぶ。


 さすがにトッピング全種ではない。阻止したからな。

 ハラペーニョ(トウガラシ)とか乗せられたら食えないしね。


 ベースはてりやきチキン。

 これでもかとトッピングが乗せられている。


 俺がリクエストした肉類だな。

 ベーコン、ソーセージ、チーズ……。


「豪華だな。カロリーが凄そうだが……うまい!」


 濃い味付け。とろけるチーズ!


 鳥と豚と牛のコラボ。

 なかよく口の中で舌を刺激する。


 うまいに決まっている!



 リンは笑顔でピザを口に運ぶ。


「おいしいですねー」


 同じもの食ってるのに上品に見える不思議。

 でも結構な速度で食ってるな。



 ひと段落したところで、俺はトウコに向き直る。


「ところでトウコ」

「なんスか? おかわりっスか?」


「足りてるよ。それより、レベル十になったんだよな?」

「やっとっスよぉー! これであたしも一人前っス!」


 デスペナルティで下がってばかりだったからな。


「一人前かどうかはさておき……まずはおめでとう!」

「トウコちゃんおめでとう!」

「あざっス!」


 トウコは笑顔を浮かべている。


 リンはトウコに拍手を贈る。

 少し表情に陰があるような……。


 んん? なんかまずいこと言ったっけ?


「――あ、リンも二十だったな。おめでとう!」

「はい! ゼンジさんも上がったんでしたよね。おめでとうございます!」


 表情が明るくなった。

 ふう。あぶないところだったぜ……。


 リンは忘れられると気にする。

 しかもその場で主張しない。


 トウコが言う。


「じゃあ今日はレベルアップ記念パーティーっスね!」

「俺はキリのいい数字じゃないけどな。十六になった」


「おめでとうございますー!」

「二人ともおめでとうっス!」


 いや、パーティーしてる場合じゃ……。

 悪くはないが、いま話したいのはコレじゃない。


「でだトウコ。レベル十だな? 第二職業はどうする? なにが選べた?」


 本題はこれだ。

 職業をどうするか。


 しかし、トウコの目が泳ぎはじめる。


「あー……それね。選べなかったっス」

「ステータスウィンドウの職業欄を押せば、選択肢が出る。チェックしなかったのか?」


 この反応は……。

 なにかを隠している反応だ。


「チェックしたっス。だけど……選べなかったっス」

「えーと、第二職業が解放されなかったってことか?」


 レベル十で第二職業が得られる。

 俺もリンもそうだった。


「さあ……? あたしは別なのかもしれないっス……」

「職業についてはシステムさんが説明してくれた。個人差はないと思うぞ?」


 レベルやスキルにはダンジョンごとの違いはない。

 職業も共通のルールだろう。


「そ、そうっスかぁ……?」


 トウコが曖昧に答える。


「トウコちゃん。どうしたの?」


 トウコの反応は素直で、嘘はつけない。

 ぜんぜんごまかせていない。


 ……それにしても、なにを隠す必要があるっていうんだ?


「おい、どうした? 怒らないから言ってくれ」

「もしかして、もう職業を選んじゃったの? 好きなの選んでいいのよ?」


 勝手に選んだからって、俺は怒ったりしない。


 職業選択の自由ってやつだ。

 強制なんてしない。


 なにを選ぼうが自由だ。



 自分の職業やスキルを知られることは弱点にもなる。

 でも……隠し事はトウコには似合わない。


 秘密にしておきたいけど、我慢できなくて不自然な態度になっているのかな?


「漫画でよくある――仲間にも能力は教えないってやつか?」

「そういうんじゃないんスよ……なんて言ったらいいか……」


 トウコは言いにくそうにしている。

 隠していても、戦えばわかることだ。

 サプライズで何かやりたいのかもしれない。


 俺はサプライズは好きじゃない。

 事前に対策を立てておきたい。


 でも、無理強いするのは違う気がする。

 誰にだって言いたくないことはある。


 隠し事の下手なトウコがこうまで口をつぐむんなら、なにか理由がある。



 俺は追及を切り上げる。


「どうしても言えないなら無理には聞かないけど……」

「あっ」


 トウコはあせったような表情を浮かべている。

 揺れ動いているのか?


 リンがトウコを見つめながら言う。


「トウコちゃん。やっぱり話したいのよね? 話してみて?」

「ううっ。実は……その……」


 トウコはなにかを言いかけ、うつむいてしまう。

 リンがトウコの手を握る。


「実は、どうしたの?」


 トウコが思いつめたような顔で言った。


「実は……あたしの職業はもう決まっちゃってて――ゾンビなんス。ずっと前から……」

「え? なんだって!?」

「ええーっ!?」


 ゾンビ、だとぉ!?


 俺とリンは仰天した。

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― 新着の感想 ―
[良い点] トウコカワイイwww そしてゾンビwww
[一言] これはアレですね? おまえのようなゾンビがいるか!!
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