転送門と扉の関係!?
今日は二話投稿予定!
ダンジョンの出入りについて、オトナシさんに協力してもらって確認した。
人のダンジョンの中に居るとき、自由に出入りできるのか、という疑問だ。
まあ、大丈夫だとは思うけど一応。
転送門の出入りは、外から見てるとちょっと怖い感じだった。
ひゅっと吸い込まれる感じ。
オトナシさんが外にいる状態で俺が中に居ても問題ない。
転送門がなくなって閉じ込められたりはしない。
その状態で俺が外に出て、再び中に入っても問題ない。
持ち主の居ないダンジョンへも出入り自由だ。
仮に持ち主とダンジョンが紐づいているとしても、すでにダンジョンを持っている――知っている人が入ることはできる。
ダンジョンを知らない人の場合どうなるかは試せないが、ここまでは確認できた。
同じことを俺のダンジョンでも確認した。
クローゼットダンジョンにオトナシさんが単独で出入りしても問題はなかった。
入り口の見た目も変わりない。
ちなみに、人がダンジョンに入ったとしても俺はそれを感じたりしない。
知らないうちに出入りされたとしても気づけないってことだ。
「ダンジョンは出入り自由みたいですね。オトナシさん」
「そうみたいですねー。カギがかけられたらいいのに……」
外からカギをかけて、ダンジョンが見えないようにできたら便利だろう。
内側からカギをかけて、入り口を閉じることができたら、安全な気がする。
「とりあえずは、クローゼットやトイレにはカギを取りつけておいたらいいかもしれせんね」
「カギ、ですか? でも、内側からはかけられませんよね……」
たしかにその通りだ。
ドアを潜ればすぐ転送門だ。
ドアを閉じてカギをしめる前に、ダンジョンに移動してしまう。
「俺のクローゼットの場合もそうですね。入ってる間、開けっ放しになります」
逆に、閉まったらどうなるんだろうな。
ドアなりクローゼットにめりこむのか? 転送門が閉じるのか?
転送門が閉じて、中に閉じ込められるのは困る。
閉じ込められるだけなら、まだましだ。
俺は疑問を口にする。
「ダンジョンに入ってから、外側のクローゼットのドアを閉めたら……どうなるんでしょうね?」
「試してみます? 私、入ってみましょうか?」
「いや、危険かな? ドアにめり込んだり、融合してしまったら怖いし」
ドアが閉まった状態で出入りをするのは危険だ。
恐怖! ドア女……って感じになったらいやだ。ハエ男的な。
あるいは「どあのなかにいる」みたいになってもイヤだ。行動不能で即死とかね。
「じゃあ、私が入ったらクロウさんがドアを閉めて、少ししたらクロウさんが開けるというのはどうでしょう?」
「それなら……危険はないかな? 入ったらすぐ、転送門の状態を確認して、一分後に出てくる感じで」
ドアを閉めて状態を確認して、出るときには開けておく。
これなら危険はない。
「それなら大丈夫そうですね!」
「でも、入る役は俺がやります。俺が入ったら三十秒間ドアを閉めておいて、そのあと開けてください。ダンジョンの中と外で時間の流れ方は同じです」
三十秒は予備の時間だ。
ギリギリでドアを開けそこなっては困る。
「わかりました。入ったらすぐ閉じて、三十秒たったら開けますね!」
「では、いってきます!」
俺はクローゼットの転送門に触れる。
ふわっとした感覚。
――俺はダンジョンの中にいる。
「さて、転送門はどうなったかな?」
振り返って確認する。
変化なし。いつも通りの黒い水面が揺らめいている。
心の中で時間をカウントする。
三十秒経っても、変化はない。
一分経過。
やはり変化はない。
転送門に触れ、俺はダンジョンの外へ出る。
オトナシさんが少し心配そうな表情で俺を出迎える。
「あ、どうでした?」
「中から見ていても、変化はありませんでした」
「外からだと扉が閉まっているときはただのクローゼットにしかみえませんでしたよ」
これは想定通りだ。
中に人がいない状態であれば、普段から俺も見ている。
中に人が入っている状態でも同じってことだ。
扉が閉まっていれば、中は見えない。ただの閉じたクローゼットだ。
「まあ、一応試せることは試したかな。閉じた状態のテストは危険だからやめておきましょう」
「はい! でも……勝手にドアが閉まっちゃったら……どうしよう」
たしかに。窓でも開けていたら風で閉じることもある。
俺のクローゼットは建付けが悪いから、簡単には閉じない。
オトナシさんのトイレのドアは、風で閉じる可能性があるな。
「注意は必要ですね。ドアストッパーでもかませておくとか」
「はい。そうします!」
転送門についてのちょっとした疑問は解消できたな!