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朝練! 力が欲しいか……!?

 早朝。俺は目が覚めた。

 昨日は大変な一日だった。


 普通なら今日はゆっくりするところだ。

 だが逆に! 俺はやる気である!


「よっしゃ! 朝練だ!」


 あり余る情熱を発散せねばなるまい!


 俺はひとりでクローゼットダンジョンに飛び込んだ。



 ストーカーのときからわかっていたが、俺たちのほかにもダンジョンを持つ者がいる。

 御庭たちや大河さんたちと出会った今、危機感は強まった。


 もし戦ったら、どうなる?

 勝てる気がしない。どちらのグループにも俺は勝てない。


 それに、御庭は敵がいると言っていた。

 他の異能力を持つ者。悪用する者、犯罪を犯す者。


 ストーカーもその一人だ。能力を悪用する者。

 あのときよりも俺は強くなった。

 だけど、再戦しても勝てるかはあやしいところだ。



 この現実世界では、待ったは効かない。

 冷蔵庫ダンジョンのように死んでも復活できるはずもない。


 俺には守るべきものができた。

 リン。トウコ。


 俺のこの手が届くのは、せいぜい一人か二人。

 ひとり救うのだって、やっとなんだ。


 店の仲間や、顔見知り。善良な人達……。

 危険が迫っているなら、やっぱり放ってはおけない。

 どこまでやれるだろうか。

 世界や国なんて、とうてい無理だろう。


 まずは自分の大事な人と、生活だな。



「俺は、守れるだろうか……」


 守るものがあれば強くなれる、とよく言う。

 だが、実際には逆だ。

 守るものがあれば弱くなる。弱点になる。


 ひとりであれば逃げることもできる。

 でも、大事なものを置いては逃げられない。



 ――力が必要だ。守るための力が!


 ならばくれてやろう……と言ってくれる相手はいない。


 俺にはお手軽なチート能力も無双の力もない。

 すごい血筋もない。

 高名な師匠もいない。


 両親は普通の人だし、仕事でさえ誰も教えてくれなかった。


「――でも、ダンジョンはある! となれば、鍛錬あるのみ!」


 できるかぎり、地力を上げる。

 そして策を(ろう)して、準備を整える!


 平穏なスローライフを送るために、ハードワークする。

 実にやりがいがあるね!



「そういや、ステータスはどうなったかな? トウコに経験値を食われたから減ってるはずだが……」


 ――レベルは13だ。


 下がっていない。

 ボスを倒したから、そこで上がったのかも。


 戦闘中や忙しいとき天の声(アナウンス)は遅れてくることが多い。

 ……もしかして、なにか条件があるのか。


 戦闘終了後にバタバタしてすぐに脱出してしまったからな。

 聞き逃していたのかも。


「ということは、レベル14は近いぞ! それに熟練度でスキルレベルも上がっている!」


 【受け身】【フルスイング】のスキルレベルが向上していた!

 今回は、かなり使ったからな。


 冷蔵庫ダンジョンの中で【回避】も上がっていたし、豊作だ!


 死亡での経験値ダウン(デスペナルティ)のせいで、レベルは変わっていない。

 だけど熟練度での成長はできたな!


 レベルだけが強さじゃない。


 それに、命がけの戦いは俺を大きく変えた。

 (ライフ)投げ打つ(スロー)覚悟での戦い……。

 スローライフだな。


 自律分身のフィードバックで近いことはできるとはいえ、実際に死ぬ経験はなかなかできない。

 いい経験をしたと思おう。

 ……そうそう何度もしたい経験じゃないけど。



「まあ、いつも通りだ。安全第一でいくしかない!」


 俺のダンジョンでは復活は保証されていない。

 死んだらそれきり。その前提で潜っている。


 リンのトイレダンジョンも同じだ。

 ダンジョンのルールは、みんな違っている。


 死んで復活できるかを試してみる勇気はない。

 ダンジョンのルールを知る方法があればいいんだけどなぁ……。



 そんなことを考えながら準備を整えた。


 いつもの忍び装束。

 背中には頼りになる相棒――忍者刀(ルーシー)

 潤沢な投げモノ。


「よし、準備万端! 今日は【体術】を鍛えるぞ!」


 俺は、熟練度でのスキルレベルアップが近そうな【体術】をメインにしながら、ダンジョンを駆け抜ける。


 壁を走り、跳びまわる。

 疾走する俺を、敵は止められない。


 ゴブリンを蹴散らし、コウモリを撃ち落とす。


 安全な階段で【瞑想】して魔力を回復できるから術も連発していける。

 ところどころに用意してある補給物資で手裏剣などの弾切れもない。


 敵を次々と塵に変え、魔石を回収してまわる。

 やはり、自分のダンジョンはやりやすい!


 ささっと、いつもの宝箱回収ルーティンを終える。


「いい汗かいたぜ!」



 狙い通りレベルも上がった!

 【体術】もバッチリだ!


 ----------------

 名前 : クロウ ゼンジ

 レベル: 14(上昇)

 筋力 : C

 体力 : B

 敏捷 : B+

 知力 : C

 魔力 : C

 生命力: C


 職業 : 忍者、中級忍者

 スキル:

  【忍術】

   【壁走りの術】2

   【分身の術】4

   【薬術】2

   【忍具作成】3

   【忍具】1

   【体術】2(1から上昇)

   【毒術】2

  【中級忍術】

   【判断分身の術】1

   【入れ替えの術】2


  【隠密】

   【隠術】2

   【消音】2

   【致命の一撃】2


  【暗殺】2

  【投擲】2

  【歩法】2

  【身体強化・敏捷力】1

  【身体強化・筋力】1

  【身体強化・体力】1

  【暗視】2

  【回避】2(1から上昇)

  【受け身】2(1から上昇)

  【危険察知】1

  【跳躍】2

  【軽業】2

  【瞑想】1


  【打撃武器】1

   【打撃武器・威力強化】1

   【フルスイング】2(1から上昇)


  【片手剣】1

   【片手剣・威力強化】1

   【ファストスラッシュ】1


  【エラー】

   【自律分身の術】

    【意識共有】


 (残ポイント:11)

 --------------------



「残ポイントも貯まって来た! 【分身の術】特化のための貯金をするか、新しいスキルを取るか。……悩むぜ!」


 長所を伸ばした一点突破も欲しい!

 すぐに使える新技も欲しい!


 選べる楽しさよ!

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― 新着の感想 ―
[一言] 朝ごはんに呼びにクローゼットに入ってきたトウコとまだ装束をといてない店長が出会って ニンジャなんでー!をやって欲しいなー
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