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日曜日の朝も……朝練だ! 七階層の反省と対策! 【装備】【背負子】【籠】

 今日はトウコとの約束の日。

 昼には店に行かなきゃならない。


 でも、朝練はいつも通り行うぞ!

 ルーティンは大事だ。

 コツコツ自分のペースでやらないとね。


 朝練前の食事は昨日モノリスで引き換えた食パンの余りだ。

 持ち込んだハチミツとバターをたっぷりかけて食べた。

 ちゃんとうまい。

 いずれはコンロとか作って調理もできるようにしようか。


 はからずも、俺のダンジョンでも食糧問題が解決してしまったな!



 さて、七階層の攻略についてだが……。今の課題は三つだ。


 一つ目は、罠。

 二つ目は、クモ。

 三つ目は、オトナシさんの恐怖心。


 一つずつ考えていこう。


 まず、罠の回避方法は簡単だ。

 俺のダンジョンは構造(マップ)が固定だ。

 毎回作り直される不思議な(ローグライク)ダンジョンじゃない。


 だから、罠の位置も固定。

 今回のトゲの罠については、罠のスイッチを踏まない対策をすればいい。

 あるいは、罠を発動させて無効化すればいい。


 考えられる対策は――しるし、棒、橋だな。


 前回やったみたいに、分身を歩き回らせるのは手間がかかりすぎる。

 用意できるなら、もっといい手を使おう。

 効率よくいかないとね。

 日々、カイゼンである!



 クモの対策。

 これは……三つ目とも関連する。


 デカいクモはコワい。

 それが問題なんだ。

 気持ちの問題なんだけど、どうしようもない。


 モンスターは見るだけでも敵だと認識して、闘争心がわきあがる。

 殺しても嫌悪感を覚えにくくなる。


 そうした謎の補正を受けてなお、クモは見た目に嫌悪感を覚えてしまう。

 俺でさえ、ちょっとビビってしまった。

 コウモリの顔もコワいが、クモは体もキモい。


 慣れればどうにかなるかもしれない。

 これには単純な解決方法はないと思う。


 ちなみにモンスターの強さとして考えたときのクモは、たいしたことはない。

 戦ってみた感じ、充分に勝てる。


 動きは素早い。

 でも、飛んでいるコウモリと比べれば捉えるのはたやすい。


 力や攻撃力は、まだわからない。

 手裏剣だけで倒せるから、近づかなければいい。


 特殊能力やスキル……たぶんクモの巣を張ることだろう。

 拘束力はかなりのもので、人間はすぐに動けなくなる。

 俺の場合は【入れ替えの術】で脱出できそうだな。

 そもそも巣に引っかからない対策を立ててかないとな。


 おそらくは消化液や毒攻撃もあるだろう。

 モノリスの引き換え品に「クモの毒腺」がある。つまり毒持ち。


 ちなみに自然界に存在するクモの毒は、人間にはほとんど効かない。

 そもそもクモは自分より大きい相手を襲わない。

 現実のクモは敵じゃないんだよな。益虫(えきちゅう)なんだ。

 それでもキモがられるクモさん。


 だけどモンスターのクモは襲ってくるし、毒も強力だろう。

 そもそも体がデカいから、同サイズの人間も襲うよね。


 というわけでクモ対策で俺ができることは……。

 まずはキモさに慣れること。

 そして戦う上では糸に気を付けること。

 普通に戦えば勝てるけど、うっかり糸にまかれたら死ねる。



 三つ目の問題は俺の問題じゃないから、解決は難しい。

 オトナシさんの気持ちの問題。

 戦うことや、怖いことに慣れたり我慢してもらわないといけない。

 これは無理強いできない。


 でも、きっと彼女はあきらめない。

 一緒に戦いたいと……頑張ると言ってくれた。

 嫌なことでも俺のために頑張ってくれるとか……神か。女神なのか!



「これなら、次回の七階層の攻略はなんとかなりそうだな!」



 今日の朝練はレベリングをしながら荷物の運搬である!


