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湧き潰しはマキビシで!

新作がステイホームよりランキング上位だと……!?

「そういえば、オトナシさんの拠点ではモンスターの湧きが減ったって言ってたよな。あれって……」


 畑を作ってから、だんだんモンスターが来なくなったと言っていた。

 何か条件があるはずだ。


「植物? 現実世界から持ち込んだ野菜のせいか?」


 外来種……ダンジョンには存在しない植物。

 植物は生物だ。生きている。

 種や苗の状態で持ち込んで植えて、成長させたもの。


 ダンジョンには持ち主以外も存在できることはさっき確認した。

 オトナシさんが外にいても野菜は存在する。


 これが、モンスターを近寄らせない原因だろうか。


 あるいは、植物でなくてもいいのかもしれない。

 外から持ち込んだ物品。


 あるいは、所有者のある物品。

 つまりはダンジョンからみて異物にあたるものだ。


 例えば俺がダンジョンにいるとき、目の前でゴブリンが湧いたりしない。

 見ていないところでいつの間に発生(リポップ)している。


 普通のゴブリンやコウモリ、宝箱は一日程度で再配置されている。

 ボスについては翌日には湧いていなかった。

 これも確認しなきゃな。



「というわけで、実験だ!」


 人工物、持ち込んだ品物をばらまいておく。

 そうすることで、モンスターがわかなくなるかを試すのだ。


 最近拠点にはモンスターは湧いていない。

 偶然かもしれないが、拠点を整備したおかげかもしれない。


 いつもゴブリンが湧いているポイントに、異物、俺の所有物をまいておく。

 これで、モンスターの発生を抑止できるかを確認する。


 ここでバラまくのは……マキビシだ!


 マキビシは忍者が逃走時に使う忍具である。

 もとは(ヒシ)という、トゲトゲした硬いカラのある植物の実だ。

 ヒメビシとオニビシがあり、忍者が撒くのはオニビシが主流だ。


 どのように投げても、常にトゲが上を向く。踏むと足を痛める。


 海外ではカルトロップと呼ばれる。

 足への罠という意味だ。


 鋭い突起を持ち、尖った面が上を向いているものだ。

 鉄パイプや釘で簡単に作れる。


 今回作るのは簡単なものでいい。

 板状の木片に釘を打ち付けて、先端がはみ出るようにする。

 マキビシ感は弱いが、簡単に作れる。


 簡単に作れるということは、分身で作れるということだ!


「判断分身の術! 木材が台の上にない時、木材を台の上に置く! 木材に釘が五本以上打ち込まれたら箱に入れる!」


 一体目の判断分身には木材の設置を命じる。


「判断分身の術! 台の上に木材があるとき、釘を打ちつけろ! 木材に釘が五本以上打ち込まれている場合は待機!」


 二体目は規定の本数まで釘を打ちつける。

 五本、と指定すると何らかの理由で五本を見逃すと延々と釘を打ち続けてしまう。

 もちろん、二体の分身で行う場合は五本を見逃すことはない。

 念のための条件だ。


 この二体の判断分身で、流れ作業が完結する。

 細かい条件を指定しなくても、二体の分身がぶつかったりはしない。

 このあたりはイメージ次第だ。


 どんどん、板マキビシが作成されていく。

 かまぼこ板に釘が刺さっているくらいのもので、けっこう目立つ。

 薄暗い洞窟とはいえ、見え見えの罠だ。

 でも、相手はゴブリンだからな。普通にひっかかるだろう。


 ちなみに分身を使ってマキビシを作っても、普通の品物になる。

 ダンジョン産の品物とはならない。

 なぜなら、ただの物理的な工程で作成しているからだ。


 判断分身を使えば料理とかも自動でできそうだな。

 料理はレシピ通りに作れば、同じ味になるからだ。


「これでよしと。俺はもうちょっとそれっぽいマキビシを作るぞ」


 簡易版でも今回の実験としては使えるし、威力も充分ある。

 だけど、忍者感がね。


 というわけで、釘を輪ゴムで束ねた釘マキビシを作ろう。

 何本かの釘を輪ゴムできつくまとめる。

 その際、先端がバラバラの方向を向くようにする。


「けどこれ……結構手間だし、いい感じに先端を向けるのが難しいな」


 思ったほど簡単じゃなかった!


 なら、スキルで作ってしまおう。


「忍具作成! マキビシ!」


 材料は釘。

 漫画や創作に出てくるマキビシの形をイメージする。

 五センチ程度。

 ばらまくので、数は多く作る。


 ――【忍具作成】が発動して、釘マキビシが完成する。


 だいたい釘が十本と魔石一個で二つのマキビシができる。

 手裏剣よりコストは軽いな。


 これは専用のポーチを作って持ち運ぶようにしよう。

 マキビシポーチをコウモリの皮を厚めにして作成する。

 ポーチは下側からもワンタッチで開けられるようにしておく。


 手でつかんで投げなくても、ざらざらとばらまくことができる。


 【忍具】スキルがいい感じにばらけさせてくれるはずだ。



 ちなみに、自分のダンジョン内にばらまくと自分で踏む心配がある。

 そんなマヌケなことはしたくない。

 ばらまく場所は、普段通らない通路や部屋に限定する。


 俺の場合は壁を走れば踏まずに済む。

 だけど、分身は壁を走れない。

 フロア全体にばらまくのはナシだな。

 マキビシ作るのも大変だし、敵がわかないのも困る。

 経験値や魔石が必要だからね。


 そして、マキビシの回収は簡単だ。

 判断分身に命じればいい。


 ネットや糸で一まとめにしたマキビシを作ってもいいけどね。

 マキビシは普通バラだからな。まずは普通っぽいのがいいだろう。



 これで二種のマキビシができあがった。

 分身に作らせた板マキビシ。

 クラフトで作った釘マキビシ。


 これを、第一階層の普段使わない行き止まりの部屋に撒いておく。

 一つの部屋と通路に、板マキビシを撒く。

 別の部屋と通路に、釘マキビシを撒く。


 この両方の部屋にゴブリンが湧かなければ、成功と言える。

 マキビシのまかれた部屋でゴブリンが湧いた場合……移動できずにそこに留まるんだろうか。

 ゴブリンのことだから死ぬまで踏み続ける可能性もあるけど……それはそれでいいか。


 基本的には拠点に入ってこなければ問題ない。

 実験結果はさておき、拠点から外に通じる通路にはマキビシゾーンを作っておくのもいいな。

 ジャンプしたら超えられるくらいの幅であれば、分身の移動にも問題はない。


「よし。設置完了! 結果は明日チェックだな!」

ご意見ご感想お気軽に!

この下にリンクがあるので、新作のトレーダーもよろしくお願いします!

それから……蛾もあるよ!(日に1PVくらいしかないよ!)

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