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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
四章 副業は公儀隠密で!

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応用技からの応用技! 変わり身槍衾の術!

本日二回目!

 リンとトウコの作戦会議もまとまってきたようだ。

 俺は収納の練習を続けている。


「ゼンジさん……難しい顔してなにしてるんですかー?」

「ん? 考えごととスキルの練習だよ」


 俺は思索を打ち切って答える。


「棒を出したり入れたりされると気になるんスけど!」


 俺は槍を見せる。


「棒ってか、槍だぞ」

「強そうです! 槍でボスと戦うんですかー?」


 俺は首を振って、槍をしまう。


「そうじゃない。重くて振り回すのは難しいし、たぶんスキルは乗らないしな」

「分身に持たせるんスね?」


 俺は頷く。


「まあ、半分正解だ。収納からとっさに出して使えたらいいなと思って。分身に支えさせたりしてな」

「お? なんかテクニカルっスね!」


「振り回すんじゃなくて、出して構えるってことですか?」

「そうそう。向かってくる敵に、とっさに出した槍をぶっ刺すわけ!」


 やってみせるのが早いな。


 俺はなにも持たずに、槍を構えるようなポーズをとる。

 そのまま、収納から槍を取り出すと――


 構えた手の中に槍が現れる。

 穂先が前を向き、すぐに突き刺せる状態ってわけだ。



 【忍具収納】は謎の空間に手を突っ込んで取り出す方式ではない。

 手の中に瞬間的に現れるのがミソである!


 さらに取り出し方も自在である。

 どの部分を持つか。どの向きで出すか。

 イメージ通りに出せるのだ。



 これが、瞬間槍衾(やりぶすま)の術である!


 普通は隊列を組んで何本もの槍を突き出すのが槍衾だけど!

 他に呼び方がわからないので槍衾である!



「おっ! かっけえっス!」


 再度、槍を収納する。


「取り出すまで三秒くらいかかるんでしたよね。その間は動いていても大丈夫だから――」

「その通り! 回避しながら使える。さらに、取り出そうとしてから途中でやめる(キャンセルする)こともできる」


「うっかりポロリはないんスね!」


 なんか言い方……。

 まあツッコまないでおこう。


「相手の突進に合わせれば、槍がお出迎えってわけだ! こんな感じで! ――変わり身槍衾の術!」


 構える。槍を出す。

 さらに分身を出して槍を持たせる。

 俺は飛び退く。


 槍を構えた分身がその場に残る。

 これが一連の動作だ。


 回避と組み合わせて使う。

 応用技をさらに応用したってわけだ。


 分身を置いて飛び退く変わり身の術。

 槍を構える瞬間槍衾(やりぶすま)の術。


 組み合わせて――変わり身槍衾の術!

 槍を持った分身と【入れ替えの術】してもいいね!


「タイミングが難しそうっスね!」

「だから練習してるんだよ。ワニ戦で使いたいが、機会があればコウモリにも使う」


 会話しながら、槍を収納する。


「おおー! 必殺技っぽくていいっスね!」

「ヒーローみたいですね!」


 トウコからは子供みたいなワクワク感。

 リンからは心酔したような熱っぽい視線が贈られる。


「まあ、そういう技があるといいよな。俺の場合は小技の連携が多いけど」


 いろんな術や技の連携である。

 一発で敵を倒せるような大技はないんだよね。


 この技は攻防一体でいいかもしれない。

 なんせ、槍という武器がそもそも強いからな。


 重さやデカさの問題で忍者的な動き(ニンジャムーブ)に適さないだけ。


 【忍具収納】はただアイテムを持ち運ぶだけじゃない!

 攻撃の起点にもできる火力スキルである!



「リン姉は魔法ぜんぶが必殺技っぽいっス!」

「火魔法は全部派手だもんな」


「トウコちゃんはさっきの――うなりを上げて飛べ! スラッグショット! が必殺技ねー!」


 リンはにこにことトウコの必殺技――というか一発芸をあげる。

 トウコはきまりの悪そうな顔で言う。


「そ、そっスね。あれは普段からやるやつじゃないっス……」

「とっておきの必殺技ね!」


 リンが無意識に素直な笑顔で追撃した。

 トウコはごまかすように笑った。



 さっそく黒歴史と化した黒き銃(ダークバレル)さん。

 ホルスターは普通のショットガンで埋まっているので、ベルトに挟んである。

 海賊みたいだな。


 この銃にはスラッグ弾が装填されている。

 この弾は散弾ではなく、一発の大きな弾頭を発射する。

 一発なのでまっすぐ飛ぶし、大きな弾丸は威力も絶大である。


 バックショットが鹿弾なら、こちらは熊弾だ。

 まさに必殺の威力と言える!



「まあ、俺の槍は練習中だから実戦投入はまだかな。さて、準備はいいか?」


 二人が頷く。

 二人で話し合っていた戦い方は問題なさそうだ。


「作戦はバッチリです!」

「リン姉とあたしの戦いぶりを見せつけてやるっスよー!」


 魔力も回復したし、疲れも取れた。

 充分に準備した!


 ――いざ、ボス戦へ!

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