 罠対策として、七階層に物資が必要だ。

 これを拠点やモノリスで用意して、運んでいくのだ。


 俺には収納系スキルがないので、地道に運ぶしかない。


「まずは……荷物を運ぶための道具を作るぞ! 背負子(しょいこ)だ!」


 背負子(しょいこ)とは、背中に背負う運搬具だ。

 荷物をくくりつけて使う(フレーム)だ。


 二宮金次郎の銅像……マキを背負ってるヤツを想像すると近い。

 リュックサックでもいいけど、頻繁に荷物を積み下ろしする予定だからこちらを採用する。

 素材的に木材で作れるしね。一部は布や革も使う。


 材料は「ゴブリンの木の大盾」を使う。ゴブリンの戦士の魔石で引き換えられる。

 あとは集めた松明も木材だ。


 七階層に持っていきたいのは、木材だ。

 攻略対策に使うつもりだ。


 運搬具もいらなくなったらリサイクルして木材として使える。

 これをどんどん、七階層へ輸送していくのだ。

 これが今回のミッションである。地味である!


 段取りが大事。攻略の前にこうして、地味な用意をしておくのだ。



「あ、他にも課題があったな。分身の装備だ。とっさに武器や装備を持たせられない問題……」


 リュックサックには分身に持たせるための武器や装備を入れている。

 それをとっさに装備させることが難しい。


 戦闘に入ってから分身を出したとき、スムーズにいかないんだ。

 昨日も自律分身に渡しはしたが、中身を装備する時間はなかった。


 それを改善するには……。


 カゴだろうか。上が開いた構造のカゴなら、すぐに取り出せる。

 背負子にセットすれば、リュックサックのように持ち運べる。


 背負いカゴ、籐籠(とうかご)葛籠(つづらかご)行李こうり……。

 呼び方や材質はいろいろある。

 どちらにしても、木や竹や植物を使った入れ物だ。


 こういう入れ物は当然、忍者も使う。

 【忍具作成】の出番だ!


「というわけで、カゴを作成だ! ――忍具作成!」


 背負子にセットできるサイズのカゴが完成する。

 全部自分で作っていると、サイズもバッチリ。

 オーダーメイドである!



 カゴに木材を積み込む。


「こんなものを背負っていては戦えない。――そこで! 分身に運ばせる作戦!」


 なんでも分身で解決してしまうぞ!


 【分身の術】レベル4では、効果時間は長くない。

 効果が切れる前に新しい分身を出して、進んでいくのだ。


 魔力が切れる前に瞑想と魔力回復丸を使って、どんどん進むという作戦。

 ゴリ押し! ゴリ押しだ!


 そうして出発した俺は、道中のモンスターを狩りながら六階層の階段まで荷物を運んだ。

 積極的なモンスター狩りのおかげで、熟練度や経験値もバッチリだ!


 レベルが一つあがった。

 道中でスキルレベルも上昇した!


<【跳躍】 1→2>

<【軽業】 1→2>


「ポイントは貯金、と。【跳躍】と【軽業】のスキルレベルが上がったのはうれしいな!」


 より身軽になった。動ける忍者を目指していこう!


 ポイントを使わずに熟練度で上がるのが最高だな。

 修行や朝練に意味があるってもんだ!


 日々修行である!



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 名前 : クロウ ゼンジ

 レベル: 13

 筋力 : C

 体力 : B

 敏捷 : B+

 知力 : C

 魔力 : C

 生命力: C


 職業 : 忍者、中級忍者

 スキル:

  【忍術】

   【壁走りの術】2

   【分身の術】4

   【薬術】2

   【忍具作成】3

   【忍具】1

   【体術】1

   【毒術】2

  【中級忍術】

   【判断分身の術】1

   【入れ替えの術】2


  【隠密】

   【隠術】2

   【消音】2

   【致命の一撃】2


  【暗殺】2

  【投擲】2

  【歩法】2

  【身体強化・敏捷力】1

  【身体強化・筋力】1

  【身体強化・体力】1

  【暗視】2

  【回避】1

  【受け身】1

  【危険察知】1

  【跳躍】2(1から上昇)

  【軽業】2(1から上昇)

  【瞑想】1


  【打撃武器】1

   【打撃武器・威力強化】1

   【フルスイング】1


  【片手剣】1

   【片手剣・威力強化】1

   【ファストスラッシュ】1


  【エラー】

   【自律分身の術】

    【意識共有】


 (残ポイント:6)

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― 新着の感想 ―
[一言] キャリーバッグとかオバさんがスーパーに行くのに使うようなショッピングカートだと女の子でもそこそこの荷物を運べますよね 一人にだけ荷物持たせるって、気にするんじゃないかとか、前衛が荷物背負う…
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