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三つの情報! リアダンが伝えようとしていたこととは!?

 御庭からの情報。システムさんの情報。リヒトさんの情報。

 この三つが繋がった!


 あのとき俺は、リヒトさんにアイテムの持ち出しについて質問した。

 リヒトさんの情報だけではわからなかったことが、今ではわかる!


 あのときの返答は――


 ――さて、もしアイテムを持ち出せたらですか。

 ――アイテムの持ち出しは慎重にしないといけませんね。


 ――おっしゃるように回復アイテムを持ち出せたら便利です。

 ――でも便利すぎて、世界のバランスを崩してしまうかもしれません。


 世界のバランスを崩す……。これだ!


 世界はそれを嫌がる。

 異物であるダンジョンを嫌う。


 ダンジョンから産出するアイテムやスキルによる加工品。

 これを外に持ち出すのはご法度(禁則事項)なんだ。


 その方法を探っていた俺には強く認識阻害がかけられたのかもしれない。



 ――バレたら大変なことになってしまいますね。

 ――ましてや、売ってお金にするなんてことは……オススメしません。


 リヒトさんはオススメしないと言っていた。

 ぼかして言っているが、これは追放(パージ)のことだ。

 ハッキリ言うと禁則事項に触れてしまうんだろう。


 重要なことを教えてくれていたのに……隠蔽め!



 あのあと、リヒトさんはなんて言っていたっけ?

 頭痛がひどくなって、文字が読めなくなったくらいだ。


 思い出せ……。



 ――もう何日も書き込みがありませんが、無事でしょうか?

 ――先日書いたように、ダンジョンの品物を持ち出したり売ろうとしたりしているのでしょうか。

 ――今の段階では■■■■■■■■■■■しません。


 オススメしない、みたいなことが言いたいんだろう。



 ――まずはダンジョンの深層を目指してください。

 ――最初の目標は一定の階層の攻略です。

 ――そうすれば、より■■■■■が得られます。


 管理者権限とか、認識阻害への耐性みたいなことかな?

 読めなかった部分の文字数はなんとなくなのでアテにならない。



 ――僕のダンジョン名は「リアル・ダンジョン」です。

 ――ブラッククロウさんのダンジョン名を教えてください。

 ――いつか■■■■■■■■■■ます。


 ダンジョン名を教えるといつか、なにかをする?

 俺は「クローゼットダンジョン」だと答えたな。


 ダンジョンの名前なんてものがあるとしても、俺はそれを知らないけど。

 勝手に呼んでる名称にすぎない。



 ――■■が強くなってきていて■■■■■■■■■■かもしれません。

 ――無事でいればいいのですが。


 これは「隠蔽」だな。隠蔽の認識阻害が強まっているってことだ。



 俺は思い(いた)ったことを二人に伝える。


 ……トウコはあまり聞いてない。

 銃を二丁出してガンスピンの練習をしている。


 飽きちゃったんだな……子供か!

 ま、もうちょいまとまったら伝えればいいや。



 俺の話した内容をリンが聞き返す。


「えーと……ダンジョンの一定の階層を攻略すればなにかを得られるってことですか?」

「うん。そうだと思う。ダンジョンの奥には管理者権限を持つ者がいる。たぶん――ボスモンスターだろうな」

「それをやっつけて、権限をもらっちゃうんですね!」

「そう! きっと、倒せば管理者権限が得られるんだ。システムさんへの質問も答えてもらえるはず!」


 リンはうーんという感じで首をかしげる。

 かわいいな、おい!


「でも一定の階層って、どれくらいでしょうか?」

「わからん。五階層のボスは倒したけど、管理者権限はもらえてないと思う。そういうアナウンスはなかったな。体感もないし、ステータス上も表記はない」


「システムさん。ゼンジさんは管理者権限を持っていますか?」

<クロウ ゼンジは管理者権限を持ちません>


「このダンジョン以外の管理者権限も持っていませんか?」

<不明です。または、権限が不足しています>


 このダンジョンとクローゼットダンジョンは別モノだ。

 無理だろう。


 それとも根っこで繋がってたりするのかな?


 システムさんもこのダンジョンに紐づいているわけじゃないはず。

 リンのスキルだ。リンに紐づいている。


 今いるこのダンジョンに情報を問い合わせているのかもしれない。


 仕組みを想像はできても、答えはわからないな。



「たぶん、俺は管理者権限は持ってないんだろうな」

「そうみたいですね」

「なんだか、店長たちの話してることはぜんぜんわかんないっス! 頭痛くなるっス!」


 お、トウコが混ざってきたぞ。

 認識阻害もなしに頭痛になりかけている。


 考えすぎて疲れてくるな。

 謎が解けてきて楽しいけど!


「まあ、やることは同じだよ。ダンジョンに潜って攻略する!」

「へえー。それならわかるっス!」


 結局、俺のやることはダンジョンに潜ることだ。

 深く潜って、ボスを倒す。

 管理者権限を得ればもっと情報が得られる。

 たぶん、力も。


 思えば五階層のボスを倒したときもご褒美があった。

 ダンジョンボスの初討伐のクリア報酬だ。


 分身で宝箱を開けたせいで妙なエラーが起こったけど、アレが報酬だ。

 【自律分身の術】【意識共有】を手に入れたんだよね。


 十階層とか二十階層にもボスがいるに違いない。

 それを倒していけば、どこかの段階で管理者権限が得られる。


 俺たちはダンジョンを攻略してボスを倒す。

 それが目標ってことだ!

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― 新着の感想 ―
[一言] 冷蔵庫ダンジョンをクリアしたけど、管理者権限を持ってないと言うことは、ブッチャーはボスではあるけど管理者ではないということか。
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