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曖昧で、秘密で、非公式な組織について聞いてみた! その2

本日二回目!

 御庭たち公儀隠密は、政治や個人のためではなく、人々を守るために働く。

 主張を信じるなら、悪い団体ではないようだ。


「なるほど……。特定の個人の下にある組織ではないんですね。……そうでなければ総理や省庁のトップが変わるたびに影響を受けてしまうから、ですね?」

「そう! さすがクロウ君は察しがいい。だから僕らは秘密組織なんだ。忍者っぽくていいだろう?」


 御庭はいたずらっぽく言う。


 正体の明確な忍者って、違和感あるもんね。

 陰で暗躍してこそ価値があると言える。


「たしかに忍者っぽいですね」

「忍者は僕らのチームだけで、他は違うけどね。でも僕もすべてのチームを知っているわけじゃない」


 特異対策課には複数のチームがあるんだったな。

 チーム間で密接な関わりはないってことかな。


「ほかのチームのことを知らない……? つまり、横のつながりがないんですか?」

「ゆるい繋がりはある。それぞれ独立した団体と考えるほうがいいね。役割も違う」


 御庭のチームはダンジョンと異能者を主に扱う。

 他のチームはまた違う役割を持っている。

 ちょっと興味はある。


「他のチームにはどんな役割があるんですか?」

「知りたいかい?」

「そうですね。まあ、興味がある程度のことですが」


 直接に関係あるわけではないだろうけど、聞けるときに聞いておこう。


「うん。それじゃあほかのチームについて説明しよう。たとえば自国内への内偵(ないてい)。国外への諜報(ちょうほう)防諜(ぼうちょう)部隊。まあ、スパイみたいなものだよね。異能犯罪への対応部隊なんてのもある。これは警察あがりのメンバーが多い」

「……思ったよりも幅広いですね」


 CIAとかMI6みたいな、情報機関の仕事。

 それプラス、異能って感じかな。


 御庭は面白そうな顔をして言う。


「そうだろう? さらには霊能力者部隊とか暗殺部隊なんてのもあるらしいよ! そっちについてはよく知らないけどね」

「霊能力者……?」


 なんかうさんくさい……。


 俺の表情を見て、御庭が続ける。


「ほかのチームはいろいろってことさ。基本的に僕らはチーム単位で動く。クロウ君が僕と働いてくれるなら、他のチームのことは気にしなくてもいいよ。余計なしがらみは僕の担当だね」

「はい……。つまり、俺はスパイや警察の真似事はしなくていいってことですね?」


 俺ははっきりと明言しておく。


「もちろんだよ! 暗殺者になれなんて言わないさ」


 御庭はうんうんと頷いている。


「それはよかった。俺はダンジョンだけでお腹いっぱいなんです」


 俺はダンジョンに潜りたい。

 悪性ダンジョンの被害……トウコのような被害者を出したくない。


 国を守るとか、犯罪者を取り締まるとか……。

 ましてやスパイや殺しなんてきな臭いことはやりたくない。

 軽い気持ちで仕事を引き受けて、やりたくないことをやらされるのは困る。


 ブラック労働を卒業したのに、ブラック忍者稼業とかイヤである!


「これで、組織については理解してもらえたかな?」

「はい。組織(特異対策課)についてはわかりました」


 だいたい分かった。

 組織としては他にもチームがある。だけどあんまり関係ない。


 俺に関係あるのは御庭のチーム、公儀隠密だけだ。

 そこで気になるのは、公儀隠密がどういうチームかだ。

 一緒に働く人のことは知っておかないとね。


 同僚ガチャ、しくじりたくないよね。


「――ところで、公儀隠密は()()()()()なんですか?」


 俺が問いかけると、御庭が食いついてくる。


「クロウ君! よくぞ聞いてくれた! それこそが君をスカウトしたい理由なんだ!」

「は、はあ……?」


 急に熱量(テンション)が上がったな。どうした御庭!

 なんか、熱い感じで語りだしたぞ。


 なにか、変なスイッチを押してしまったか……?

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