ノートと記憶と今後の方針!
お詫びと訂正
「中級忍者の道!」にて、この時点で表示されないはずのスキルが習得可能なリストに表示されていたのを削除しました。
……覚えている方は記憶の改ざんをお願いします!
何度かの戦闘をこなしながら、六階層を進んでいく。
ノートの地図を確認しようとして、見覚えのない書き込みに気付く。
「ん? なんだこれ? ――リアル・ダンジョン攻略記を調べろ?」
俺の筆跡だ。書いた覚えがないが……?
思い出した!
「まじかよ!? ノートに書いたことも、それを見ることも忘れるのか!」
ぞっとする。
記憶がまた欠損している。
意識していても、防げないのか!
まいったな……。
ただメモに残すだけではダメらしい。
一度は、思い出していた。それが、外に出たとたんに再び記憶が消えたんだ。
そうならないためにメモを書いたのに、ノートを見ることさえ忘れる。
あれだけ忘れないように意識したのに。
しっかり認識したつもりが、まだ足りないのか。
ダンジョンを出るときにメモを手に持っておくことにしよう。
いっそ手の甲にでも書いておこう。今すぐ書こう!
「これでよし……!」
手の甲にでかでかと「メモを見ろ!」と書いておく。
ノートを切り取って「リアル・ダンジョン攻略記を調べろ。わからなかったらダンジョンへ戻れ!」と書いておく。
これはダンジョンを出るとき手に持っていく。
健忘症になった気分だ。
三つしか覚えられない映画あったよな。
こっちは一つも覚えられないというヤバさよ。
記憶を失うのは恐怖だ。
自分とは、過去の積み重ね。記憶と経験が俺を俺たらしめている。
忘れるということは、自分を失うってことだ。
忘れたことすら忘れてしまえば、思い出すこともできない。
リアル・ダンジョン攻略記についての記憶は消えやすいように思える。
おそらく、禁則事項に触れている度合いが強いんだ。
俺はストーカーが追放されるところを見た。
でもこの記憶は消されなかった。
もしかしたら、この出来事よりも優先度の強い禁則事項なんだ。
謎の力による記憶の改ざんをする力が強いのかもしれない。
そうまでして、読ませまいとする。
きっと、重要な情報、読み取ってはいけない情報がある。
「帰ったらすぐ調べるぞ!」
意識を攻略に切り替える。
前回までの攻略で通らなかった道を選んで埋めていく。
どちらかと言えば俺は手前から探索していくのが好みだ。
退路を確保しておきたい。いざという時はすぐに帰れる。
不確かな通路や部屋が多く残った状態で先へ進むと、帰りに危険がある。
負傷したり疲れ切った状態でハプニングに対応したくない。
一人で探索していると、突発的な状況に対応しきれない。
失敗すれば死ぬかもしれない。
「オトナシさんを誘って俺のダンジョンを二人で攻略するのもいいけど……」
俺のクローゼットダンジョンは、少し危険なように思う。
オトナシさんのトイレダンジョンよりも殺伐としている。
「でも、角ウサギの攻撃にも耐えるオトナシさんなら大丈夫なのかな」
彼女は俺よりも強い。火力も耐久力も上だ。
注意力や回避力、手数は俺のほうが上だろう。
俺が前衛。彼女が後衛。
そういう役割ならスムーズだ。
レベル差もある。
頼ってしまえば簡単に攻略できそうな気はする。
……でも、頼ってばかりではダメだと思う。
俺もいつまでも負けてはいられない。
レベル差を埋めるためにも、積極的にレベリングをする。
今度こそ、ちゃんと彼女を守れるように。
うん。修行だな。
力量差は努力で埋める!
時間の限り、ダンジョン攻略しよう!
「よし。自主練でレベル上げをする。並行して彼女とも潜る!」
攻略を進めればレベリング効率も上がる。
次回潜るときは、オトナシさんを誘ってみるか!
ご意見ご感想お気軽に!
作者の記憶があやしいのはご容赦ください!