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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
一章 ステイホームはダンジョンで!

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熟練度を貯めよう! 魔力の上限と限界を知ろう! それからそれから……!?

検証回。……大体いつも検証回。

 さながらタイムアタックのように、洞窟を駆け巡る。


「もう一階のゴブリンは少なくなってきたな……狩りすぎた!」



 熟練度システムを検証していく。

 やることは、ひたすらスキルを使うだけだ。


 スキルを使えば熟練度が稼げる、という仮説だ。

 そうであってほしい……。


 ポイントを振ってスキルレベルを上げる時に、必要な消費ポイントが減る。

 これは熟練度によるものに間違いない。


 ただスキルを使うだけで熟練度は稼げるのか、何か条件があるのか。

 ポイントを使わずに熟練度だけでスキルレベルが上がるのかを確認したい。



 優先したいのは【分身の術】と【壁走りの術】だ。

 どうせなら、忍術だよね。



 【分身の術】には魔力消費がある。


 だから、いくらでも使えるわけではない。


 疲れるまで出して、休む。

 コストのあるスキルは計画的に使っていこう。


 魔力を限界まで使っていけばいい。

 使わないで無駄になるのはもったいないしね。


 スマホゲームで自然に回復する行動力を使い切りたい病みたいな。

 回数制限があると、使い切りたくなってしまう。

 損した気がするのだ。



 魔力は自然回復する。

 今のところ俺の魔力が切れたことはない。


 時間経過で回復するのだと思うが、まだ検証できていない。


 限界まで使ったことがないからだ。

 だから上限や限界がわからない。


 魔力は曖昧(あいまい)なもので、数字で見ることはできない。

 ステータスウィンドウに項目がないのだ。


 試しにステータスの「魔力」をタップしてみても反応はなかった。

 体感はある。疲れに似た感覚だ。



「よし! 熟練度稼ぎしつつ、魔力についても調べよう!」


 一挙両得だ!


 では、さっそく――


「分身の術! ……分身の術!」


 次々と分身を生み出す。

 といっても、素早く連続して出せるわけではない。


 数秒……2秒に一度くらいの間隔が必要だ。

 ゲームでいう再使用可能(クールダウン)時間にあたる。


 分身は5秒ほどで自然に消える。

 これは持続時間とか効果時間だ。


 連続で分身を生み出せば、短い時間だが二体の分身が出ていることになる。


 つまり、多重に発動することができる。


 便利に思えるのだが……。


 ゴブリンには分身一体で十分。

 コウモリには実体のない分身は通用しない。


 いまのところ多重発動しても、活かせる状況がないんだよな……。


 分身をワラワラと出して、敵を翻弄するような使い方がしたい!


 早く貯まれ! 熟練度!



「うっ……。ちょっとキツくなってきたな」


 【分身の術】を連続で十数回出したところで、疲れを感じ始める。


 普通の疲労感とは違う。


 集中力が切れてくる感じに近い。

 頭がぼんやりして、体に力が入らない感じ。


「これが……魔力が減る感覚か。もうちょい……分身の術!」


 疲労感が増す。頭痛がしてくる。


「……ぶ、ぶんしんの術っ」


 目の奥がチカチカしはじめる。

 ……眩暈(めまい)がしてくる。


 これ以上やるとマズイ、かな?

 魔力を使い切るとどうなってしまうんだ?


 限界まで使い切ると、魔力の上限値が上がる、なんて期待もあるが……。


 気絶する?

 最悪は死ぬおそれもある。


「ぶん……やめよう。休憩!」


 限界を超えてはいけない。

 無理のし過ぎは死を招く。

 寝不足で働くとミスをするのは仕事と同じだ。


 壁にもたれて休む。

 立ったまま休もうと思ったが、思いのほか具合が悪い。


「ちょっと無茶しすぎたな。ふう」


 座り込んで、じっと耐える。



 ダンジョンで気絶したら簡単に死んでしまうだろう。

 ゴブリンといえど、寝ていては勝てない。


 頭痛や眩暈のひどい今の状態ですら、怪しいものだ。

 機動力がウリの忍者が、ふらついていてどうする。


 幸い、ゴブリンは狩りつくしたはず。

 今は安全だ。


 【隠密】系は常時発動している。

 発見される心配も薄いだろう。


 ゴブリンが湧く頻度がどれくらいかはわからない。

 突然目の前に湧いたことはない。


 うーん。これも前から気になってたんだけど。

 ……後回し。優先順位は低めだ。


 いきなり目の前に強敵が湧くなんてことはないはずだ。

 一階層にはゴブリンしか出ないからな。


 安全を確保しながらじゃないと、先へは進めない。



 俺には助けに来てくれる仲間なんていない。

 現実は非情である。


 偶然、誰かが助けてくれることもない。

 このダンジョンは俺専用……のはずだ。


 ダンジョンの中に出会いは求められない。

 助けてくれる美女は現れない。


 ……どうせなら美女に助けられたいなあ。


 現実は……。

 休憩が終わっても、美女は現れなかった。



 ……いま、なにか頭をよぎったな。


「うん? 何か思い出しかけたが……なんだっけ」


 考えることがありすぎて、整理できてないな。

 そのうち思い出すだろう。


 とにかく、魔力については少しわかった。


 魔力は、使い過ぎると具合が悪くなる。

 連続して使うほど、そうなる。


 急性魔力中毒のようになるんだろうか。

 新入社員が飲み会で倒れそうな感じ……。



 魔力が回復するまで【分身の術】は保留。

 コストのない術に切り替えていこう。


 【壁走りの術】にはコストがない。


 偉大な先輩忍者達の修行のように、走り込みしてみるか!

 布を垂らさず走るという、伝統芸能を今!


 走るのは壁だけどね!

活動報告も毎日書いています!

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― 新着の感想 ―
[一言] 次の日の食い物は貰ったのかな?
[一言] 前の話しと同様。 検証回とか言うなら、最初にやるのはマフラーの有効性の確認でしょ。 無駄な物を作って、無駄なスキルを取ったかもしれないんだよ。 それをしないでグダグダと他のことをさせるのは何…
感想一覧
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