表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
四章 副業は公儀隠密で!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

320/1475

ワニ対策を考えよう!

 ダンジョンを出て部屋へ戻る。


「うわっ。もうこんな時間かよ」

「ずいぶん長居しちゃいましたね。中は、ずっと昼間だから時間忘れちゃうんですよねー」

「うえー。帰るのめんどいっス。今日はお泊りで……」


 こちらをチラチラとうかがってくるトウコ。

 結局入り浸るじゃねーか!


 でも、深夜に帰らせるのも危ないか。

 しかたない。


「まあ、こんな時間だしなぁ。いいんじゃないか」

「そうですねー」

「うぇーい! やたーっ!」


 リンが頷く。

 トウコが跳びあがって喜ぶ。


「やめい! 深夜に跳ぶんじゃない!」

「店長もツッコミの声デカいっス!」


 おっと。

 シモダさんコワさに大声が出たわ。

 程度をわきまえんとな!


「トウコちゃん! じゃあお風呂入りましょうかー」

「ういっス! いっぱい汗かいたからベタついてんスよー」


 ダンジョンの汚れは外に出れば消える。

 砂などの汚れは転送門を通れない。

 敵の血は塵になって消える。


 でも自分の汗は消えないからな。


「あ、俺も風呂入って寝るか……ん、どしたリン?」


 リンがずいっと近づいてくる。

 な、なにか?


「すはぁー。いえ、おやすみなさいゼンジさん!」

「……おう? おやすみ」


 なぜ深呼吸!?


 トウコは早くも風呂の用意をしている。

 自宅みたいにくつろぎよる!


「早くお風呂しましょーよリン姉! はよはよ!」

「はーい」


 トウコが脱ぎ始め、いたずらっぽい表情でチラリとこちらをみる。

 それに気づいたリンが一拍遅れて服に手をかけて――


「んじゃまた明日!」


 ――俺は急いで自室へ戻る。

 ひとりで風呂に入って汗を流す。ふう……。



 翌日。

 朝食を食べ、トウコはしぶしぶ学校へ行く。

 リンはオンライン授業だ。


 俺は調べ物をはじめる。


 現実のワニについてだ。

 ワニの足の速さはどれくらいなんだ?


 ふむふむ。


 ワニは種類によるが……二十から四十キロ毎時(㎞/h)

 さらに足の速いワニなら五十キロ毎時(㎞/h)以上か……。


 人類最速のトップスピードなら四十四キロ毎時(㎞/h)ほどだ。

 とうぜん俺は生身でそんな速度は出せない。


 人間の平均は二十キロ毎時(㎞/h)

 とても逃げれそうもない!



 俺は生身では人類最速には到底及ばない。

 もちろん日本記録もムリである。

 当然だ。俺は陸上選手じゃない。


 でもステータス補正を含めれば……。

 普通のワニよりは速く動けるか?

 きわどいところだ。



 環境も不利に働く。


 ぬかるんだ川べりでは足を取られて動けないのだ。

 川の中なら当然、なすすべもない。


 ワニの泳ぐ速度は三十キロ毎時(㎞/h)

 原付バイクの法定速度である。

 勝てるわけねえ!



 水の中では確実に負ける。


 思えば自律分身は水に浸かってたけど、危険すぎたな。

 体を張った偵察だ。

 生身じゃあんなマネはできない。



 さらにワニには瞬発力もある。これは実際見た。

 川から岸に上がってくるのは一瞬のことだった。


 水中で直前まで気配を消している。

 あれだけの巨体でも目立たずに潜んでいる熟練の狩人だ。


 俊敏(しゅんびん)なウサギですら回避できなかった。

 音で察知することもできていない。



 対策をせずに川べりに近づいたら死ぬってわけだ。

 偵察しておいてよかったな。


 川に潜んでいるワニを見つけるのが最初の課題だな。

 見つけないことにははじまらない。


 これは分身で釣りだせばいいだろう。

 自律分身ではなく普通の分身を使う。

 おとりにするには便利な分身よ。


 システムさんを先行させて魔力を探るのもいいな。

 遠くは離れられないが、攻撃される心配はない。

 システムさん、ズルい。



 まずはワニより先にこちらが見つけないと始まらない。

 そして陸に上げる。

 これでやっとスタートラインだ。


 さて、どう戦うかも考えないとな!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