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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
四章 副業は公儀隠密で!

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ポーション玉は作れるか試してみた! ……結果、残念なことに!?

本日二話目!

 ポーション玉とは――ポーションを容器に入れた投げモノだ。


 投げモノは忍具である。

 目つぶし玉や(けむり)玉は文句なく忍具である。


 ポーション(治癒の水薬)は忍具ではない。

 だが、水や砂、ゼリーは忍具ではないが投げモノに加工できる。


 よって、水薬(ゾル)であるポーションも投げモノに加工できるはずだ!



 ポーション玉の材料は、ポーションと空のペットボトル。


 さあ! 世紀の大発明、ポーション玉を開発するぞ!



 これを発表したら……忍具学会が激震することだろう!

 忍具史に残る奇跡の発明品となるかもしれない!


 ないわ、忍具学会なんて。

 なんだよ、忍具史て。



 さて! スキルにイメージを伝える!

 ペットボトル玉の中にポーションの中身だけを充填するイメージ。


 これは忍具……これは忍具……!


「ポーション玉――忍具作成!」


 ――あれっ!?


「ダメだ! 作れないぞ!」

「ええっ!? ダメなんですか……そんなあー」


 リンが落胆した様子で肩を落とす。


 イメージや材料を変えて試してみるが、どうしても作れない。

 ポーション玉は【忍具作成】で作れないのか!?


 頑張れ! 【忍具作成】君!

 君ならできる! できるんだ!


 ……反応なし! 見向きもしない!


「こりゃあムリだ……。ポーションは忍具じゃない。たとえ玉に加工してもダメだ」

「水玉とかゼリー玉はいいのに……どうしてかなあ……」


 リンはしょんぼりしている。

 いい思い付きだったのになぁ。


「ポーションが特殊過ぎるのか? ファンタジーすぎる品物だし……ううむ」

「魔法のお薬だからダメなんですか?」


 魔法か……。

 ポーションは魔法のアイテムと言える。


 だから扱いが違う?


「マジックアイテムだから? んー、ありそうだなあ。だけど【薬術】では薬草を加工できたぞ」

「薬草丸ですね」


 スキルで薬草を加工して薬草丸をクラフトできている。


 ダンジョンで手に入る薬草は、超自然的(ファンタジー)な回復効果がある。


 ただのハーブではない。現実世界の草花とは違う。

 れっきとした回復アイテムなのだ。


「つまりマジックアイテムは加工できる」

「そうですか。――あれ? 薬草丸は【薬術】で作ったんですよね?」


「うん」

「だからですよ! お薬は【忍具作成】じゃなくて【薬術】で作るんですよ!」


 ああ、クスリだからか!

 言われてみれば当たり前だ。


「そりゃそうだよな! たしかに薬を作るのは【薬術】の仕事だ」

「つまりお薬は忍具じゃないんです……」


 ポーションはクスリである。

 つまり【薬術】の領分だ。専門分野だ。


 【忍具作成】君が無能なわけじゃない。

 無理やり作らせようとしてもできないのだ。


 すまんね! 【忍具作成】君!

 流れでなんでも作らせようとしてた!



「そういうことになるな」

「あ、でもそうすると……【薬術】でポーション玉を作れるんじゃないですか?」


「ああ、やってみよう!」

「作れるはずですよね……!」


 リンは真剣なまなざしで俺の手元を見つめている。


 【薬術】ちゃん……頼むぜ!


 しかし、作成可能な薬のリストにポーション玉は現れない。


 なんでよ!? 薬だよ!?

 【薬術】ちゃんの専門分野のはず!


 ……うーん?


 なんとなく【薬術】から申し訳ない雰囲気が伝わってきた。気がする。

 薬だけど作れない。力量不足。


「あー。スキルレベルが足りないかな? 薬草は加工できてもポーションは加工できないんだ……」

「スキルってそういうのわかるんですか?」


「【薬術】ちゃんからそういう雰囲気が伝わってきて――」

「やくじゅつ、ちゃん?」


 やべ。心の中で考えてることがもれた!

 ていうか最近俺、ダダもれだぞ! 忍べ!


「……スキルに集中すると、なんとなく伝わるものがあるんだよ」

「そうなんですねー! 私もシステムさんとわかりあえてきた気がします!」


 システムさんとの理解が深まったりしてるんだ?

 不愛想に思えるタコウインナーさん。


 あれでもマシになってきてるんだろうか。

 ちょっとだけ融通が利くようになってきたかもしれない。



 しかし、システムさんは実際いる。

 対話する機能があるスキルだ。


 薬術ちゃんは……。


「うん……。たぶんそういう感じ……」

「薬術ちゃんは見えるようにできないんですか?」


 うぐぐ。

 リンの純粋な目が俺を追撃している!


 俺の脳内にしかいないよ!

 イマジナリーフレンドだよ!


 アバター機能なんてない!



 ボッチ期間が長すぎてスキルとお話してしまう癖がついたのだ。

 なんなら自分(自律分身)とも対話しちゃうのだ!



「できないなあ……」

「そうですか……残念」


 俺も残念だよ!

 というか残念な奴だよ!

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