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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
四章 副業は公儀隠密で!

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エリア越しの攻撃は有効か? ……試してみた結果!?

 第四エリアと第三エリアの境目にやってきた。

 充分に離れているので第五エリアに銃声は届かない。


 第四エリアと第三エリアは乾季のサバンナだ。

 霧雨に濡れた体はもうすっかり乾いている。


 境目の向こうにウサギが見えている。

 エリアを超えてもモンスターは見える。


「さっそくハメ技を試すっス! うらっ」


 トウコが銃を発射する。

 命中。


「キュウッ!」


 撃ち抜かれた角ウサギが倒れ、宝箱に変わる。


「お、ちゃんと攻撃は通るな」

「ほかのウサギさんは逃げていきますねー。音も聞こえているみたいです!」

「ってことは、外から撃ってもバレるっスね! ちぇー」


 エリアの外から気づかれずに撃ち続けるハメ技はダメってことだ。

 音でバレる。


「ウサギだと逃げてくから確認できないな」

「スライムならおびき出せるっスかね?」

「あっ! スライムさんなら、あそこにいますよー」


 リンが示したスライムを分身で釣りだす。

 近づいて、あとは逃げるだけ。


 こちらに気付いている敵がエリアを超えられるかを確認するのだ。


 俺の操作する分身がエリアの境界線を越えて逃げていく。

 スライムはそれを追う。


 スライムは境界線に向かって進み――通過した。


「あーっ! 境界を通ったっス!」

「あら……ズルはできないんですねー」

「ハメるのは無理か。しゃあないな!」


 スライムが分身の体に這い上がろうとしたところで、術を解除する。

 スライムはぼとりと地面に落ちる。


 俺たちは少し離れた位置にいるので、スライムには気づかれていない。

 スライムはその場で動かず砂に擬態するように地に伏せる。


 薄く平たくなって、地面の砂と混ざってしまう。

 もう、よく見なければわからない。


「へえ、そうやって潜むのか……」

「すごいですね。スライムさん。魔力の反応も弱くなってます」


「せっかくだから撃ってもいいっスか? やっちゃってもいいっスよね!?」


 トウコがショットガンを手に訊ねる。


「いいけど……言い方! サイコパスキャラかよ!?」


 ひひ、コイツ()っちゃってもいいよね? ヒャッハー! みたいな聞き方ですよ!?


シャッガン(ショットガン)なら、核が見えなくても一撃っスよ! うらっ!」


 トウコが手にしたソードオフショットガンが火を噴いた。

 派手な銃声。


 小さな複数の(ペレット)が飛び出して、砂に潜んだスライムに突き刺さる。

 切り詰められた銃身のおかげで、広い範囲に弾が拡散する。

 砂煙が舞う。


 核の位置がわからなくても、面で攻撃する散弾の威力はスライムを倒すのに充分だった。

 スライムが塵に変わる。


 トウコが撃ち終えたショットガンをくるくると回転させる。

 回転を止めると銃を折る様にして排莢した。

 空のショットシェルが押し出されて後方へ飛んでいく。


「トウコちゃんすごーい!」


 リンが拍手を送る。


「おお、ショットガンかっけえな!」

「へへー! やっぱ強いっスよねー!」


 分身にスライムが落とした宝箱を拾わせる。

 中身は――


「――ショットガンの弾だな。一発か」

「そうなんス。ショットシェルは一発しか出ないんでコスパ悪いんス」


 トウコは拾い上げたシェルを装填する。

 中折れ式だ。

 上側からシェルを装填すると、トウコは折った銃を元に戻す。

 これで再度発射できるわけだな。


「一匹倒して、弾が一発か。増えないんだな」


 確かにコスパは悪い。

 だが強いからヨシ!



 リンが残念そうにため息を吐く。


「ズルはできないんですね……」


 エリアチェンジを利用したグリッチ(ズル)は無理だった。

 ワニをハメることはできないだろう。

 エリアを越えて追ってきて、全滅する可能性がある。


「いきなりワニで試さないでよかったな!」

「思いついただけでやらないっスよ! ちゃんと相談したっス!」


 トウコはドヤ顔だ。


「やる前に口に出したのは成長したな」

「えらいね、トウコちゃん!」

「でしょでしょ!」


 トウコはさらに腰に手を当てて鼻を高くした。


 普通にしただけで褒められているんですけどね!

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