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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
一章 ステイホームはダンジョンで!

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クローゼットダンジョン・第三階層。偵察!

階層更新、バトル展開!

 モノリスから治癒薬の小瓶をゲットした。

 これが想像通りのモノなら、多少のケガを恐れずにダンジョン攻略ができる。


 しかし、ちょっと考えてみたい。

 薬草や水、食料と同じ心配がある。


 ダンジョン産の物品は外に持ち出せない。

 魔石で確認済だ。

 では、食べ物を体内に取り入れたらどうなるのか。


 体内にあるうちは外に出られない、というのはギリギリ許容範囲内だ。

 消化されるか排泄されたら外に出られるだろう。


 では、消化吸収したあとはどうなる?

 ダンジョン産の栄養が体に取り込まれるということだ。

 そうすると、俺の体の一部が「ダンジョン産」と判定されてしまうのでは?


 これはアウトだ。

 非常に細かい単位で判定されたら、二度と現実世界に戻れない。


 人っ子一人いないこのダンジョンで死ぬまで暮らすのか。

 せめて異世界転生なら現地人がいるのに。


 ゴブリンと仲良く暮らすダンジョン生活……うーん。

 楽しくなさそう。


 よほどこの世に嫌気がささないと、そんな生活は嫌だな。

 かなりの世捨て人感だ。


 今の俺も、ほとんど世間から隔絶(かくぜつ)した世捨て人な気はするが。

 この数日、オトナシさんとしか話してないじゃないか。


 オトナシさんとの朝の会話のために外に出てる感はある。

 それがなかったら、どんどんダンジョンの奥へ潜っていただろう。


 ダンジョン永住ってやつだな。

 このダンジョンがどれほど深いのかはわからない。

 奥に行けば住みやすい場所もあるかもしれない。


 居場所のない現実より、いくらかマシか。

 食糧問題が解決してしまえば、ダンジョンに住むという選択肢も出てくる。


 そうなれば、家賃なんて払わなくていい。

 外で働かなくたっていい。

 経済的問題も解決する。


 完全な世捨て人、自給自足生活の始まりだ。

 寝るときとオトナシさんとのふれあいタイム以外は、ほとんどダンジョン内にいる。


 外へ出る必要なんてないんじゃないか。

 ステイホームならぬ、ステイダンジョン……ありかもしれない。


 ニュースで行方不明者が増えているというけど、こういうことかもしれない。



 とはいえ、現実世界を無視するわけにはいかない。


 バイトとメッセージのやり取りはしている。

 仕事の質問や相談にはなるべく答えている。

 辞めたからって、放っておけるわけじゃない。


 前までの俺は仕事がすべてだった。

 それを失った俺にはダンジョンしかない。


 現代社会には未練(みれん)がなくなってしまっている。

 生活費の懸念(けねん)はあるけど、当面は暮らしていける貯金はある。

 外で働こうという気持ちはいまのところ湧いてこない。


 もう、一生分働いたんじゃないかな。

 ブラック労働で燃え尽きたぜ……真っ黒にな。



 家賃さえ払っておけばダンジョンは安泰だ。

 それだけは維持しなければならない。


 有給休暇の件も、オーナーのことだからちゃんと払うかわからない。

 法的には問題ないと思うが、あの無能ブラックオーナーだからな。

 零細ブラック企業には、法の縛りや社会的制裁とか通用しないから困る。


 有給休暇どころか、給料も大丈夫かな?


 事務も経理も振り込みも俺がやってたからな。

 専門の事務職は雇っていない。そんな余裕はない。


 店に立つ人間すらケチって最小限だから、キッチンもフロアもレジも俺が埋めていたし。


 盾も火力もバフ(支援)も回復もこなすメンバーをパーティーから追放したようなもんだ。


 俺が居ない状態で、オーナーにできるだろうか。

 できない(断定)


 俺の給料が入らないのは困るが、バイトのみんなも困るだろう。

 うーん。心配だ。


 でもまあ、要らない(クビ)と言われたんだ。

 結局、もう関係のない話だ。

 知ったことではない。



「あー、考えてもしょうがない! とりあえず三階を偵察しよう!」


 治癒薬は保険として持っておいて、いざというときにだけ使う。

 死んだらおしまいだ。大けがをしたら迷わず使う。

 外へ出られなくなる心配はそのあとでいい。


 治癒薬の小瓶を布でくるんで腰袋に大切にしまう。

 落としたり割れたりするようなくだらないミスは起こさない。



 階段はモノリスから見えるほど近い。


「体調は万全。疲れもない。ケガは完治していないが戦闘に支障はない。安全確認ヨシ!」


 チェックを終える。意識を切り替える。


 さあ、探索の時間だ!


 目標は三階の偵察。クリアは目指さない。

 本格的な攻略(アタック)の前に傾向をつかむ段階だ。


 慎重に階段をくだっていく。


 常時発動(パッシブ)スキルはすべてオン。

 【歩法】による忍び足で物理的に立てる音も抑える。


 階段を降りきり、三階へ到着する。


 そこは広い空間だった。


 これまで通り洞窟風であることは変わりない。

 天井が高く、開放的な空間になっている。


 通路と部屋で構成されていた二階までとは違う。

 一番の違いは、壁が少ないことだ。


 今降りてきた階段は、壁に空いた穴のような入り口から二階と三階を繋いでいる。

 つまり、後ろには壁がある。


 前方はひらけた空間となっていて、壁がない。


「おお、広々したな! しかし、これはマズイな……」


 俺の主戦術は【隠密】からの不意打ちである。

 隠れるための出っ張りや、曲がり角が必要だ。


 この階層にはそれが少ない。


 かわりに、ところどころに大きめの岩が落ちている。

 身を隠す場所がないわけではない。

 とはいえ、少し立ち回りは変わってくるだろう。


 下から伸びた鍾乳石……石筍(せきじゅん)もある。

 タケノコのように、岩が盛り上がっている。つららの逆版だ。


 天井からは鍾乳石が垂れ下がっている。

 天井は起伏が激しいので、全体は見通せない。


「お、コウモリ発見! ここにも居るんだな」


 遠くにコウモリが飛んでいるのが見える。

 距離感はわからないが……デカいような。


「とりあえず、壁沿いに進んでみるか。広いところは危険だ」


 俺は壁沿いを歩いて、様子を見ることにする。


 今回は、左手側を壁にして進む。

 前までは右手の法則でやってきたが、あえての左だ。


 俺は右利きで、バットを右手に下げている。

 【壁走りの術】を使うときも左手を壁にそえる。


 右回りだと、少し動きづらい場面があったのだ。


 これまでの探索での改善点である。



 少し進んだところでゴブリンを発見する。二匹だ。

 数は二階層と変わりない。

 二階層にいるゴブリンより、少し大きいような気もする。


 ゴブリンも成長……階層によって強化されるものなのか。


 さて、戦闘(検証)開始だ!

でも半分くらいは考察回!

検証と考察が長いけどまあ許せる……と思う方はブクマ・評価をお願いします!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 二階と三階を繋いている。 濁点が・・・
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