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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
一章 ステイホームはダンジョンで!

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第三階層の偵察結果を報告します! 見えてきた課題!

なんだか報告書を書いている感じになってしまった。

偵察結果のまとめだから、どうしても表現がかたくなってしまう。

 隠れて調べるのが偵察で、戦闘や攻撃もしかけるのが威力偵察だ。

 今回は戦闘もしたので威力偵察をしたことになる。


 結果、いろいろとわかった。


 まず地形。

 これまでの階層との違いが大きい。


 三階層はドーム状の広い空間になっている。

 全体を把握できたわけではないが、

 外周部分については、様子がわかった。


 壁沿いに進んだ範囲では、広い空間が続いている。

 他の空間へつながりそうな通路は見当たらなかった。


 床は平らで、歩いたり走ったりに支障はない。


 大小の岩が積み重なっていたりする。

 落盤があったのだろうか。

 充分な高さがあるので、身を隠すことはできそうだ。


 鍾乳石もみられる。

 天井にはつらら石、床からはタケノコ状の石筍がある。

 そういう場所は水が滴っていて、すべりそうだ。


 飲む勇気はないが、一応水もある。

 天井から滴った水がたまっている箇所や、川のように小さな流れになっている。

 ごく浅い流れなので、潜ったりすることはできないだろう。


 明るさは二階と変わらない。天井は光源が少ない。

 壁や床には発光植物やキノコがあり、ぼんやりと明るい。


 【暗視】をオンにしているので、暗いことは問題ない。

 ただ、白黒の視界になるために目が疲れてくる。

 普段と違う見え方をするので、戸惑う部分もあるのだ。


 天井は高い。

 【壁走りの術】で登ることもできそうだが、10歩ほどの範囲では天井にたどり着けないだろう。

 天井には鍾乳石やでこぼこがある。

 カーテン状に成長した鍾乳石などもあって、見通しは悪い。


 ぶら下がっているはずのコウモリを見つけにくい。

 理由は天井の高さ、白黒視界、鍾乳石が視界を遮ったり、紛れるためだ。


 二階層では簡単にコウモリを見つけることができた。

 飛び立つ前に攻撃すれば数を減らして戦うことができる。

 ここでは天井の高さもあって、不意打ちが難しい。


 広い空間のせいか、最初から飛んでいるコウモリもいる。

 ここがコウモリのホームグラウンドなのかもしれない。


 ゴブリンもコウモリも、多少は強くなっている。

 だが戦って勝てない相手ではない。


 ないんだけど……。

 地形のせいで、戦いにくいんだよな。


 通路と部屋で区切られていた二階層との違いが大きい。

 このせいで、隠れて敵を各個撃破していく方法がとれない。


 広い空間だから、戦っている間に別の敵に発見されてしまう。


 先ほどコウモリに奇襲されたのも、ゴブリンと戦っていたときだ。

 全方位を同時に警戒することは難しい。


 【危険察知】がなければやられていた。

 やはり身を守るスキルは取っておくに限る!



「結局、ネックになるのはコウモリの探知能力だよなあ……」


 俺の【隠密】系能力や【分身の術】などの隠れるスキルが通用しない。

 発見されずにこの階層を突破することはできない。


 対策を考えなければ!



 中央部分については調査できていない。


 遠目に動いている何かが見えたが、明確にはならなかった。

 サイズ的にはゴブリンだと思うが……保留にしておく。


 二階層からの階段は壁面にあったので、下層へ向かう階段も壁面にあるはずだ。

 そうであれば、無理に中央部分を調査する必要はないだろう。


 階段が壁面にある保障はない。

 床に穴が開いていて、そこが階段になっていることもありうる。


 これまでの階段は壁面にあったので、同じだと思いたい。

 そうじゃないと発見しにくい。

 床にはおうとつがあるため、見通しが悪い。

 広いフロアを歩き回って探すのは面倒だ。



 偵察はこれで十分だ。

 二階層に戻ろう。



 手裏剣の残弾も乏しくなってきたし……。


 いつもなら回収してリサイクルするのだが。

 ここでは難しい。

 広いフロアのどこかに、手裏剣は飛んでいってしまう。


 無理して拾うのはあきらめた。

 見つけたものだけ回収したから、良しとしよう。


 数十円の釘だし、気にしない。

 でも気になってしまう。

 貧乏性である。


 でも魔石は回収したい!


 これは結構、頑張って探した。

 それでも三階層で拾えた魔石は10個ほど。


 倒した数と魔石の数は合わない。


 コウモリの魔石のいくつかは、倒してすぐ拾う余裕がなかったから見失ってしまった……。


 なんか、腹立つな!


 テレビゲームじゃないので、自動的にアイテムが回収されたりはしない。

 しかたないことだけど……。


 敵は多少強化されたけど、魔石の見た目は変わらない。

 ゴブリンのは赤黒く、コウモリのは黒っぽいのも同じだ。


 魔石を稼ぐという意味では二階層でコウモリ漁をしたほうが早い。

 ひたすら二階層を周回するという手もあるが……。



 無事に二階層まで戻る。

 モノリスに魔石を投入しておく。


 残ポイント

 ------------------------------

 ゴブリンの魔石:4(増加)

 コウモリの魔石:51(増加)

 汎用ポイント:0(減少)

 ------------------------------



 とりあえず引き換えはしない。

 貯金しておこう。

 二個目の治癒薬を確保したいからな。



 一階の出入口部屋に戻ってきた。

 この部屋のことは拠点と呼ぶことにする。


「ふう。拠点に戻ると落ち着くな」


 腰袋に棒手裏剣を補充する。

 五寸釘を減らして、三寸釘を多めにしておく。


 在庫はあるけど、あとでネット注文しておこう。

 なにしろ安いからな。ケチってもしかたがない。


 腰袋とナタを外して、収納箱へしまう。

 アパートの部屋に置いておくと、狭い部屋のスペースをとって邪魔くさいのだ。


 バットは部屋に持ちかえる。


 ダンジョンへ入るとき、拠点部屋にゴブリンが湧いている可能性もあるからだ。

 ゴブリンくらい素手でも倒せるだろうけど念のため。


「こいつも、傷んできたな……」


 ゲームで武器が壊れたり使用回数がある設定は邪魔なものだ。

 その要素いる? って思うんだけどね。

 だけど、武器を使っていけば壊れてしまうのは仕方がないことだ。


 もう相棒のようになっているこのバット。

 安物の金属バットとはいえ、愛着がわいてしまった。


 なんとか補修して使っていきたい。


 有刺鉄線でも巻きつけて名前でも付けようか。

 革ジャンも着て。

 有名な悪党バットキャラみたいにね。


 名前なんてつけないけどね。

 いや、名前つけるとか……ないない。

 バットしか友達いないみたいになっちゃう。


 バットを振り回しているせいで、手のひらにはマメができている。

 筋肉痛もひどい。

 かすり傷といえど、ケガも増えている。


 ここらで治癒薬を使ってしまいたい……!


 しかし、ダンジョンの外に出られなくなるのはいやだ。

 まだ、使う勇気はない。


 今日はやめておく。


 安全第一である。

報告書を提出された優しい上司の気分で、ブクマ・評価をお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] とりあえず頭部装甲の見直しですな 鉢金は忍者っぽいけど額以外防御力ないのがな…
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